オモチャじゃない、本物の原付だ!

立ち乗り電動スクーター「クロススクーター ロム」試乗レポート【チョイ乗りが楽しい原付】

折りたたみ式電動モペッドを展開するグラフィットから、立ち乗り電動スクーター「クロススクーター ロム(X-SCOOTER LOM)」が登場。見た目はキックボードなものの、原付一種区分の立派なバイクだ。しかもメイドインジャパン。電動バイク追っかけタレント・近藤スパ太郎が試乗し、その実力をレポートする。立って乗れるからめっちゃ楽しい!

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎SPANCHOOSTwitter

チョイ乗り移動が楽しくなるコンパクトな電動モビリティ!

「えぇー、1ヵ月ちょっとで応援購入金が1億円を突破した!?」

「X-SCOOTER LOM(クロススクーター ロム)」は、和歌山のベンチャー企業・グラフィットのセカンドプロダクト。同じくクラウドファンディングで1億2800万円の支援金を集めた折り畳み式電動モペッド「GFR-01」に続く車両だ。

ロムはデザインからフレーム設計まですべて自社で開発し、組み立ても和歌山で行う。”新しいスタイルの原付”がコンセプトで、ネイキッドバイク等にも使用されるダブルクレードルフレームが採用され、キックボードにモーターを付けた物とは構造からして異なる。車体のロック解除、電源のオン/オフは、車体とブルートゥースで繋いだスマートフォンアプリで行う。キーコードを家族や友人とシェアすれば車体を共有することも可能だ。

【glafit X-SCOOTER LOM】■全長×全幅×全高(mm):展開時1050×570×1150 折り畳み時1050×570×600 ■総重量:16.5kg ■最大積載重量:100kg ■原動機:リヤハブモーター ■最大出力:700W ■最大トルク:25Nm ■最高速度:25km/h ■駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー ■バッテリー電圧/容量/充電時間/単体重量:48V/460Wh/約3.5時間/2.5kg ■一充電走行距離:約40km(※大容量バッテリー使用時は約60km) ■タイヤサイズ:フロント12インチ リヤ10インチ ■車体色:ホワイト(今回試乗) ブラック モカベージュ スカイブルー ■メーカー希望小売価格:14万9600円(税込) ※写真は初期プロトタイプ。最終仕様は変更される予定。

キックボードと同じスタイルだが、ステップがフレームの外側に付いているため、横乗りではなく、両足を車両の左右に乗せて正面を向いて乗れる。バイクのポジションと比べると、カラダとハンドルの距離が近い。[身長173cm/体重77kg]

世界的に人気がある電動キックボードだが、車体にバッテリーが内蔵されているタイプが多く、バッテリー寿命とともに車両の廃棄されることが問題視されている。その点、ロムは脱着式なのでバッテリーを交換すればいい。バッテリーにはAI機能を持つBMSを搭載し、ユーザーごとに学習を重ね、走行に合わせた航続距離や電池残量をアプリに表示する。

さて、いよいよ試乗するのだが、スタートだけは地面を蹴り、キックボードの様に助走を付けてからステップに足を乗せる。その後はスロットル操作でOK。乗った感覚は、バイク…というよりも、やはりキックボードだけど、とても楽しく感じる! カメラマンがGFR-01に乗り一緒に走ったのだが、モーター出力が大きいロムの方が出足も加速も良く、すぐに引き離してしまう。平坦路での最高速は筆者の体重で28km/hくらい。そしてこのスピード域からも前後ディスクブレーキがしっかりと制動してくれ、フロント12インチの太いタイヤが道の段差をスムーズに乗り越えてくれる点なども、キックボードとは大きく異なる。総じてロムはオモチャではなく、確かに”新しい感覚の原付モビリティ”である。そう、原付である以上、歩道の走行や一方通行の逆走は違反行為なのでご注意を!

スロットルは親指で下に押し下げるタイプだが、強いて言うと、繊細なスピードコントロールがしにくい…と感じるところも。でも今回試乗したのは開発中のプロトタイプ。販売車両には改良に改良が加えられるので、どう進化するのかも楽しみだ。また軽微なアフターメンテは、全国に270店以上あるディーラーでも対応する予定。

【登坂斜度12%もOK】モーターの最大出力が700W、最大トルクも25Nmあるので、坂道でもけっこう登る。

【商店街でも違和感ナシ】最高速約10km/hのECOモードで静かに移動可能。

総重量約16.5kgなので、持ち運びも楽チンだ。

【ハンドルとステムを畳んで持ち運べる】折り畳む作業はハンドルとステムのロックを解除して倒すだけ…と、とっても簡単。慣れちゃえば10秒で完了。

キャリーハンドルを付ければ、転がし移動がもっと楽に。

【リヤハブモーターを採用し、3つの走行モードを選べる】最大出力700wのリヤハブモーター。走行モードはECO(約10km/h)、MID(約25km/h)、HIGH(25km/h以上)の3種類で、メーターのMボタンで切り替えが可能。筆者の体重で最高速度は28km/h(平地)

丸印がスロットルレバーで、親指で下に押してコントロールする。

【実用的な設計の足まわりで段差や石畳にも対応!】フロント12インチ、リヤ10インチの太めの電動バイク専用を採用することで、走行安定性と操作性、小回り性能の向上と、さらに段差やデコボコ道でもスムーズに走行できる耐衝撃性能も確保している。

前後にディスクブレーキを採用して制動性を向上。

【両足を揃えて立てるステップボードを採用】ステップを車両の左右に配置して真正面を向くライディングポジションは、キックボードとは大きく違う構造のひとつ。自然体で乗れるので操作がしやすく、バランスも取りやすい。滑りにくく丈夫なスケートボードの板を採用している。

華奢なモノではなく、車重をシッカリ支えられるサイドスタンドで停めやすい。

【灯火類にはLEDを採用し軽量化と被視認性を向上】電動キックボードは道路交通法上「原付」なので、平行輸入品は保安部品の後付けが多いが、LOMは灯火類も含めてデザインされているので、後付けしたような違和感がない。電動モビリティではLEDを採用することが、航続距離に大きく貢献する。

専用設計された視認性が高くシンプルなウインカー。ライダー自身も点灯が見やすい。

プラグイン充電とバッテリーを外しての充電、どちらも可能で便利!

バッテリーを車体にセットしたまま、充電ケーブルをバッテリーに直接差し込んでのプラグイン充電が可能だ。

もちろんバッテリーを外しての充電も可能。標準バッテリーは約2.5kgと軽く、持ち運びも容易だ。

インジケーターにバッテリー残量や充電状態を表示。セルはLG製。オプションで航続距離が約60kmの大容量バッテリー(充電時間約6時間)もある。

脱着が可能なので、バッテリーの寿命で車両を廃棄することが多いキックボードとは異なり長く所有できる。


●まとめ:近藤スパ太郎 ●写真/デザイン:輪 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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