『バイクで巡るニッポン絶景道』シリーズは、ヤングマシンの姉妹誌であるモトツーリング編集長カン吉(神田英俊)が案内人。第20回は、天草諸島を橋梁でつなぐ少々マイナーな“天草パールライン”だ。日本3大松島のひとつ、天草松島を巡る絶景は九州のバイク旅で絶対に外したくない。
TEXT:Hidetoshi KANDA
多島海の幻想的な風景をつなぐ大絶景ロード
天草諸島は風光明媚な多島海の景色が素晴らしい地域。内海ならではの入り組んだ地形と点在する小島の様相は九州屈指の絶景ポイントだ。熊本県の絶景ロードと言えば、やまなみハイウェイといった阿蘇方面がその筆頭格としては定番だろう。しかし、全国的には少々マイナーながら、多島海の幻想的な風景もまた熊本県の魅力でもあるのだ。
天草諸島はその名のように“島”。八代海を挟み対岸に九州本土を望む潮風感抜群の地域だ。しかし、昭和41年に島伝いに架橋された巨大な5基の橋梁によって九州本土と連絡されており、フェリーを使用せず陸路にてアクセス可能となっている。当初は有料道路だったものの、開通より9年で無料化。現在は原付を含め、あらゆる車両にて自由に走る事ができる。
この5基の橋梁にて開通した道が“天草パールライン”だ。周辺海域にて真珠の養殖が盛んな事から命名されており、総延は約15km。生活・産業道路も兼ねている為、交通量は大変多く、観光スカイラインとは全く違う様相だが、橋梁上からの展望は抜群!長閑な内海を行き交う小舟やリアス式海岸の様相が一望できる。観光道路ではなく、多目的連絡路としての風景ならば間違いなく日本屈指の光景だろう。
風景のみならず、沿道には近海で獲れた豊富な魚介類を頂ける店も多数。目の前は海。正直どの店に訪れてもハズレは無いと断言しても過言でない程、新鮮な海鮮がお手頃価格で頂ける場所としても有名なスポットなのだ。
九州本土よりの唯一の陸路である為、確かに混雑ぎみではあるが、絶景・絶品グルメ・気持ち良い潮風の3拍子揃った、訪れて満足感の非常に高い場所。路面も綺麗で走り易い為、初心者ライダーやマスツーリングにも最適なフィールドとも言えるだろう。混雑を避けるなら目線を変えて、行きはパールライン、帰りはフェリーといったルートもお勧めだ。
何と言ってもこの地域は“日本3大松島”とも称されており、その風景は古来より折り紙付き。九州旅では絶対に外せないルートの一つとしてルーティングする事をお勧めしたい。
浜崎鮮魚 浜んくら
熊本県上天草市大矢野町中4416-13
TEL:0964-59-0777 11:00~23:00 不定休
ロード情報
交通量:天草諸島と本土を連絡する唯一の陸路であり、観光要素を含む生活道路の為、交通量は大変多い。休日は渋滞も頻発する為、時間帯を選んで通行するのがお勧め。
路面:かつては有料道路だった高規格道路かつ主要連絡路の為、整備状態は大変良好。路面の心配は全くしなくて良い。休憩ポイントや飲食店も多く快適に楽しめる。
~天草パールライン~
秘境感★
天空感★
潮風感★★★★★
爽快感★★★
根性感★
開放感★★★
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