2017年は国内仕様がフルパワーになった節目の年。日本と欧州との環境規制調和が完了し、これまで国内仕様といえば海外仕様より出力が低かったり、マフラーなどの装備が異なっていたりしたが、それがついになくなり「ほぼ」同仕様となった。「ほぼ」というだけあって、どうしても違う部分が残されている。それが「180km/h速度リミッター」。せっかく国内仕様もフルパワーとなったのに、これではSSでサーキット全開走行を楽しみたいときに不満が残る。で、これを解除したとき真の実力はいかほどになるのかというのが今回の話だ。
’17国内仕様SSをリミッターカットしたら驚きの実力!
速度リミッター以外は同仕様となったおかげで解除するのは、昔と比べて非常にシンプル。ECUを書き換えてしまえば、それだけでOKだ。インマニやエキパイの径を海外仕様と同サイズにしたり隔壁を取り去ったりといったひと昔前のフルパワー化に必要だった改造はまったく必要ない。さすが基準調和、財布にも優しいぞ。
で、下にあるのが国内仕様が発売されているホンダCBR1000RR SPとスズキGSX-R1000Rのノーマル状態とリミッターカット状態での比較グラフ。数値は後輪出力だ。カタログスペックでエンジン出力192psを誇るCBRだが、ノーマル状態だと4速140psに達したところで180km/hリミッターが作動。6速で測定したGSX-Rもカタログ値197psに対してノーマルは約106psで180km/hまで到達。それ以上のパワーは開放しきれないという結果になってしまった。それがリミッターカットしただけでご覧のとおり。どちらもフルパワーとしていかんなく本来の性能を発揮。富士スピードウェイでの最高速アタックでは、CBRが293.52km/h、GSX-Rが293.88km/hと、どちらもガッツリ速さを見せてくれた。サーキット専用に限るという条件が付くこの国内仕様リミッターカットだが、とことんSSを遊び倒したいと思っているオーナーは今後無視できないだろうね。いやあ、2017年の国内仕様はすごいぞ!