『モトメカニック』編集長・田口が挑戦中の’72ドゥカティ750改フルレストア。電気系の通電確認を終えてから数日後には車体はバラバラに。フレームの溶接など、必要な部分はすべて作業を終え、フレームとタンクの干渉確認もクリア。それぞれのパーツは仕上げ段階へと移行した。フレーム関連部品のペイントは、田口がとにかく信頼している「パウダーコーティング・カトー」(愛知県豊田市)に依頼した。
やっぱりシャキッとした「ブラックフレーム」は違う!!
フレームパイプの露出部分が多い、当時のドゥカティ。ベベル系以上にその後のパンタF1系の方が、トラス構造フレームを採用していることから、余計にフレームワークが目立つ。だからこそ、というわけではないが、やっばり骨格となるメインフレームとその周辺パーツは、美しく仕上げたいものだ。
1972年型の初期型スポルトのメインフレームは通称「ワイドフレーム」を採用。F750レーサーの1972年式もワイドフレームだった。後のスポーティな「ナローフレーム」よりワイドフレーム仕様の方が好み。オイルクーラーブラケットも全バラ後にしっかり溶接した。 [写真タップで拡大]
今回も、迷うことなく愛知県豊田市の「パウダーコーティング・カトー」にペイント作業を依頼した。パウダーコーティングと言っても、利用する”粉体塗料”のクオリティによって、仕上がりや耐久性には大きな違いが出る。粉体塗料も日進月歩で進化しているそうだが、パウダーコーティング・カトーでは常に研究を重ね、バイクにもっとも適した塗料を使って仕上げを施している。
単純にハイクォリティな塗料を使えば良いというワケではなく、熟練職人の加藤代表に塗ってもらえるからこそ最高の仕上がりになる。加藤氏自身が大のバイクファンであることも、筆者にとっては大きなポイントだ。筆者が気にしなかったような部分について「こうした方がいいかなぁ」と提案してもらうこともあり、過去に何度も助けられた経験があるのだ。もはや全幅の信頼関係と言える。
いつもなら取材途中に依頼部品を直接工房に届けていたが、今回はタイミングが合わなかったため、大手運送業者にフレーム本体とダンボール箱の2個口で発送依頼することに。加藤氏に連絡してどこの運送業者がお勧めか尋ねてから、その運送業者の地元センターへ持ち込んだ。数日後には「無事到着してますよ」と連絡が。
メインフレーム本体と周辺部品の2個口で運送センターに持ち込んだ。見るなり「オークション系ですか?」と訊ねられたりしたが、「塗装屋さんへの依頼です」と告げて受付完了。無事に到着してくれて良かった。 [写真タップで拡大]
今回のペイントで悩んだのは、トップブリッジと三つ叉である。アクセントを付けたくて相談してみると「ハーレーの部品で塗ることが多い、ザラザラの黒がいいのかな?」とのアイデアを出してもらった。フロントフォークのボトムケースやエンジンのプライマリーケースに対して依頼されることがあるペイントらしい。これもパウダーコーティングで仕上げるそうだ。
そんな話を聞き、トップブリッジと三つ叉は”ハーレーのザラザラ黒”で仕上げてもらったが、まさに筆者のイメージしていた通りに。加藤氏の助言があって助かった。ピカピカに仕上がったフレーム骨格と、3分ツヤのアクセントパーツ。さらに”ザラザラの黒”と相まって、かなりお洒落な仕上がりになりそうだ!!
当初は半ツヤ(7分ツヤ)のウレタンペイントで仕上げる予定だったが、今ひとつマッチングが良くないので加藤氏に相談。その結果”ハーレーのザラザラ黒”で仕上げてもらった。高品位でかなりいい感じで、気に入った。 [写真タップで拡大]
●文/写真:田口勝己 ●取材協力:パウダーコーティング・カトー
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