群馬県太田市の「遠藤自動車サービス」は、その名前が示すように、以前はスポーツカーを得意とする中古4輪車ショップだった。社長の遠藤裕氏は、並外れたモーターフリークとして知られ、趣味性の高いクルマを様々扱ってきた経歴を持つ。そんな遠藤社長のハートに響いたバイクが、ハーレーのオールドカスタムだったということなのだろうか? そんな疑問に答えてもらうべく、インタビューを行った。
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ウィズハーレー編集部(WH):最初にハーレーを扱うきっかけは何だったのでしょうか?
遠藤:以前、クルマと一緒にショベルのハーレーを輸入してみたんだよ。そしたらすぐに盗まれちゃって。その時、びっくりしたけどピンと来たんだね。なるほど、こんなのがみんな欲しいんだなって。それでさらに3台輸入したら、すぐに売れちゃった。
WH:その後はクルマとハーレーの両方を扱うショップに発展したわけですね。しかしハーレーについては、基本的にストックではなくカスタムに特化していった理由は何ですか?
遠藤:まず、僕自身が極端なモーターフリークだからかもしれないね。個性的な乗り物が大好きなんだよ。それで、当時ゼロエンジニアリングの木村さんのカスタムを見て、しびれちゃったんだ。グースネックのフレームで車体が低くてね。どこか日本的なムードを醸し出しながら、高級感も最高だった。あんなかっこいいハーレーは他にないと思ったんだ。
WH:遠藤スタイルのルーツは、そこにあったわけですね。
遠藤:でも、僕らが製作するのは芸術的な作品1台じゃないから、乗りやすさとかコストも追求しなくちゃならないでしょ。だから、アメリカにも事務所を持って、製作部門を分業するようにした。
WH:そして独自のスタイルを確立して、セミオーダーという方法で納車スピードも上げるようにしたというわけですね。ユーザーニーズが拡大するということは予想していたのでしょうか。
遠藤:ハーレーが日本に浸透してから、かなり時間が経ったでしょ。すると、ユーザーはわがままになりますよ。もっとカスタムしたいとか、他とは違うハーレーに乗りたいとかね。旧車というカテゴリーも魅力がある。でも古いと心配でしょ? もし新車で売っていれば買うけどなぁなんて人は多いですよ。しかも、カスタムバイクとなればなおさらその傾向になる。そんなニーズに答えれば良いわけです。
WH:ショベルやパンヘッドの新車は不可能だが、フルオーバーホールしたエンジンを新品のフレームに載せたカスタムバイクなら可能、ということですね。
遠藤:本当に古いチョッパー等をそのまま販売していたら、信頼性に問題が出てしまいます。それはつまりマニアな世界。それはそれで楽しい世界だけど、一般のライダーには向かない方向性だから、ビンテージを主軸にはしないわけです。でも古いシルエットはシンプルでかっこいいからね。新品のようなクラシカルカスタムを日々製作しているわけです。
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