マシン・オブ・ザ・イヤー2018
ウワサ通りGSX-S1000&KATANA3.0ベースだった

【正式発表】スズキが2019年新型KATANA(カタナ)をインターモトショーで初公開

2018年10月2日、ドイツで開催されているインターモトショーでスズキが新型「KATANA」を発表した。これまで本誌でスクープしてきたこのモデルの概要をお伝えしよう。

2019年春より欧州で発売

オリジナルのGSX1100S KATANAは、1981年に発売されて以来、熱狂的なファンの支持を受ける伝説的モデルとして語り継がれている。それは2005年東京モーターショーのコンセプトモデルであるストラトスフィアのスタイリングに影響し、最近では2017年のミラノショーに出品されたKATANA 3.0のモチーフにもなっている。イタリアの著名なバイクデザイナー、ロドルフォ・フラスコ―リ氏によってデザインされ、エンジンズエンジニアリングによって製作されたKATANA3.0は、日本のスズキで開発がスタートするきっかけとなり、新しいカタナが”鍛えられる”ことになったという。

現代風にアレンジされたKATANAのデザイン

GSX1100S KATANAをモチーフに現代風にアレンジされたデザインは、フロントに向けて鋭利に突き出た日本刀のイメージを投影。スクエア形状の縦2段LEDヘッドライトや、刀の切先をイメージしたLEDポジションランプにより特徴的な顔つきに仕上げられている。また、スズキで初めてスイングアームマウントリヤフェンダーを採用し、リヤウィンカーとナンバープレートホルダーも配置することで、凝縮感のあるデザインを実現している。

【SUZUKI KATANA 2019年型欧州仕様 発売時期:2019年春(欧州)】2017年11月のミラノショーに出品されたイタリア誌のカスタムコンセプト、KATANA3.0に端を発する市販バージョン。GSX-S1000をベースに現代のカタナデザインを盛り込んでいる。日本国内でも発売されると思われる。

GSX-S1000をベースに完全にイメージを一新したKATANA。Z900RSやXSR900と同じように最新マシンをベースにしたネオクラシックモデルと言えるだろう。

ホイールベースは1460mmでGSX-S1000と同値となることから、スイングアームやフロントフォークなど前後の足まわりに手は加えられていないと思われる。

右横のシルエットは、KATANA3.0と見分けがつきにくい。タンデムシートのクッションが盛られているのとアゴの先端が鋭利になっているところがKATANAの特徴となる。

正面からのシルエットはハンドルの高さが際立っている。全幅は830mmでGSX-S1000の795mmより広げられているので異なるパイプハンドルを採用しているだろう。ミラーは同一だ。

シート後方のシルバーの部分はオリジナルカタナをオマージュしたKATANA3.0由来で、市販版にも忠実に落とし込まれている。スイングアームマウントのリヤフェンダーの影響か、全長は2125mmでGSX-S1000より10mm長い。

中身は最新のネイキッドスポーツ

’80年代の伝説からインスピレーションを得ているにも関わらず、新しいカタナは現代の技術によって成り立っている。フレームは軽量なアルミのツインスパーで、GSX-S1000シリーズをベースにしている。フルアジャスタブルの43mm径の倒立フロントフォークと、伸び側減衰力とスプリングプリロードが調整可能なリヤショックはKYB製を採用。ブレンボ製モノブロックフロントブレーキキャリパーは、現行のGSX-R1000と共通となる。ブレーキはABS装備でコンポーネントはボッシュ製だ。

ヘッドライトは、逆三角形に近い形状だったKATANA3.0のヘッドライトからほぼ長方形の形状に改められた。上下2段の前照灯やポジション灯、ウインカーもLEDを採用している。

コックピットはキャスティングパーツでアップハンドル化していたKATANA3.0とは大きく異なりテーパータイプのパイプハンドルを採用。ハンドルクランプにはカタナのロゴを配して、コックピットを飾り立てている。

輝度調整が可能なフル液晶メーターは黒背景の白文字を採用。バーグラフタコメーターのレッドゾーンは11500rpmでGSX-S1000と同じ。タコメーターの内側には3段階のトラクションコントールやギヤポジションインジケーターをレイアウト。他にも電圧や燃費など様々な情報が表示可能。

燃料タンクはカタナのデザインを表現するために複雑な形状となり、インナータンクにカバーを装着することで対応。GSX-S1000の17Lに対して12Lに容量は減少している。

GSX-S1000の前後セパレートシートからオリジナルカタナを模した黒×銀の一体型シートに変更。シート後端の3本線もオリジナルカタナにあったものでそれにちなんでいる。シート高は825mmでGSX-S1000よりも15mm高められている。

テールランプもLEDを採用し、両サイドと中央部でポジションとブレーキを分けている。このデザインはKATANA3.0と基本的に同じものとなる。

スイングアームマウントのリヤフェンダーにウインカーとナンバープレートも配置。テールカウルの張り出したウイングとともにKATANA3.0から形状が変化している。

K5譲りのエンジンに電脳も装備

ベースとなった2005年型のGSX-R1000 K5のエンジンは、アップデートとともにストリートベースのパフォーマンスに変更されている。トルクフルでミッドレンジ&トップエンドパワーで好評だった999ccパワーユニットは、ロングストローク設計(73.4mm x 59.0mm)を採用しており、最高出力150ps/10000rpm、最大トルクは11kg-m/9500rpmを公称する(欧州)。

3モードのトラクションコントロールシステムは、GSX-S1000と同様にオフにすることもできる。様々な天候や路面状況でライダーのマシンコントロールをサポートするシステムは、前後の車輪速度、スロットルポジション、クランクポジションおよびギヤポジションセンサーで状況を検知し、点火と燃料供給を調整することでエンジン出力を迅速にコントロールする。これにより、アクセルコントロールがスムーズになり、操作性が向上する。

現行型GSX-S1000で採用された3モード(3段階調整式)のトラクションコントロールシステムを踏襲。姿勢角センサーは使用しないタイプだ。

タイヤは最新のダンロップ製ロードスポーツ2を採用。定番のツーリングラジアルタイヤで”2″はレース用微粒子カーボンによって発熱グリップを向上させた深層コンパウンドを採用している。

ホイールベースやキャスター角(Rake)、トレール長(Trail)はGSX-S1000と同一。シート高が15mm高くハンドルが異なる分ライディングポジションは多少異なるだろう。

【アクセサリーパーツ】ノーマルのスクリーンの上に乗せる形で装着するハイスクリーン。

【アクセサリー】後端の3本線を排しカタナのロゴを刻印したカラードシート。ハンス・ムートデザインのGS650G(1981年)由来と思われる黒×赤のツートーンが新鮮。

【アクセサリー】ブレンボのモノブロックキャリパーを赤くペイント。こちらもハンス・ムートのGS650Gが由来と思われる。

【アクセサリー】カーボンクラッチカバーとカーボンクランクシャフトケースカバーも用意。

新型KATANAのコンセプトは「Forging New Street Legend」。 伝説的なKATANAに敬意を表しながら、現代のストリートマシンをリードするスタンダードとなるよう、パフォーマンスと外観をアップデートしたのだ。

諸元は欧州仕様

「【原点】1982年初代GSX1100S KATANA(カタナ)を振り返る」記事はこちらへ。
「【原点】これが本家3.0?! 1984年型GSX750Sを振り返る」記事はこちらへ。
「【プロトタイプ】KATANA3.0(カタナ3.0)を振り返る」記事はこちらへ。

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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