トルクレンチにおいて、ヘッドとグリップの距離は最も重要。ハンドルの種類を問わず正確なトルクが分かるKTC「トルクル」は、常識を覆す測定機器である。スマホを活用するのも大きな特徴だ。
スマホやタブレットとブルートゥースでつながるトルクレンチ「トルクル」
ボルトやナットを締める際には、適切なトルクで作業するのが大原則である。場数を踏むことで「これ以上締めたらナメるぞ」という勘が働くようになるのは事実だが、それだけでは正確な作業はできない。
KTCの新型トルクレンチ「トルクル」は、スマホと連動してトルク測定ができるのはもちろん、得られたデータを記録することで作業履歴を管理する「トレサス」というシステムの一端を担う製品でもある。
個人ユーザーにとって作業履歴の記録や共有と言われても正直ピンとこないが、ともあれサンデーメカニックにとっては、ラチェットハンドルやT形レンチ等どんなハンドルを使っても測定結果が同じなのが魅力である。トルク設定や測定はスマホを通じて行うので、トルクル本体を目視できない姿勢でも締め付け状態が分かるのも便利なポイントだ。
トルクル80N-mは差込角9.5sq.・トルク測定範囲8~80Nm。直径42mm・全長75mmのボディに測定ユニットを内蔵する。本体に表示部を持たないため、従来のトルクレンチにはないスタイルとなった。本体にあるのは電源ボタンだけで、あとは専用アプリをインストールしたスマートフォンでコントロールする。
ボルトナットと同軸上でトルク測定を行うので、使い勝手を優先したハンドル選択が可能
従来のトルクレンチはヘッドとグリップの距離を守るのが絶対条件だが、ラチェットでもスピンナハンドルでもT形レンチでも、駆動工具の種類を問わないのがトルクルの最大の特長だ。
専用アプリを使ってトルク設定や作業履歴を管理
トルクルを操作する無料アプリはAndroidとiOS用があり、スマホにダウンロードして使用する。設定頻度の高いトルクをプリセットできるので、作業中の設定切り替えもスムーズ。
トルクル本体が見えない作業でも、結果は手元のスマホで確認
機械式のプリセットタイプと同様だが、トルクルも測定時に本体を確認する必要はないので裏向きやエンジンルーム内でも使い勝手が良い。締め付け途中のトルクはスマホの画面に表示されるから、設定トルクに近づいていく様子もダイレクトに把握できる。
トルク測定範囲にかかわらず、トルクル本体のサイズはほぼ同一
KTCの9.5sq.プレセット型は5~25、10~50、20~100N-mの3つに分かれるが、トルクル80N-mはひとつで8~80N-mをカバーする。差込角12.7sq.のトルクル200N-mについては、黒い本体部分のサイズは9.5sq.と同じだが、ハンドル差し込み部分がガッチリした作りになる分だけ全長が長くなる。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●取材協力:京都機械工具
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