純正部品が入手しにくい絶版車や旧車ユーザーに好評のキャブレーターセッティングパーツ、キースターの「燃調キット」。現在、同社が開発に力を注いでいるのが、ケーヒン製FCRキャブ用の燃調キットである。このキットの最大の特長は、非分解指定のジェットブロック用ガスケットが同梱されていることだ。
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非分解指定ポイントの下に潜むガスケット。高性能化ではなく”オーバーフロー対策”に使える燃調キット
純正キャブレーターの場合、機種によってジェットやニードルのスタンダードがだいたい決まっている。だが、ケーヒン製キャブ・FCRの場合、レーシングキャブという性格上、エンジンやマフラーの仕様によってセッティングが異なり基準を決めにくい。
キースターではユーザーが装着しているFCRを基準として、機種別の燃調キットを製作している。だがキット製作に使ったZZR1100用ダウンドラフトφ41のセッティングが、別のZZR用FCRと一致するとは限らない。さらに言えば、ジェットやニードルなどのパーツ自体はケーヒン純正品が存在していたりもする。
だがそれでもなお、この燃調キットには大きなメリットがある。ボディ内部の「ジェットブロック」と呼ばれる部品は非分解指定で、このガスケットについてはケーヒンにも設定がない。非分解なら分解する必要はないと思うかもしれないが、経年劣化やキャブクリーナーでガスケットが膨潤するとセッティングが困難になるのがFCRユーザーの悩みだった。これに対してキースターは、金型で成型した複雑な形状のガスケットを燃調キットに加えているのだ。これによって救われるFCRはきっと多いはず。燃調キットのラインナップ充実も関心事だが、メンテナンス派にとってはFCR用オーバーホールキットの登場にも期待したいところだ。
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