ビッグクルーザー路線を再開拓か!?

Early ’20 BMW新型モデルラインナップ【1.8L新ボクサー・R18が完成間近】

BMW R18

BMWのEarly ’20 ニューモデルラインナップの中で最も注目されるのが、現段階ではコンセプトモデルながらも、R1200Cの廃盤以来久々の復活が期待されるBMWクルーザー「R18」だ。なんとボクサーツイン歴代最大の1.8Lエンジンを積む! また従来のF800シリーズは800ccから900ccにて展開され、新たにF900シリーズを名乗ることになった。

R18:’20市販化を目指していよいよ最終段階か

BMWが市販向けに開発を続けている1800ccボクサーツインを搭載する「R18」が、いよいよ完成間近。’19年5月に発表したコンセプトモデルがEICMA2019であらためて展示された。

BMW R18

【BMW R18 [Concept]】車体は、カンチレバー式リヤサスでリジッドのループフレーム風に見せる構成。過去はショックのある部分にサドルシート用のスプリングが付いていた。

R18は、ループフレームを持った’40〜’50年代車を彷彿とさせるデザインでまとめられているが、歴代最大排気量となるボクサーツインの左右に飛び出る巨大なシリンダーがなんとも印象的。その上面にはOHVのプッシュロッドが見て取れる。ロー&ロングの車体はフロント21インチ、リヤ19インチの大径ホイールを履き、むき出しのシャフトドライブなど懐かしさと力強さが同居する。

BMW R18

左右に大きく張り出したシリンダーが、これでもかと言わんばかりに「ボクサーツイン」であることを強調。それに対してスリムなボディと超細身のフィッシュテールマフラーが際立たせている。

BMW R18

’50年代ボッシュ風のLEDヘッドライトや、フロントフォークカバー、吸気系にツインソレックスキャブが使用されるなど、細部もレトロかつ上質な仕上がりだ。

R18/2モダン改の“スラッシュ2”も登場

さらに今回は新たにモダンなドラッガースタイルのR18/2も発表され、また違った姿も披露。この新エンジンで、BMWは久々となるクルーザー路線を目指しており、海外では市販車のスパイショットも報告され始めている。

BMW R18/2
BMW R18/2 [Concept]

今回のEICMAで初公開となったR18/2は、ビキニカウルやメガホンマフラー、ドラッガーシートにキャストホイールを持ったスポーティなバージョン。リジッド風のフレーム構造はR18と同じながら、こちらはグッと年代が新しくなったモダンなスタイルを見せている。こちらのシリンダーは黒塗りでドレスアップ。

BMW R18/2
BMW R18/2 [Concept]
BMW R18/2
BMW R18/2 [Concept]

Fシリーズは900㏄で新展開

F900R:排気量+42ccの895cc。FシリーズのSTDスポーツネイキッド

ミドルクラス並列2気筒のF800シリーズが、排気量を895㏄にアップしてF900シリーズへとフルモデルチェンジ。共通のエンジンとメインフレームを持つスタンダードなネイキッドモデルのF900Rと、アドベンチャースポーツのF900XRが発表された。トラコンやエンジンブレーキ、コーナリングライト、果てはリヤの電制サスほか、このクラスでは異例の数の電脳装備を工場オプションで装着できるのも特徴となっている。

BMW F900R

【’20 BMW F900R】■水冷並列2気筒DOHC4バルブ 895cc 105ps/8500rpm 11.6kg-m/6500rpm ■重量211㎏(装備) 6速 ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17

BMW F900R

F900Rはオプションのハイシート(シート高835㎜)車。踵は完全に浮くが、同じくオプションのローシート(790㎜)ならベタ着き(身長170cm、体重70kg)

BMW F900R

ヘッドライトはLED。工場オプションにより、コーナリング時に進行方向の奥を照らすアダプティブヘッドライトも追加できるようになっている。

F900XR:アドベンチャースポーツタイプ

ネイキッドモデルのF900Rと共通プラットフォームを持つアドベンチャースポーツがF900XR。エンジンスペックも共通だ。

BMW F900XR
’20 BMW F900XR
BMW F900XR
’20 BMW F900XR
BMW F900XR

XRはSTD。Rより上半身が起きた気楽なライポジで、踵がわずかに浮く程度と足着き性も良好だ(身長170cm、体重70kg)

BMW F900XR

ヘッドライトはRと同じくLED。こちらも工場オプションによりアダプティブヘッドライト追加可能。

S1000XR:新型RRベースで刷新

並列4気筒のS1000XRも新型S1000RRベースでモデルチェンジとなった。そのエンジンはRRから-5kgの軽量化を果たし、車重全体では先代モデルより-10kgを実現。電脳装備はさらに充実し、突然のスロットルまたはシフトダウンで後輪がスリップするのを防ぐMSR(エンジンドラッグトルクコントロール)も初採用される。

BMW S1000XR

【’20 BMW S1000XR】 ■水冷並列4気筒DOHC4バルブ 999㏄ 165ps/11000rpm 11.6kg-m/9250rpm ■重量226kg(装備) 6速 ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17

BMW S1000XR
’20 BMW S1000XR 

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