FCR燃調キットに付属するパーツ
【このガスケットがオーバーホールのキモ】FCRのボディとジェットブロックの間には、写真のように複雑な形状のガスケットがセットされている。非分解設定なのでケーヒン製の部品は存在しないが、このガスケットが劣化すると、本来分かれているはずのガソリンとエアの通路がつながってしまい、セッティングが困難になる。それだけに、フッ素ゴムを金型で成型したキースターオリジナルのガスケットはFCRの救世主となる。
フロートチャンバーガスケットが硬化して、合わせ面から滲んだガソリンで変色しているFCRは、燃調キットで即交換。トップカバーガスケットもドンピシャ。
フロートバルブの摩耗はオーバーフローの原因のひとつだが、バルブシートのOリングの痩せも要注意ポイント。バルブシート径は#3.2がセットされている。
ガソリンの浸漬で加速ポンプのダイヤフラムが劣化すると、吐出不足で息ツキ症状を起こすこともある。フロートチャンバーからポンプカバーを外して確認しよう。
ガソリン用とエアベント用のT型ジョイントにセットするOリングとUリングも漏れなく付属。ガソリン用のジョイントは細いリングが2個並んで入るのが特徴。
フラットバルブの中子=ジェットブロックを、キースターではインターミディエイトボディと呼ぶ。固定用のボルトは細く破損しやすいため、セットに含んでいる。
ボディとジェットブロックの間は液体ガスケットを塗布して結合する。ガソリンが浸るためシリコン系ではなく溶剤系ガスケットが付属する。
●取材協力:キースター(岸田精密工業) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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