●文:沼尾宏明、中村友彦 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
’85 TZR250:レプリカブームの火付け役となった革命機
スズキΓ、ホンダNSの高性能2ストレプリカに対抗すべく、’85年11月、ヤマハがTZR250を世に放った。鉄フレームだった前作のRZ系から全てを一新し、市販レーサーTZと基本設計を共有するパラツインとアルミデルタボックスフレームを投入。レーサーと瓜二つの外観も特徴だ。走りは画期的で、軽量コンパクトな車体に加え、2ストながら扱いやすい出力特性とハンドリングが新時代の到来を告げていた。SPレースで実力を発揮し、ほぼワンメイク状態になるほどの人気を獲得。TZRのヒットが他メーカーの闘志に火を付け、NSRやVガンマの開発を促したのである。
’89 TZR250:TZと同じ後方排気に大胆チェンジ
TZRは初代を経て’88でマイナーチェンジ。そして’89年2月に第2世代の3MA(通称サンマ)に全面刷新された。本作では、キャブレターを車体前方、チャンバーを後方に配置するという一般的なバイクと逆のレイアウトを採用。レーサーTZ250が’88年型から導入した革新的な技術ながら、従順な初代から2ストらしいピーキーな特性に変化した。また、セッティングが出しにくいなど賛否両論が吹き荒れたが、チャンバーの独特な共鳴音とスタイルに痺れる者も多かった。
’91 TZR250R:待望のV型にスイッチし圧巻の完成度へ
’59年にYDS1を発売して以来、長きに渡って2スト250ccパラツインを熟成してきたヤマハだが、ライバル勢に奪われたシェアを奪還するべく、3代目TZRはNSRやRGV-Γと同様の1軸クランク式90度Vツインを搭載。当時の2スト250ccでは珍しいバランサーは、ワークスYZR250から転用した技術だった。点火/吸排気系は電子制御式。
関連するアーカイブ
あなたにおすすめの関連記事
'85年11月にヤマハが投入した出色の2ストローク・TZR250によりレプリカブームが到来。これに応え、'86年12月、4ストロークでも他社に先駆けてレーシーなフルカウルを与えたFZR250をリリース[…]
直列4気筒ニーゴーの名機が続々と生み出された'80〜'90年代をプレイバック。「レッドゾーンは何回転だったのか」がわかる機種紹介をカテゴリー別に特集していこう。第2回は、4気筒が一般化していく中で万能[…]
1993年、デビューイヤーにいきなり世界GP250チャンピオンを獲得した原田哲也さん。虎視眈々とチャンスを狙い、ここぞという時に勝負を仕掛ける鋭い走りから「クールデビル」と呼ばれ、たびたび上位争いを繰[…]
1993年、デビューイヤーにいきなり世界GP250チャンピオンを獲得した原田哲也さん。虎視眈々とチャンスを狙い、ここぞという時に勝負を仕掛ける鋭い走りから「クールデビル」と呼ばれ、たびたび上位争いを繰[…]
最新の記事
- 【2024年12月版】600cc~1000ccバイク 国産ネオクラシックおすすめ8選! 大型ネオスポーツカフェから空冷レトロまで
- 「ゲスト豪華…」長瀬智也にレジェンドライダーも参加! ヨシムラが創業70周年&2024世界耐久シリーズチャンピオン獲得の祝勝会を開催
- 「マジ!?」EICMAで話題のホンダV型3気筒エンジンは2000年代にもウワサがあった「2スト×4ストのハイブリッド!?」
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 1
- 2