スクーターやレーサーレプリカモデルが増えた1980年代以降、バイクの外装パーツ組み付け方は複雑化かつ込み入っており、小さな工具でなければ回せないネジも増えている。そんな場面で本領を発揮するのが6.3sq.のソケットレンチだ。
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USB電源や、ドライブレコーダーを設置する際にも便利
昔のバイクは、ガソリンタンクとサイドカバーを固定しているビスやボルトを抜くだけで外装パーツが簡単に取り外せた。しかし現行モデルでそんな原始的でシンプルなバイクは圧倒的に少数派だ。
絶版車はさておき、インジェクションモデルの現行車で外装パーツを外す機会は少ないのでは? と思うかもしれない。だが今や12Vバイクの必需品的であるUSB電源やドライブレコーダーを設置する際にセンス良く配線をまとめるには、外装パーツの着脱が欠かせない。
接着や溶接で固定されていないかぎり、ボルトナットやツメを外せばパーツは取り外せるが、分解しやすさを重視しているわけではないことは、最近のモデルに触れてみれば理解できる。表面に露出するボルトはなるべく少なく、見える場合も格好良くデザインされたものを使う。
その結果、狭い隙間に追いやられたネジを回す工具もコンパクト化が求められるようになる。バイクやクルマで差込角6.3sq.のソケットレンチに対するニーズが高まっているのは、そこに需要があるからだ。
たとえばネプロスのスタッビヘキサゴンビット(4mm)の六角部は、わずか4mmしかない。軸がねじれにくくトルクが伝わりやすい利点もあるが、通常のビットではつかえて入らない狭い場所でも、六角棒レンチのように工具を差し替える必要なく連続的に回せるため、作業上のストレスが大幅に軽減される。
どんな工具でも作業内容に応じたバリエーションが必要だ。狭い隙間で効率良く作業を進めるなら、6.3sq.ソケットの活用が近道になるのは間違いない。
作業に適した駆動工具がスムーズなメンテを実現する
幅22mm、厚さ11mm の小判形ヘッドに世界最高クラスの90枚ギアを組み込んだラチェットハンドル・NBR290を中心に、スリムなT形ハンドルや全長わずか49mmのスタッビラチェットハンドルなど、作業内容に応じた駆動工具が選択できるのがネプロスの特長だ。
差込角6.3sq.ソケットは14mm、ヘキサゴンビットは6mm が上限で、仮にボルト径がM6なら一般締付トルクは15Nmにすぎない。つまりボルト径が細ければ、メガネレンチやラチェットではなくドライバ型ハンドルによる早回しも有効となる。
スリムでコンパクトなシブイチだから個性的なスタッビビットに価値がある
バイクメンテにおいてはNo.3のドライバーで回すビスも多い。しかしNo.3に必要なトルクに負けないためには、駆動工具にも強度が必要だ。そのためネプロス6.3sq.シリーズのクロスビットはNo.1とNo.2の2サイズとなる。スタッビはねじれにくいのが特長。
二面幅4mmのスタンダードの六角部軸長は19mm、スタッビが4mm、ロングが60mm。ねじれにくさではスタッビが有利だが、細い穴の奥のキャップボルトには軸部が長いロングが重宝する。得意分野が異なるため存在意義がある。
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