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’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】

  • 2020/11/4
’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】

マシン作りを始めてからすでに20年…

ベース車両であるドゥカティ750を購入してから27〜28年になるこの企画? その間、紆余曲折あって”一歩前進、二歩後退”。しかし、この数ヶ月で本気モードに突入し、時間があればガレージに入り浸りの日々…。個人的には病後の体力回復リハビリを優先すべきなのだが、指先リハビリのつもりで細かな組み立て作業を楽しんでいる。

作業手順は以下の通り。通常のレストアなら、ベース車を確認したら速攻で全バラ&作業に取りかかっているが、今回のようなスペシャルメイドやレーシングマシン製作の場合は、できるかぎりすべての部品を組み付け、物理的な不具合がないことを確認してから電装系を引き回し、できることならエンジン始動。それからすべてを分解して、それぞれの部品を仕上げたら再度組み上げて、セットアップを詰めていく、という手順を取っている。

今回の場合は、20年前にこのエンジンでスポーツランドSUGOを走っていたので、エンジンに関しては始動せず、すべての電装系通電とスパークプラグへの着火を確認してから本格的な仕上げ作業に入った。つまり現段階での組み立ては、すべて”仮組み”。たとえば、オイルクーラーを取り付けるフレーム側のブラケットは仮溶接。外装パーツの干渉確認もサクッとしかやっていない。

この直後に車体を完全バラバラにして、単品になったフレームにガソリンタンクを載せてひっくり返し、タンクの裏側がフレームと干渉していないか詳細点検する予定だ。イタリア製外装部品だからというワケではないが、このあたりは厳密に点検しないと、後々面倒なトラブルになりかねないので。

ツインプラグの点火系はASウオタニSPIIの特注仕様

仮組みの”最後の砦”が点火系である。今回も迷うことなく、ASウオタニ製フルパワーイグニッションシステム「SPII」を採用した。このラウンドLツインエンジンは、普通のエンジン仕様=ノーマル仕様とはほど遠い仕様なので、様々なシーンで”許容範囲が広いSPIIシステム”に助けてもらえ場面もあるはず!? などと考えている。

ツインプラグ仕様なので、オーダーの際には900MHR用キットをベースに、1ヘッド1プラグのSPIIシングルコイル仕様ではなく、1ヘッド2プラグに対応できる「SPIIツインコイル仕様」をセットにしてもらった。以前にF750イモラレーサーを走らせていた時も同内容でオーダーし、大変良い結果を得られている。押し掛け時の始動性は抜群!! F750は乾式クラッチ仕様だったので、なおさら切れが良く押し掛けは楽勝だった。

そんな感じで電装系をすべて取り回し、ASウオタニの点火系も取り回し、すべての電気系回路の通電と点火系のスパークを確認ができたので、いよいよ車体の全バラに取りかかれることになった。

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「特注仕様」と書いたが、それは部品の組み合わせのみ。ベベルドゥカティ用点火マップのユニットに国産4気筒モデル用のツインコイルを2個組み合わせてもらった。ハーネスは900MHR用のまま。

’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】
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’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】
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SPIIユニットは、レブリミット設定や点火カーブの設定をユーザーニーズに合わせて調整可能。この頭脳があれば、アイドル域の点火時期を始動性優先の設定にして、最大進角を任意に調整できる。

’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】
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’72ドゥカティ750改フルレストア【ツインプラグ点火系はASウオタニSPII特注仕様】
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ツインプラグ化のために、国産4気筒モデル用のASウオタニ製SPIIイグニッションコイルを2個装備。ハイテンションコイルは性能よりも雰囲気優先で、MVアグスタ旧4気筒用のクリアカバー付きの通称「コタツ」コード。

’72ドゥカティ750改フルレストア|ラウンドエンジン
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’72ドゥカティ750改フルレストア|ラウンドエンジン
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スクエアエンジンのオイルフィルター部分にポイント室があったラウンドエンジン。ポイントもギヤも取っ払い、自作カバーで遮断。追加で必要なピックアップコイルは、ミブコーポレーション製ベースに後期スクエアのボッシュ製ピックアップをボルトオン。

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同梱の配線図は純正ベースの900MHRシリーズ用。このハーネスを利用して+電源とアースを点火専用で引き回し、わかりやすいハーネス回路にする予定だ。実にシンプル回路。

’72ドゥカティ750改フルレストア|メインハーネス
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’72ドゥカティ750改フルレストア|メインハーネス
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20数年前に購入した新品メインハーネスは当然ながら純正回路。しかし、今回はライトスイッチ&L/H切り替えやウインカーやホーンのスイッチを、後のドゥカティのように集中スイッチにするため、ヘッドライト&メーター周りの回路は大改造した。

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ハンドルスイッチを左集中の70sヤマハ用新品部品に交換したことで、ライトケース内はすっきり。ドゥカティ純正だとヘッドライトケース内がゴチャゴチャになり、大変なはず。

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’80年代以前、2輪4輪を問わずヨーロッパ車の多くに採用されていたプラスチックボディのフューズ。スペアフューズはメルセデス用でセット購入した。アンペア値は近似値だ。

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各色切れ端の矢崎製ハーネスコードや同新品コードを駆使して、可能な限り色合せしながらハーネスを改造した。感覚的にヘッドライトケース内の取り回しはほぼ新作した。

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機械式のような鉄の箱に収まるレギュレーターレクチファイアは、スクエア初期の750SS用スペアとして持っていたアルミボディの純正部品に換装。発電機も大型化している。

’72ドゥカティ750改フルレストア|ドゥカティ純正点火時期確認用分度器円盤
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’72ドゥカティ750改フルレストア|ドゥカティ純正点火時期確認用分度器円盤
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これはドゥカティ純正の点火時期確認用分度器円盤。専用のアーム工具に取り付けて上死点確認と点火時期を調整する。ダイヤルゲージでピストン上死点を見つけてポインターを曲げて合せる。バッテリーを接続してギヤを入れてリアホイールを回し着火確認。

’72ドゥカティ750改フルレストア|タコメーターギヤボルト
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’72ドゥカティ750改フルレストア|タコメーターギヤボルト
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クランクを回しながらメーターギヤを凝視したら、カバー内のタコメーターギヤが回っていなかった。ジョイント部品がなかったので、ボルトを素材に旋盤で削り出し製作した。落下防止の筒はアルミ棒からの削り出し。

’72ドゥカティ750改フルレストア|シリンダーヘッド
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’72ドゥカティ750改フルレストア|シリンダーヘッド
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シリンダーヘッドは市販レーサーのNCR900TT1初期型用。スタッドボルトのピッチを加工して市販車クランクケースに合せてツインプラグ化。ピックアップコイルには極性があるので、火が弱い時には2本の配線を入れ換えてみよう。

●文/写真:田口勝己(モトメカニック編集長) ●取材協力:ASウオタニ
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※この記事はバイクいじりの専門誌『モトメカニック』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。

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