クルーザーセグメントで大暴れの予感

史上最大1.8L新フラットツインエンジンを積んだクルーザーBMW「R18」日本上陸

ビッグボクサーエンジンを積んだクルーザーとして話題のBMW R18がついに日本上陸を果たした。リジッドフレーム風のクラシックスタイルの車体に伝統のボクサーツインの組み合わせは、クルーザーファン垂涎。このセグメントに新しい風をもたらすことは間違いないだろう。


●文:青木タカオ ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

今般の新型コロナウイルスの影響により中止となったが、BMWは米国テキサス州オースティンのハンドビルトショーで「R18」を初公開する予定だった。クルーザーの本場でいち早く披露し、その市場に殴り込みをかけようという意図がわかる。カスタムパーツも早々に用意し、バンス&ハインズやローランドサンズデザインなど、いずれもアメリカブランド。新境地にかけるBMWの意気込みはかなりのものだ。

【BMW R18 FIRST EDITION】■全長2440 軸距1731 シート高690(各mm) ■345kg(装備) ■空油冷4スト水平対向2気筒OHV4バルブ 1802cc 91ps/4750rpm 16.1kgm/3000rpm 燃料タンク容量16L ■タイヤF=120/70R19 R=180/65B16 ●予想価格:250万円前後 ●予想発売時期:’20年10~12月頃

正立式フォークはインナーチューブ径49mmで、サスストロークはフロントが120mm、リヤ90mm。タイヤはブリヂストンH50を履き、後輪幅は180mm。

そもそも姿を現したときから既存路線とはまったく異なり、カスタムファンの琴線に触れてきた。ミラノショーやインターモトではなく、イタリア北部コモ湖のカスタムショー”ヴィラデステ”で2016年4月に「R5オマージュ」を見せ、’18年のヨコハマ・ホットロッドカスタムショーでエンジンだけがカスタムバイクに積まれた。’19年のヴィラデステで「コンセプトR18」を発表すると、ミラノショーではビキニカウル付きの「R18/2」も披露。メーカーが新型車を発表するお行儀のいい見本市ではなく、カスタムシーンの中心で発信を続ける、まさに掟破りの登場である。

【モチーフは84年前に登場したR5】リヤサスを持たないリジッドフレーム風の美しいシャシーは、1936年式R5(写真右)を再現したもの。’16年のカスタムショーで「R5オマージュ」を発表したことが、R18(写真左)デビューの序章だった。

(左)R18[2020] (右)R5[1936]

実車を見て、まず感じるのが低重心であること。コンセプトモデルでは大径ホイールが用いられていたが、フロント19/リア16でベッタリと路面に吸い付くような走りが想像できる。実際に跨って、車体を引き起こしてみたが、345kgの車重を感じないのも重心が低いから。

そして細部に至るまで質感が高い。サウンドも重厚感があり迫力満点だ!!

【ゆとりの姿勢で両足ベタつき】リラックスしつつアグレシッブな走りも可能とするミッドマウント・フットペグを採用。アップライトなハンドルはグリップがライダー側に引き寄せられ、ライディングポジションはゆったりしつつもコンパクトで、乗り手の体格を選ばない。シート高は690mmと低く、身長175cmのテスターだと両足カカトまでベタ付き。低重心がゆえに車体の引き起こしも軽く感じる。

新開発の空油冷OHV4バルブエンジンはボア107.1×ストローク100mmで排気量1802ccを確保。シリンダーヘッドやプッシュロッド、スロットルバルブ径48mmのインテークカバーにアルミ製クロームカバーがあしらわれ、存在感が際立つ。

(左)300mmディスクをデュアル装備し、操作性に優れる4ポット固定キャリパーを採用。(右上)剥き出しに露出されたドライブシャフトはギヤボックス側にトリポイドジョイントを持つ。(右下) オプションで取り回しに便利なリバースアシストも設定。レバーを左に回すと起動する。

R5に代表されるペアドロップ(洋梨)型の燃料タンクは容量16Lを確保。人間工学に基づき開発されたシートのクッションは硬め。ブレーキはリヤのみ独立で、レバーを握ると前後連動する。

(左)テールライトを一体型としたウインカーを採用し、リヤエンドもスッキリとした。(右上)灯火器類はLED式。アダプティブ・ターニングライトもオプション設定された。(右下)メーターの液晶パネルで、ライダーモードRock/Roll/Rainを表示する。

【仕様違いも】シングルシート仕様でリヤセクションを大胆にスッキリさせたスタイルも。こちらの方がよりクラシカルなイメージが強く、R5のスタイルを忠実に再現しているといえる。

【カスタムも】カスタムパーツもオプション設計されるが、欧州ブランドではなくバンス&ハインズやローランドサンズデザイン、マスタングシートといった米国製をラインナップ。

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