「aidea(アイディア)」は、’19年の東京モーターショー(TMS)にてお目見えした日本の電動バイクメーカーだ。TMSで発表された「AAカーゴ」は少し進化を遂げ、’20年の6月に発売された。1回の充電で約80km走るこの電動3輪バイクが注目されている。
![近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎|SPANCHOOS|Twitter
デリバリー業界でも注目の電動3輪スクーター
アイディアの前身はイタリアのバイクメーカー・アディバ。イタリアでデザインされ、神奈川県の相模原で製造されている日本のバイクメーカーだ。今回試乗したAAカーゴには、原付二種クラスの「β4」と原付一種クラスの「α4」が展開されている。

【aidea AA-Cargo β4】●全長×全幅×全高(mm):2020×685×1715 ●シート高:700mm ●車体重量:207kg ●荷台耐荷重:100kg ●原動機:ブラシレスDCモーター×2 ●最高速度:60~70km/h ●駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー(セルはPanasonic製) ●バッテリー電圧/容量/充電時間:48V/4kWh/約3時間(200V交流充電時) ●一充電走行距離:80km(aidea社試験環境下) ●タイヤサイズ:フロント120/70-13″ リヤ130/60-13″×2(一般的なバイク用タイヤ) ●車体色:ホワイト ●保証:2年または30000kmまで(バッテリーは新品の50%の容量を保証) ●メーカー希望小売価格:90万900円 ※ α4は87万7800円 [写真タップで拡大]
「既存のスクーターよりも走り出しが強いですよ」と、アイディアのスタッフに送り出される。重い荷物を積んでもキビキビ走れるように、原付二種クラスのβ4はエンジンタイプのスクーターよりも初速パワーが強いセッティングにしてあるそうだ。バイクを起動して走り出すと「なるほど」 と実感できる。スロットル操作にリニアに反応して加速がとても良く、すぐに幹線道路のクルマの流れに乗って走ることができる。坂道でも速度が落ちることなく、気持ちよく登り切ることができる。
原付一種クラスのα4にも試乗したが、最高速度こそ違えど、β4と同じようにパワフルにキビキビ走ってとても楽しい。いやいや、これまで試乗した電動の原付一種/二種の中で、このAAカーゴが一番パワーがあって楽しいフィーリングかも! しかもこれだけパワフルであるにもかかわらず、最大航続距離の”80km”は実走行値に近いというから驚きだ。
このAAカーゴ、既存の業務用3輪スクーターとはリヤ周りの車体構造が大きく異なる。ダブルウィッシュボーンを発展させた左右独立懸架式のリヤサスペンションを採用し、旋回時には後輪もリーンする。そのため後輪にはフラットタイヤではなく、楕円形のタイヤを履き、コーナリングの感覚は2輪車に近い。すべてのタイヤに13インチの大口径ホイールを履き、歩道との段差や路面状況が悪い道でも走破性と乗り心地が良いというメリットを持っている。
環境負荷軽減を求められるデリバリー業界でもAAカーゴは注目度が高く、既に日本マクドナルドがデリバリー車両として本格導入を決めた。走行時にCO2を出さない、走行音が小さいだけでなく、オイル交換不要、エンジン車に比べて消耗パーツが少ない、ガソリンに比べて走行費用が安い(1km当たりの費用が約1/4)と、企業にとってはランニングコスト軽減になり、充電の設備さえ整えればわざわざ給油に行く必要もなくなるなど、多くのメリットがある。
試乗中に急な雨が降り、大型スクリーンと屋根の恩恵を体験した僕は、業務用バイクとしてだけでなく普段使いのバイクとしても大いに活用できると実感。現在、東京赤坂のショールームでは購入の他にもリースやレンタルも行っているので、興味のある方はまずはレンタルをしてみてはいかがだろうか。
両輪のリヤハブモーターとダブルウイッシュボーンサスサスペンション
左右の後輪それぞれにリヤハブモーターを搭載。黒いホイールキャップのような部分がモーターだ。リバース機能もあり、右親指でスイッチを押しながらスロットルを回すとモーターが逆回転して後進する。 [写真タップで拡大]
前後コンビブレーキを採用。ロックレバーで車体を固定
前後輪にディスクブレーキとコンビブレーキを採用し、制動性能を向上させている。車両にスタンドはなく、ハンドル中央部にパーキングレバーと、左右の傾きを垂直の状態に固定するロールロックレバーがある。 [写真タップで拡大]
フルカラー液晶メーター&デザイン性の高い灯火類
速度や走行可能距離、電池残量など多くの情報を表示する、明るくて見やすい大型のフルカラー液晶メーターを採用。灯火類はすべてLED化し、バッテリーの消費に大きく貢献している。輝度の高いLEDヘッドライトは、ハイ/ローの2眼式。 [写真タップで拡大]
使い勝手を考慮した積載性とユーティリティ
さまざまな種類の荷物の積載や大型ボックスの取り付けが可能な、大型でフラットな荷台(荷かけフック付き)。USBは5Vの1Aと、2.1Aの2ポートを搭載するので、スマホのナビ機能を使いながら充電が可能だ。 [写真タップで拡大]
4kWhの大容量バッテリーは固定式。充電方法は200Vのほか100Vにも対応
●文:近藤スパ太郎 ●写真:輪
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
関連する記事
折りたたみ式電動モペッドを展開するグラフィットから、立ち乗り電動スクーター「クロススクーター ロム(X-SCOOTER LOM)」が登場。見た目はキックボードなものの、原付一種区分の立派なバイクだ。し[…]
“バイク界のテスラ”との呼び声の高い電動バイクベンチャー・ ゼロモーターサイクルズ。そのバイクはスポーツ走行性や航続距離がズバ抜けて高い。ゼロSR、FXSに続いて3機種目となる[…]
ビジネス使用を目的に開発された電動バイク「ベンリィ イー/プロ」は、新開発のモーターを搭載し、原付1種と2種の全4機種がラインナップされている。’20年4月から法人向けに販売が開始されたホ[…]
GOCCIAは電動バイク先進国「中国」のバイクメーカーだが、今回紹介する「GEV600」の開発には、日本のバイクメーカー・プロトが深く関わっている。「PLOT e-vision」を掲げるプロト品質の電[…]
シリコンバレーにある電動バイクベンチャー・ ゼロモーターサイクルズが日本に上陸。そのラインナップの中でも、スポーツ走行性能や航続距離がズバ抜けて高く、 最大トルクがリッターマシン以上もあるネイキッド「[…]
最新の記事
- くまモンもいるヨ! ホンダが「スーパーカブ50」「クロスカブ50」シリーズの2022年モデルを発表!
- 400cc版Z-RSはまさかの4気筒で来る!?【’22秋、ZX-4Rと同時デビューに期待】
- ’22春夏最新ライディングウェアカタログ〈フラッグシップ〉スポーティな定番スタイル
- 「こんな現状、許せない!」 ファンサービスに話題作り…行動し続ける加賀山就臣の“想い”とは?
- 犬猿の仲!? ホンダ新型ダックスとモンキーを徹底比較!【ホンダNEWダックス125完全解説】
- 1
- 2