シリコンバレーにある電動バイクベンチャー・ ゼロモーターサイクルズが日本に上陸。そのラインナップの中でも、スポーツ走行性能や航続距離がズバ抜けて高く、 最大トルクがリッターマシン以上もあるネイキッド「ZERO SR」に電動バイク追っかけタレント・近藤スパ太郎が試乗。その実力をレポートする。
●まとめ:近藤スパ太郎 ●写真/デザイン:輪 ●車両協力:株式会社MIRAI(愛知県一宮市)
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![近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎|SPANCHOOS|Twitter
異次元を感じるパワー性能。電動バイクの魅力満載マシン
またがった感じは、400ccクラスのネイキッド。ところがフルスロットルで加速すると驚愕する。ミッションがなく、最高速度までパワーが落ちることなく一気に加速していくパワー特性なのだ。「スゴイ! これが電動バイクなのか!」 初めてゼロSRに乗った人は誰もがそう感じるだろう。「エンジンとはまったく異次元の乗り物」と実感するはずだ。電動バイクはパワー特性も自由にマッピングでき、SRの最高速度は163km/hに設定。最高速に達した後のパワー特性はフラットになる(※理論上)。

【ZERO MOTORCYCLES ZERO SR】■全長×全幅×全高(mm):1,950×750×1,100 ■車軸間距離:1,410mm ■シート高:807mm ■車体重量:188kg ■原動機:Z-Force®75-7R空冷高効率永久磁石式ブラシレスモーター ■定格出力:22.1kW※1 ■最大出力:70.9PS ■最大トルク:157Nm ■最高速度:163km/h ■バッテリー/容量/充電時間:Z-Force®Li-Ion/最大14.4kWh、公称12.6kWh/100%まで9.8時間(110V充電時) ■バッテリー電圧:50.4V ■一充電走行距離:145(113km/h時)~288km※2(SAEJ2982 シティテスト) ■タイヤサイズ:F=3.00×17 R=3.50×17 ●車体色:ブラック(2020年カラー) ●参考価格:約250万円〜※3
※1 定格出力が20kWを越えるため、道路交通法上は大型自動二輪車 ※2 SAEJ2982「シティテスト」に基づく ※3 為替相場により変動 [写真タップで拡大]

シート高が807mmと若干高めだが、股下73cmの筆者でも足着きはベッタリ。重量物であるバッテリーがシート下まで搭載されているため重心が少し高いが、またがった感じは400ccのネイキッドバイクという印象だ。[身長173cm/体重77kg] [写真タップで拡大]
ゼロモーターサイクルズは、2006年にシリコンバレーで創業した電動バイクメーカーで、マシン性能は現行の電動バイクの中では抜きん出ている。車体設計はもちろん、モーターやバッテリーもゼロの自社開発だ。SRはビューエルで活躍していた開発者が車体設計をしているそうだ。他にもスポーツ、オフロード、モタード、アドベンチャー風のラインナップもある。ゼロを輸入販売しているMIRAIは、電動レーサーマシンを自社で制作しているが、2015年のパイクス(PPIHC:コロラド州で開催されているヒルクライムレース)に参戦した「韋駄天ZERO」には、ゼロSRのモーターをベースにレース用チューンナップを施して搭載。見事、電動バイククラスで優勝を果たしている。
エンジンと特性が違うので単純に比較できるものではないが、ゼロSRの最高出力は70.9PSで600ccクラスのスポーツマシンと同等の数値。最大トルクに至っては157Nmもあり、リッターマシンを遥かに凌ぐ(参考:ホンダCBR1000RR=114Nm)。車体がコンパクトな上に、車重も188kgと軽い。試乗したSRには200V充電が可能なチャージタンクがオプションで搭載されており、自動車用の充電器が使用できるので外出先でも安心感があった。
ゼロSRには電動バイクの魅力や楽しさが詰まっている。これぞ電動バイクを代表する1台と言っていいだろう。購入を検討している方は試乗ができるそうなので、ぜひSRの走りを体験してみてほしい。

【ZEROオリジナルのモーターにベルトドライブを採用】(左)ZEROが誇るオリジナルの空冷モーターは放熱のための沢山の空冷フィンがついており、存在感を演出。個性的なアルミスイングアームの穴の部分には100V用の充電ケーブルが収納できる。リアサスペンションはショーワ製だ。(右)静音性とモーターが放つ強烈なパワーをロスなく後輪に伝えるため、ベルトドライブを採用。 [写真タップで拡大]

【露出したバッテリーBOX、専用設計のショーワ製サスペンション搭載】(左)電動バイクの証、大容量バッテリーを敢えて見せる斬新なデザイン。ガソリンタンクに相当する部分はベース車両にはファスナーで開閉する収納があるのだが、オプションでSAEJ1772ソケットを搭載できる。(右)フロントサスペンションも専用設計のショーワ製。ABSはボッシュのジェネレーション9を採用。 [写真タップで拡大]

【走行モードは3タイプ、DCソケットも装備可能】(左)デジタルメーターには、バッテリー残量が%で表示され、回生ブレーキ度、消費電力、モーター回転数、モーター温度が表示される。メーターパネルの右側にはオプションでDCソケットの装着が可能だ。(右)走行中でも手元のボタンでエコ/スポーツ/カスタムに走行モードの切り替えが可能。 [写真タップで拡大]

【ブルートゥースで、スマートフォンに詳細な車両情報を表示できる】(上)ブルートゥースでスマートフォンと繋げるコトで、走行モードのユーザー設定「カスタム」をセッティングできる。また走行中の車両情報がスマホにも表示され、スマホがサブのメーターにもなるのだ。(下左/下右)メーターパネルに表示されない詳細な車両情報はスマートフォンに表示される。 [写真タップで拡大]

【標準装備の100V充電の他、200VのSAEJ1772も搭載できる】(左)200V普通充電ができるので、充電時間が100Vの半分で済むのはメリット。休憩中にパワーチャージだ。(右)電気自動車と同じ規格の200V交流充電のSAEJ1772ソケットは、オプションで搭載が可能だ。 [写真タップで拡大]

(左)家のコンセントで充電可能な100Vのケーブルは標準装備されている。空状態からフル充電までは約9.8時間。(右)なんと、車体への充電ケーブルはフレームに差す。ゴムパッキンでカバーされているが、この構造には驚いた。 [写真タップで拡大]
【モトサービス エッジ】エンジンのバイクはもちろん、株式会社MIRAIが輸入するゼロモーターサイクルズの車両も販売する。二輪認証工場を持ち、整備、車検、各種カスタムにも強いショップだ。 ●住所:静岡県浜松市南区卸本町82
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