ディスクブレーキモデルは、パッド残量のチェック&キャリパーピストンの揉み出しと並行して、定期的なブレーキフルード交換も必要。取り扱い注意のブレーキフルードも、専用工具を活用すれば簡単交換が可能だ。
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2年に一度の定期交換が重要
200℃を超える高温でも沸騰せず、レバーやペダルの動作を正確にパッドに伝えるブレーキフルード。サンメカならご存じの通り、ブレーキの摩擦熱や水分の影響で劣化するこの液体は定期交換が必要。
だが、エンジンオイルと違ってブレーキフルードは塗装にダメージを与える特性があり、雑な作業でフェンダーやホイール、ガソリンタンクに付着させると厄介なことになる。
加えてフルード交換時につきもののエア抜き作業の手間もある。キャリパーの種類や機種、また近頃はABS装着によってエアがなかなか抜けずイライラすることもある。
「エアが噛んでも地道にレバーを握るから大丈夫」「エア抜きはレバーに合わせてブリードプラグを開閉するから大丈夫」というサンメカも少なくないが、無駄は減らしたい。そこで注目したいのがブレーキツール。
極端に言えば、フルードを排出するチューブの途中にワンウェイバルブを1個追加するだけで、フルード交換は劇的に楽になる。最低限のコストで済ませるなら、バルブを単品で購入すれば良い。
ただ、専用工具であればフルードの漏出防止と作業時間短縮が両立でき、費用に見合った仕事をしてくれるのも事実。バイクの台数が多く、クルマのフルード交換も行うなら、使い勝手の良い工具でスマートな作業を実践したい。
ブレーキブリーダーボトル[ストレート]ブリードプラグの開け閉め不要で連続排出可能
ニップルアダプターを差し込んでキャリパーのブリードプラグをわずかに緩めておけば、レバーを繰り返し握るだけでフルードが連続的に排出される。マスターシリンダータンクが空にならないようフルードを足すだけで入れ替えできる。一人ではプラグ開閉ができないクルマには必需品だ。

【ストレート ブレーキブリーダーボトル 19-589】回収タンクは肉厚が厚く重量があるので、ペットボトル流用タイプに比べて転倒しにくく、万が一転倒しても蓋が密閉式なので外部にこぼれない。●ストレート会員価格1980円(税込、以下同)
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バキュームテスター&ブレークブリーディングキット[ストレート]負圧を利用して強制排出
負圧を発生するハンドポンプにより、ブレーキレバーやペダル操作をしなくてもフルードを強制的に抜ける。手元に集中しすぎてマスタータンク側が空になるとエア噛みを起こすが、新品フルードを注入してポンプを操作すればエアは容易に抜ける。
ラインストッパーセット[ストレート]ブレーキホースを外してもエア噛みを最小限に抑える
フルード交換と同時にキャリパーピストンの洗浄と研磨を行うと、ブレーキタッチが改善される。キャリパーのバンジョーボルトを外すとフルードが流れ出るが、弾力性のあるゴム付きのクランプでバンジョーを挟めば、フルードの漏出を最小限に止められる。

ブレーキフルードだけでなく、セットにはガソリンやオイルやエア漏れを防ぐためのクランプやホースプラグが含まれる。バンジョー用クランプだけで購入できれば、ダブルディスク車でも重宝するはずだ。 [写真タップで拡大]
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