「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトとして、兄弟車・YZF-R25と同様に日常的な扱いやすさを確保しながらも、320ccエンジンのゆとりあるパワーで爽快な走行が楽しめるヤマハ YZF-R3 ABS。マイナーチェンジとなる2019年モデルは、レースマシンイメージのスタイリングや定評ある走行性能に磨きがかかった。
YZF-R3 2019モデルの最大の特徴は、MotoGPマシン・YZR-M1をシンボルとする新しいデザインに生まれ変わったこと。それに伴い、エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン、乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバーが採用された。さらに、旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション、快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション、視認性の高いフル液晶メーター、LEDヘッドランプ採用のフロントフェイス、軽快なハンドリングに貢献するラジアルタイヤなどが性能面の熟成を支えている。ボディカラーはディープパープリッシュブルーメタリックC、マットブラック2、マットディープレッドメタリック3の3色展開。
ヤマハ YZF-R3 ABS(税込車両本体価格675,000円)は、2019年6月10日に発売される。
YZF-R3 ABS 主な特徴
フロントカウル&スクリーン:エアロダイナミクスを追求
フロントカウルとスクリーンは空力特性の向上に重点を置き開発。フロントカウルは”クロスレイヤード・ウイング”と呼ぶ立体的な構造で、走行風を後方に逃がすことによる空気抵抗の低減と効果的にエンジンを冷却する機能的なデザインを採用した。スクリーン形状は車体の周りの空気を整流する効果があり、それぞれの優れた空力特性が空気抵抗によるライダーの負担を軽減する。
新デザインのタンク&タンクカバー:乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立
ハンドル位置を22mm、タンクトップ位置を20mm下げ(従来比)、サーキットの直線で前傾姿勢を取りやすく、旋回時には高いニーグリップ性を発揮。さらにタンクの左右最大幅31.4mm広げており、燃料タンクの容量は従来同様14Lを確保している。
倒立式フロントサスペンション:旋回時など良好な接地感に寄与
37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションを採用。倒立式のメリットである優れた剛性バランスを活かすために減衰力とバネレートの最適化を図り、旋回や制動時などの良好なフロント接地感を獲得。また減衰力発生機構はカートリッジ式で、伸側・圧側それぞれの最適化が可能。快適性とスポーツ性の良好なバランスを保っている。
ライディングポジション:快適でスポーティな走りにフィット
ハンドルクラウン下にマウントしたセパレートハンドルは、スポーティなスタイリングでありながら日常の扱いやすさと快適性に配慮。前モデルと同様にシートの高さを低く抑えたことで、無理のないライディングポジションを実現し、ツーリング時のライダーの疲労感を緩和する。
視認性の高いフル液晶メーター
メーターは、新開発の視認性の高いフル液晶のディスプレイを採用。高精細なバーグラフタイプのタコメーターによりアクセルワークを視覚的に楽しむことができる。また、スピードメーターや燃料計だけでなくシフトタイミングインジケーターなどの情報をマルチに表示し、視認性の高さとレーシングイメージを両立する。
LEDヘッドランプ:精悍なフロントフェイスを演出する
歴代Rシリーズと同様の二眼ヘッドランプにLEDを採用した。フロントフェイスはLED二眼ヘッドランプと新造形をバランスさせて低い位置から睨みつける表情を持たせ、サーキットでの緊張感や走りへの闘志のイメージを喚起。さらに左右ヘッドランプの中央にはYZR-M1のアイデンティティであるセンターダクトを採用し、MotoGPマシンを彷彿とさせる。
ラジアルタイヤ:軽快なハンドリングに貢献
剛性に優れ、転がり抵抗が少ないラジアルタイヤ(フロント110mm幅、リア140mm幅)を採用し、ハンドリングの軽快さと快適な乗り心地に貢献する。
【YZF-R3 ABS 主要諸元】全長2090 全幅730 全高1140 軸距1380 シート高780(mm) 車重170kg 水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ 320cc 圧縮比11.2 内径68.0×行程44.1mm 最高出力42ps/10750rpm 最大トルク3.0kgf-m/9000rpm タンク容量14L 6速リターン キャスター25°00´/トレール95mm ブレーキF/R=ディスク タイヤF=110/70R17 R=140/70R17
※情報提供:ヤマハ発動機
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