
【テスター:丸山 浩】自身が主宰するWITH MEのもて耐マシンにナイトロン製サスペンションを採用している丸山 浩が、今回はニンジャZX-25R用もテスト。
速くなりたいなら、まずはリヤサスから着手
ZX-25Rノーマルサスペンションの性能は公道では申し分なく、特にフロント倒立フォークはサーキットレベルでもそのままでいける性能を持っている。リヤサスもかなりのペースまで初期の動きは優れているが、リヤは限界近くまで攻め込んでいくと、さすがに奥まで沈み込んだ最後の部分でショックを吸収しきれず、ダダンと跳ねるような感触が出てしまうことが分かった。レーシングユーザーが最初に換えたくなってくるのが、おそらくこのリヤサスではないだろうか。そこでナイトロンの「R3」を装着した車両をサーキット/街乗り/高速/ワインディングとひと通りテストしてみた。
【NITRON R3 series】R3シリーズは、伸側/高速圧側/低速圧側の減衰機構3系統が完全独立した構造の3wayとなっているのが特徴。互いの動きが干渉しないので、あらゆる場面で最高の路面追従性を実現してくれるナイトロンサスのフラッグシップモデルだ。もちろん油圧式プリロードアジャスターや車高調整といった機能も搭載。車体取付用の専用ブラケットも付属する。●価格:19万9100円
まず標準設定の特性はノーマルに近く、車体姿勢が変わらないように設定されている。フロントとのバランスの良さが光る。ノーマルと大きく異なるのが最初に述べた部分の解消。これだけでサーキットではより深くタイムを追求することができた。
また、峠でもペースが上がっていくと旋回力を増すためにサスを固めていきたくなるもの。ただ、いつもそれだと街乗りでは辛い。そんなときに工具いらずで街中と峠のセッティングを簡単に変えられるプリロード&圧/伸減衰のフルアジャスター機構が威力を発揮する。調整範囲はかなり広く、特にプリロードは2人乗りでも固めてやると1人乗りと変わらぬ車体姿勢となり、抜群に走りやすくなった。
R3は圧側減衰がHi/Loで独立しているのが特徴。Hi側は主にサスの動きが速いサーキットで威力を発揮する。公道ではLo側の調整でほぼカバーできたため、公道メインのユーザーは圧側が1系統のR2でも十分満足できるはずだ。
【調整は工具いらず】プリロードおよび圧側減衰のアジャスターは工具いらずのリモート式。ワインディングの現場に着いたらセッティング変更といった使い方など、走りの楽しみを簡単に広げてくれる。
【圧側は低速・高速が独立減衰】圧側アジャスターは、外側が高速(Hi)、内側が低速(Lo)に対応。サスの動く速さによって機能し、一気に沈み込むときとジワっと動くときでそれぞれセッティングを決められる。
【伸側減衰も独立制御】構造的に分かれているので、伸側は圧側からの影響を受けず的確に作動。アジャスターはショック本体の底部にあり、こちらも工具いらずだ。
映像でもインプレをチェック
ナイトロンR3シリーズ試用インプレッションの模様は、WITH MEがプロデュースするYoutube「MOTORSTATION TV」でも紹介している。動画でその走りを確かめてみてほしい。
●まとめ:宮田健一 ヤングマシン編集部 ●写真: 真弓悟史 ●取材協力:ナイトロンジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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