60年に迫る歴史を重ねてきたホンダCTシリーズ。歴代スーパーカブと共に歩みつつ、ハードな走りに応えるため独自の進化を遂げた、隠れロングセラー”ハンター”の系譜をひも解く。前稿の’60年代ラインナップ紹介に引き続き、本稿ではロングセラーとなったCT90(’66〜)から後継モデル・クロスカブ(’13〜)までを紹介する。
●まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、鶴身健 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
1959年からアメリカで初代スーパーカブC100の輸入が始まった。間もなく、西部のディーラーをを中心にダート仕様への改造が流行。そこで'61年3月、アメリカホンダ自らが発売したモデルがCA100Tであ[…]
CT90 TRAIL90[海外 ’66〜]革新メカを続々と投入
CT200のユニットをOHV→SOHC化したCT90(K0)が’66年にデビュー。同時に排気量を86.7→89.5ccへ高めた。他はほぼ同じ仕様だったが、翌年Wスプロケットの代わりにレバー操作ひとつで2次減速比を切り変えられる副変速機を追加。4速ミッションの実質8速化を実現した。さらに飛躍したのは’69年型のK1。フロントフォークをボトムリンク式→テレスコピック式とし、同時にサイドエアクリーナー+ハイマウント吸気ダクトを投入。高い評価を受け、’79年まで続くロングセラーとなった。
CT110 TRAIL110[海外|国内 ’80〜]排気量を拡大、強心臓を積む決定版
’80年にCT90が110に進化し、北米と豪州で販売開始された。エンジンはほぼ専用設計で、ボアを2mm、ストロークを3.9mm拡大しカブ系最大の105ccに到達。初期型は副変速機を備えないが、不評のため翌’81年型から採用する。特に成功したのは豪州とニュージーランドで、農業や郵政用として’12年まで日本から供給され続けた。
2年間のみ日本仕様もラインナップ
’81年10月から国内でも市販されたが、惜しくも2年で販売終了した。コストダウンのため、副変速機がなく、ポイント点火の初期型がベースだった。
CT110 POST OFFICE CUB[海外 ’81〜]信頼性を高めた豪州向け郵政仕様
現在、豪州には郵政仕様としてクロスカブが納入されるが、’12年までCT110を導入していた。STDとの相違点は、6→12V化した安定の電装系と、動きが滑らかなスプリング内蔵型のセリアーニ式フロントフォーク。別体式メーターも特徴だ。副変速機は非装備。
HUNTER CUBRA[国内 ’97〜]CT風の純正パーツ群まで登場
’90年代後半になると、ハンターカブブームが一段と過熱化。そこでノーマルのカブをCT風にする純正アクセサリー「ハンターカブラ」が’97年にリリースされた。「カブラ」とは、カブ用の洒落たパーツシリーズで、CT風としてはアップマフラーやアンダーガード、前後大型キャリアなど8アイテムをリリース。
CROSS CUB[海外|国内 ’13〜]約30年ぶりの新作トレール
アドベンチャー人気が高まる中、’13年に初代クロスカブがデビュー。久々に登場したオフ風カブで、CTの後継的モデルと言える。ベースは、中国で生産された’12スーパーカブC110の豪州向け郵政仕様だ。外観は、ボディマウントのガード付きヘッドライトとレッグシールドが特徴。前後17インチにロングストロークサスを与え、車体はノーマルのカブより大柄だ。’18年、国内生産の2代目にバトンタッチした。
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