隠れたロングセラー60年選手

ホンダ新型CT125への道 “ハンター”の系譜を辿る【’70年代〜現代のクロスカブへ】

60年に迫る歴史を重ねてきたホンダCTシリーズ。歴代スーパーカブと共に歩みつつ、ハードな走りに応えるため独自の進化を遂げた、隠れロングセラー”ハンター”の系譜をひも解く。前稿の’60年代ラインナップ紹介に引き続き、本稿ではロングセラーとなったCT90(’66〜)から後継モデル・クロスカブ(’13〜)までを紹介する。


●まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、鶴身健 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

’80年にCT90が110に進化し、北米と豪州で販売開始された。エンジンはほぼ専用設計で、ボアを2mm、ストロークを3.9mm拡大しカブ系最大の105ccに到達。初期型は副変速機を備えないが、不評のため翌’81年型から採用する。特に成功したのは豪州とニュージーランドで、農業や郵政用として’12年まで日本から供給され続けた。

’82米国モデルのカタログ。北米仕様の呼称はTRAIL110だが、カタログではCT110と記載。

北米仕様は、豪州仕様にはないハンドル回転機構やサブタンクを標準で備え、’86年まで生産された。

2年間のみ日本仕様もラインナップ

’81年10月から国内でも市販されたが、惜しくも2年で販売終了した。コストダウンのため、副変速機がなく、ポイント点火の初期型がベースだった。

【HONDA CT110】■全長1905 全幅755 全高1050 軸距1220 最低地上高175(各mm) 車重87kg(乾)■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ105cc 7.6ps/7500rpm 0.85kg-m/6000rpm 燃料タンク容量5.5L ■タイヤF=2.75-17 R=2.75-17 ※諸元は’82国内仕様

【日本ではアウトドアイメージを強調】「ワークブーツ」に例えた国内のカタログ。時代の影響か、狩りの写真やハンターカブの名称はなく、アウトドア指向を強調している。当時は不人気車だったが、’90年代にブームとなり、多くの車両が逆輸入された。

CT110 TRAIL110[海外|国内 ’80〜]排気量を拡大、強心臓を積む決定版

’90年代後半になると、ハンターカブブームが一段と過熱化。そこでノーマルのカブをCT風にする純正アクセサリー「ハンターカブラ」が’97年にリリースされた。「カブラ」とは、カブ用の洒落たパーツシリーズで、CT風としてはアップマフラーやアンダーガード、前後大型キャリアなど8アイテムをリリース。

写真は’95東京モーターショーに展示されたアクセサリー装着車だ。

CT110 POST OFFICE CUB[海外 ’81〜]信頼性を高めた豪州向け郵政仕様

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