電動バイク最高峰マシンに乗った!

電動スポーツネイキッド「ゼロSR/F」試乗レポート【最高速200km/h!】

“バイク界のテスラ”との呼び声の高い電動バイクベンチャー・ ゼロモーターサイクルズ。そのバイクはスポーツ走行性や航続距離がズバ抜けて高い。ゼロSR、FXSに続いて3機種目となる最高峰クラスの電動スポーツバイク「ゼロSR/F」が日本に上陸した。電動バイク追っかけタレント・近藤スパ太郎が試乗し、その実力をレポートする。

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎SPANCHOOSTwitter

電動バイクの最高峰に納得。所有欲をそそられるマシンだ

最高速200km/h・最大航続距離259kmのスペックを持つ電動バイク「ゼロSR/F」。千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された関係者試乗会には、15を超えるメディアが集まり、注目度の高さが窺えた。

ゼロモーターサイクルズは’06年にシリコンバレーで創業した電動バイクメーカーで、電装系はもちろん、他のバイクメーカーで活躍していたスペシャリストたちが在籍し、スポーツ性能の高い電動バイクをラインナップする。最新のSR/Fには、自社製14.4kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。同じく自社製のモーターは、600ccスポーツと同等の82kW(110ps)の最高出力を持ち、最大トルクはリッターマシンを遥かに凌ぐ190Nmを発生させる(参考:ホンダCBR1000RR=114Nm)。エンジンとモーターでは特性が違うので、単純に比較できるものではないが、試乗するとすぐにSR/Fが持つ質の高さが実感できた。

【ZERO SR/F】●全長×全幅×全高(mm):2130×810×1100 ●車軸間距離:1450mm ●シート高:787mm ●車体重量:約220kg ●原動機:Z-Force® 75-10熱効率強化パッシブ空冷式永久磁石ACモーター ●最高出力:82kW/5,000rpm ●最大トルク:190Nm ●駆動用バッテリー:Z-Force® 14.4バッテリーパック(リチウムイオンセル) ●バッテリー容量/充電時間:14.4kWh/レベル2(208V~240V)で4.5時間、レベル1(110V~120V)で8.5時間 ●一充電走行距離:最大259km ※高速道路(89km/h)なら159km、街乗り+高速道路(89km/h)の場合は198km ●タイヤサイズ:フロント3.50×17、リヤ5.50×17 ●車体色:レッド グレー ●メーカー希望小売価格:330万円(消費税込)

車重は大型ネイキッドに近いが、スリムなシートでシート高も787mmと低く、股下73cmのボクでも足着きはベッタリ。ポジションは600ccのスポーツバイクと同じくらいの感覚。取り回しはとっても軽い。
[身長173cm、体重77kg]

まず特筆したいのは、スロットルに合わせてクイックに反応する強烈な加速力だ。変速操作がないので、開ければ開けるだけもの凄い勢いで飛んで行くかのように加速する。このジェット機のような加速力は、羽根を付けたらホントに飛ぶかもしれないと感じられたくらい。調子に乗ってホームストレートで飛ばしすぎてしまい、1コーナー手前で「ヤバい」と焦りながらフルブレーキすると、「あれっ?」とびっくりするくらい車体はスムーズにコーナーを気持ちよく駆け抜けていく。「なんだこの安定感? ぜんぜん怖くないぞ」とメチャ楽しいのだ。

フルブレーキでも車体が安定して気持ちよく走れるのは、ショーワ製フルアジャスタブルの43mmBPF倒立フォークの恩恵が大きい。ここ数年、ゼロはショーワとサスペンションの開発を行っている。「アメリカ製バイク=大ざっぱ」なイメージもあるが、ゼロが滑らかで繊細な走りを求めている証だ。

そしてボクが雑なブレーキングやスロットル操作をしても、タイヤが滑ったりホイールスピンしないのは、ボッシュの電子制御技術・スタビリティコントロールのおかげだ。車重バランス、車両剛性、タイヤとのマッチングなどが良いことは言うまでもないが、とにかく「オレは上手いんじゃないか?」と勘違いしてしまうほど気持ちのよい走りができてしまう。走行モードはパワフルな「スポーツ」、回生ブレーキが強い「エコ」、雨でも滑りにくい「レイン」、スマートフォンと繋ぐことで好みの設定にできる「カスタム」など、全部で5つの設定ができる。

最大航続距離の259kmは条件のいい走行値なので、実際の街なかでは150〜200kmくらいかなぁ…と思う。運転免許はAT大型二輪以上。価格は300万円と豪華だが、走行性能の良さ、デザインの良さ、希少さも相まって所有欲がそそられる。XEAM SHOPには試乗車があるので、先ずは電動バイクのスゴさを体験してみてはいかが?

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