ショップにお願いすれば済む作業でも、自分でやりたいのがサンメカ。だが準備がなく安易に手を出せば、かえってトラブルの原因にもなる。ここでは江沼チヱンの専用工具を使った、チェーン交換手順を紹介しよう。
●文/写真:栗田 晃 ●取材協力:江沼チヱン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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DIY交換で愛着度アップ!
カシメタイプのチェーン交換では、継手プレートの圧入とピンのカシメが重要ポイントとなる。プレートを押し込みすぎるとフリクションロスが増加し、ピンのカシメの過不足は重大なトラブルに直結する。
ThreeD(スリード)チェーンを開発した江沼チヱンは、世界で最初にシールチェーンを実用化したメーカー。軽量化と造形美を両立したスリードは、カワサキH2やZX-10R、Z900RSに純正採用されるなど、性能と品質は折り紙付きだ。
また江沼チヱンでは、安全確実なチェーン交換を行うための専用工具も販売している。「CRT50A改」は415、420、428、520、525、530、532サイズのカットとプレート圧入、ピンカシメ作業が可能で、別売りパーツを購入すれば630にも対応する。
チェーンメーカーが開発しただけあって、安全性と作業性には格段の配慮があり、工程ごとにパーツを組み替える必要はあるものの、本体の剛性感や作業の明快さは抜群。なかでもデリケートなプレート圧入とピンのカシメは、ガイドにより自動的に適正量に落ち着くのが素晴らしい。
ハンドツールと同様に、専用工具も高品質であるほど安全な作業ができる。DIYでチェーン交換を行うなら、作業者をサポートしてくれる高性能工具を活用したいものだ。
軽量化と強度アップを両立したハイパフォーマンスモデル。EK ThreeD(スリード)525Z 120L ●販売小売価格3万6895円(税込)
インパクトレンチも使える強度と精度が好評な、EKチェーンツール CRT50A改 ●販売小売価格3万9600円(税込)
今回はBMW S1000RRのチェーンを交換した
作業1:チェーンカット●プッシャーボルトにグリスを塗布
使用部品:カット&リベットピン、ガイドプレート(B)
チェーンツールは製品名に「改」が付き、カット時にインパクトレンチが使えるようになった。とはいえ使用前にはボルトにグリスを塗布する。
カットする目的のピンにガイドプレートホルダーの中心を合わせることで、カットピンの照準が定まる仕組み。
プッシャーボルトを締め込むと、カットピンはガイドプレートホルダーの中を進むため傾きにくく、ピンの損傷トラブルを防いでくれる。
スプロケットを流用する場合、古いチェーンを切断した後にThreeDをタイラップで繋げば、一周引っ張るだけで簡単に張れる。
BMW S1000RRのリンク数は120なので、120リンクのThreeDはコマ調整不要。リンクに付属のグリスを塗布してOリングをセット。
作業2:継手プレート圧入●溝付きプレートで圧入量を適正化
使用部品:カット&リベットピン、ガイドプレート、プレートホルダー(A)
本圧入時に継手プレートが傾かないよう、開口幅が広いウォーターポンププライヤーで外れない程度に仮押さえする。
本体に取り付けたガイドプレートとプレートホルダーでリンクを挟み、プッシャーボルトを徐々に締め込んでいく
プレートホルダーには高低の溝があり、圧入されたプレートからピンが突き出し、先端が溝の底に接したら適正な圧入量だと分かる。
作業3:継手ピンのカシメ●ガイドが継手プレートに接触すれば完了
使用部品:カット&リベットピン、ガイドプレート ※支持ブロックと固定用ボルトを取り外す
プッシャーボルトに挿入したリベットピン(カットピンの反対側)が、継手リンクのピンに接触するまで手で回して締めつける。
カシメ作業は継手リンクの抜けを防ぐために重要だが、カシメ過ぎるとピンにクラックが入って逆に危険。そこでこのピン形状が効く。
プッシャーボルトを締め、ピンの外周が継手プレートに接触すればカシメ量は最適。経験や勘に頼らず作業でき、とても使いやすい。
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