![[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_00.jpg)
サスペンションを持つ4速フレームに積まれているのは、ビッグボア・ストローカーショベル。ゆったりと大きなフライホイールが回り、強大なトルクを生む。ソリッドなライドフィールに酔いしれるばかりだ。RTB MOTOCYCLEが手がけたトルクモンスターと化したショベルだ。
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:夏目健司 ●外部リンク:RTB MOTORCYCLE
ハイパワーだけでなく、本来持つテイスティさを損なわず、より“らしさ”を強調するストロークアップ
エンジンを強化する際、排気量アップが効果的なのはたやすくイメージできるだろう。ハーレーダビッドソンはエボリューションまで80キュービックインチ(1340cc)だったが、ツインカムになって、88→96→103→110ci(1801cc)とスケールアップを加速させ、現行のミルウォーキーエイトエンジンでは最大121ci(1977cc)にまで達している。
では、排気量とは一体なんだろうか? 燃焼行程に関わる容積の大きさを示す数値と言うと、少し難しくなるかもしれない。噛み砕けば、エンジンが一度に吸い込むことができる混合気(空気と燃料)の体積のことで、多ければ多いほど爆発が強くなり、大きな力を生み出せる。
シリンダーの内径(ボア)とピストンが上下運動する上死点から下死点までの移動距離(ストローク)で排気量は決まり、カタログや公式ホームページにあるスペック表でボアストロークを確かめることができるだろう。たとえば、ミルウォーキーエイト114ならボアストロークは102×114.3mmだ。
ハーレーのOHVエンジンでは、ボアよりもストロークが長い“ロングストローク”が採用され続け、低い回転域での力強さ、太いトルクフィールを持ち味としている。逆にボアがストロークよりも大きい“ショートストローク”は高回転型となり、伸び上がるようにパワーを発揮していく。現代のオートバイの場合、ほとんどが後者であることも付け加えておこう。
ハーレーらしい鼓動や味わい深さは、挟角45度のV型2気筒エンジンがもたらす不等間隔爆発や、慣性マスの大きいクランクなどを合わせ持つからこそ獲得しているが、ボアストロークがエンジンのキャラクターを決定づける重要な要素であることは間違いない。
ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|エンジン
さて、前置きが長くなってしまったが本題に入ろう。ハイパワーだけでなく、本来持つテイスティさを損なわず、より“らしさ”を強調するため、ハーレーのカスタムシーンではボアストローク比をとことん追求している。
排気量アップする際には、ボアの拡大だけではなく、ストロークを伸ばすという選択肢がある。ビッグピストンを組み込むボアアップだけにとどまらず、いわゆる腰下、クランクフライホイールにも手を加えなければならないなど手間がかかるにもかかわらず、ストローカーキットの人気は陰りを見せない。
なぜか? それは乗れば頷ける。
極低回転域からトルクが湧き上がり、ゆったりと走っているのに加速が鋭い。不快な振動がなく、ロングライドやクルージングも快適にこなす。
ショベルヘッドエンジンはボアストロークが87.3×100.8mmで1207cc、あるいは88.8×108mmで1337ccとしているが、S&Sの93ciストローカーコンプリートエンジンは92×114.3mmで1524ccとする。
RTBモーターサイクルではトランスミッションをエボリューション用に換装し、さらにオーバードライブ6速まで組み込んでいるから、脱帽するばかりだ。
オールブラック/ツインプラグ/オープンプライマリーにし、FLHポリス(1979年)の4速フレームに搭載。スポーティーな走りにこだわった結果、ネックを2インチ伸ばしつつ、レイク角を0.5度起こすという、じつに手の込んだフレームワークとなった。
さらにスイングアームをワンオフ。前後サスペンションは35mmナローフォークとオーリンズのビギーバッグ付きリヤショックで、ブレーキもPM4ポットキャリパーにて強化している。
ベンチュリーが短く、コンパクトでシンプルなデザインのキャブレターは、「ショーティ」とも呼ばれるスーパーE。大口径キャブならではの、回転が上がるにつれて盛りあがるパワーフィールは、病みつきになるほどの高揚感に包まれ、ついついアクセル開度が大きくなっていく。
速度レンジが上がってからも車体に落ち着きがあり、軽快かつ安定したライドフィールを獲得していることがわかる。
意匠を凝らした外装も見応えがあるもので、ワンオフのフューエルタンクや入手困難なアレンネスのフェンダーには、フレイムスがゴーストペイントされた。
聞けば、この車両のオーナーは女性とのこと。FXRPやアーリーショベルを所有する夫とともに颯爽と走る姿は、さぞかし凛々しいことだろう。
RTBモーターサイクル渾身の作品とも言えるストローカーショベル。S&S93ciストローカーコンプリートエンジンを積む4速フレームはネックを2インチ伸ばし、レイク角を0.5度立てて軽快なハンドリングを獲得している。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
フリーマーケットやフードコンテンツも楽しめる名物イベント 群馬県を代表するSUBARUの工場脇の公園には、バイクとテントで埋め尽くされている。初めてこのイベントを訪れた人は、その規模感に驚くのでないだ[…]
ロードグライド131RRか? いいや違う、 さらに上回る143だ クラッチミートするや否や、極低回転域から図太いトルクでロードグライドの巨体が力強く押し出される。クイックシフターのアシストもあり、ス[…]
アイポートの広いフルフェイス:BULLITT CRF 1970年代のBELL STAR(ベル・スター)ヘルメットを彷彿とさせるクラシカルなデザインで、どんなバイクにもマッチするだろうスリムなシルエット[…]
ハーレー乗りじゃなくても大歓迎! ブルースカイミーティングは、ハーレーオーナーのみならず、ライダー/ノンライダーに関わらずどなたでも大歓迎のカルチャーイベント。 北陸初の開催となる今回は、景勝地の東尋[…]
「ハーレーダビッドソン東大阪」と「AELLA」が共同開発 ブラックに塗装されたメガホン形状のサイレンサーは、ハーレーダビッドソン東大阪と京都のカスタムパーツメーカー「AELLA(アエラ」)が共同で開発[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ | ハーレーダビッドソン)
ロードグライド131RRか? いいや違う、 さらに上回る143だ クラッチミートするや否や、極低回転域から図太いトルクでロードグライドの巨体が力強く押し出される。クイックシフターのアシストもあり、ス[…]
「ハーレーダビッドソン東大阪」と「AELLA」が共同開発 ブラックに塗装されたメガホン形状のサイレンサーは、ハーレーダビッドソン東大阪と京都のカスタムパーツメーカー「AELLA(アエラ」)が共同で開発[…]
バトル・オブ・ザ・ツインの歴史に刻まれる存在 1981年に米国、デイトナスピードウェイで第一回が開催され、その熱が日本に伝わり、1984年に日本の筑波サーキットでも火蓋が切られることとなったレース“バ[…]
ローライダーS/STユーザーに朗報 小ぶりでスタイリッシュな仕上がりのシートが、TRIJYAにて受注生産スタートとなった。 足着き性に優れるのはもちろん、日本人の体型にジャストフィットするライディング[…]
高剛性高精度なアルミビレットパーツ続々登場! 高強度アルミニウム合金素材A6061-T6を高精度切削加工し、鮮やかな発色を維持する独自のアルマイト処理を施すことで変色や腐食を防ぎ、優れた耐摩耗性を発揮[…]
人気記事ランキング(全体)
冬のツーリングは、寒さによる体温低下で想像以上に体力を奪う。特に脚まわりは走行風を直接受けるため、冷えが蓄積しやすい。 本商品は、風の侵入を防ぐ防風生地を採用。パンツの隙間から入り込む冷気をしっかりと[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
ライダー前提の立体パターンと保温設計 パッディングジャケットは、乗車姿勢を取りやすい立体パターンを採用し、上半身の可動域を確保。中綿は化繊タイプで、雨や汗で濡れても保温性の低下が小さいのが利点だ。 冬[…]
異常気象に対応したウェアを考えるワークマン 「夏が長く、秋が短い、すぐに冬が来る」という極端な環境変化が当たり前となってきた近年。気象庁の観測データ(東京)を見ても、最高気温25℃以上の『夏日』の最終[…]
ライダー姿勢に最適化された発熱構造 RSタイチが展開するe-HEATシリーズの中でも、本商品はライディング中の姿勢を徹底的に考慮した設計が特徴だ。発熱ユニットは、風を最も受けやすい背中と両肩に配置。ハ[…]
最新の投稿記事(全体)
QIK-MESH2.0で繋がり続けるインカム体験 H6は、従来の直列式インカムのように前後の並び順に依存しない通信方式を採用している。QIK-MESH2.0により、グループ通話中に隊列が乱れても通信の[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
高額モデルが多いドライブレコーダーはブラックフライデーで賢くアップデート MAXWIN バイク用 スマートモニター ドライブレコーダー Kaedear (カエディア) バイク ドライブレコーダー バイ[…]
津軽の32温泉をすべて利用可能 2日間パス:2000円 3日間パス:2500円 たとえば、単体で利用すれば入浴料1000円の「黄金崎不老ふ死温泉」や、入浴料700円の「花禅の庄」、観光施設では入場料6[…]
電子制御サスペンション採用のGXにウイングレット新採用でさらなるスタビリティを スズキは欧州で、2005年型GSX-R1000(通称K5)由来の4気筒エンジンを搭載するクロスオーバーツアラー「GSX-[…]
- 1
- 2



![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_01-768x432.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_02-768x432.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|ハンドルまわり|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_04-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|フロントディスクブレーキ|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_05b-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|フロントまわり|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_05-768x1152.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|エアクリーナー|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_07-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_08-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|プライマリー|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_09-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|ペイント|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_10-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|タンク|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_11-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|シート|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_12-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|マフラー|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_13-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|リヤサスペンション|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_14-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|リヤディスクブレーキ|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_15-768x512.jpg)
![ハーレーダビッドソン|ショベルヘッド|RTBモーターサイクルカスタム|リヤまわり|[ハーレーカスタム] ストローカーショベル:これぞトルクモンスター! 味わい深き1台に試乗〈RTB MOTORCYCLE〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/HarleyDavidson_RTBmotorcycleCustom_StrokerShovel_16-768x512.jpg)





































