絶版車ユーザーに好評の「とことん整備」と、高い技術力に支えられたワンオフ作業を両立
上質絶版車を数多く取り扱い、一般整備や車検整備をハイレベルにこなしていることで知られる「モトジョイ」。現在の絶版車シーンにおけるユーザーの多くは、明らかに”ノーマル回帰派”が圧倒的多数なのはご存じの通りだが、しかしそれだけでは楽しみが足りない! マシンオーナーの好みや情熱を愛車に込めた「スペシャリティマシンだって楽しい!」と、モトジョイは積極的に唱えている。
モトジョイを統括するオーヴァーグループ代表・佐藤健正会長こそ、まさにそう唱える第一人者だ。佐藤会長は’70年代のモリワキエンジニアリングスタッフで、レーシングマシンの製造開発からレーシングライダーまで務めた人物。海外のレースでは、モリワキエンジニアリングからの派遣メカニックとして、後の著名ライダー(世界GPチャンプを含む!!)のメカニックも務めたという豊富な経験を持っている。
「以前はコンプリートマシンを作って登録もしました。今のメインはレース用フレームの改良や改造、フェザーベッドなどのレーシングフレームを作ってます。カワサキZ1エンジンを搭載した、KR1000イメージのコンプリートマシンも製作中です。コンプリートでオーナー渡しなので「OV40」と命名しました。当時のKR1000のようなシャーシデザインですが、あくまで現在の考えやOV号としての考えを取り入れました。単純にKRをコピーしたようなマシンではありません」と佐藤会長。
スペシャリティに積極的なばかりではなく、カワサキZ1のノーマルフロント周りにボルトオンできる320Φローターキット(専用キャリパーブラケットを介してノーマルキャリパーを使う仕様)も開発。ダブルディスク化もボルトオン仕様だ。また、絶版車に相性が良いエンジンオイルをオイルメーカーとともに開発している。単純にオイル粘度云々ではなく、ベース油性能も含め、実際に様々な条件でモトジョイスタッフが走り、すでに数種類をテストしているようだ。
理想的なエンジンオイルの開発やスペシャリティバイクの製作などなど、絶版車シーンへの積極性には、並々ならぬ情熱を感じられるモトジョイ。OV40KZ1がサーキットを走る姿…、早く見たいものだ!!
スペシャリティカスタム事例紹介
60年代後半に登場したトライアンフ製ユニットエンジンモデルをベースに、佐藤会長自身が自分用に製作したトライアンフのトライアルマシン。ノーマルフレームをベースに、前後足周りに合せてフレームを大幅改造。マフラーは亀岡トライアルランド製のアルミマフラーだ。 [写真タップで拡大]
ノートン製バーチカルツイン用のエンジンマウントハンガーやプレートを製作。オーダー内容に合せマシン作りが進められる。もう1台のシャーシはオーダー待ち。スペシャリティフェザーベッドマシンを作りたい諸氏はぜひ検討を。 [写真タップで拡大]
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●文/写真:モトメカニック編集部 ●取材協力:モトジョイ ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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