スパイラルセル採用。品質管理の高さがウリ

新世代バイク用鉛バッテリー”スパイロンバッテリー”を取り付けてみた

スパイロンバッテリー

岡田商事の自社ブランド「AZ」がプロデュースするインドネシアの「スパイロンバッテリー」をテスト。2輪用としては初となるスパイラルセルに注目だ。

(○)完全密閉で液漏れなし。リチウムより旧車向き

昨今、アフターマーケットでは高い起動力と寿命の長さ、加えて軽量なリチウムイオンバッテリーに注目が集まっているが、充電電圧が大きく上下する車両(旧車など)には不向きなど、まだまだ課題が残る。そこで試してみたのが、鉛の新世代とも言えるスパイロンバッテリーだ。

一般的な鉛バッテリーの極板がフラットなのに対し、スパイロンはバームクーヘンのように円筒状に巻かれているのが最大のポイント。これによりバッテリー内部での極板表面積が広くなり抵抗が低減。始動性と寿命がアップするというのだ。

スパイロンバッテリー
バームクーヘンのようなスパイラル構造(円筒状)の極板は、一般的なバッテリーのフラット極板よりも表面積が広いため内部抵抗が少ない。

テストではホンダNC750Sを使用。鉛とはいえ純正装着品よりも約1kg軽く、これだけでも選ぶ価値があるだろう。純正品に対して端子の位置がわずかに奥まっていたため少々手こずったが、それでも交換作業自体は20分ほどで完了した。

スパイロンバッテリー
左がテスト車(NC750S)に標準装着されていた鉛バッテリーで、実測で3.9kgだった。これと互換性のあるスパイロンは約2.9kgで、34%も軽い。
スパイロンバッテリー
バッテリー脱着時にイライラするのが端子のナットが落下しやすいこと。スパイロンでは端子自体に雌ネジが切ってあり、ナット自体が不要という親切設計だ。
スパイロンバッテリー
1つのサイズで最大5品番に対応するため、専用のスペーサーが同梱されている。さらに別売りにて厚さの異なる2種類を用意する。
スパイロンバッテリー
標準装着バッテリーに対して端子の位置がわずかに奥まっているため、取り付けにやや手こずったが、気になったのはその程度だ。

いざ始動してみる。直前まで使用していたバッテリーが交換後1年以内ということもあり、明確な差は感じられず、また寿命についてもすぐには回答できない。だが、岡田商事が自社工場で出荷製品をすべて確認しているという点は、買う側にとって大きな安心材料となるだろう。

(△)鉛なのでやはり重いが、ネガ要素はその程度

NC750S用の某社製リチウムイオンバッテリーは約1.1kgで、このスパイロンは約2.9kgだ。ちなみに価格は後者のほうがだいぶ安い。

こんな人におすすめ:ユニークな形状とカラーなのでカスタム車にも

過去に異なる機種で2度、有名ブランドのリチウムイオンバッテリーを完全放電させてしまった経験があり、それがトラウマになっている筆者にとってもスパイロンは福音だ。この形状とカラーを生かしてカスタム車に使うのも一興。

スパイロンバッテリー[エーゼット]
●税込価格:8100円〜1万6200円(テストしたSP10Mは1万6200円)
●サイズ:全4種

●写真: 飛澤 慎
●取材協力:岡田商事 03-3459-8281 http://www.okada-corp.com/
※ヤングマシン2018年12月号掲載記事をベースに再構成