ヤマハ自身が開発し、ヤマハ車だけで展開をしていた、エンジンの振動を低減させる「パフォーマンスダンパー」。パーツメーカーのアクティブがヤマハ以外の車種に同シリーズを展開し、好評を博している。そしてついにハーレー用、しかもH-D X350/X500用が登場した!
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:宮下豊史 ●外部リンク:アクティブ
パフォーマンスダンパーは効果絶大! 絶対に欲しかった!!
4輪の高性能車に標準装備あるいはアフターパーツとして選ばれ、定評のある「パフォーマンスダンパー」は、モーターサイクル用としてもヤマハを皮切りにリリースされると、効果絶大と人気急上昇。
ユーザーからの要望に応え、国産はもちろん欧州車用にもラインナップが拡大。『ウィズハーレー』編集長・アオキもこれまでにその上質な乗り心地は体験済みであった。
それだけに、編集部でX350を購入した際、「あればいいなぁ」「欲しい」と真っ先に思ったパーツのひとつであったから、自分の声がメーカーに届いたかのようで、嬉しさもひとしお。待望のハーレー用第1弾だ。
車体のメインフレームに装着するパフォーマンスダンパーは、オイルと高圧窒素ガスが封入されたダンパーの働きによって、フレームに発生する微細な振動を吸収/低減(減衰)するものだ。
高圧窒素ガス封入オイルダンパーはサスペンションにも用いられが、その変位量は大きく異なる。通常のオイルダンパーがcmオーダーであるのに対して、パフォーマンスダンパーはμmオーダー。極微小な変位量の中で性能を発揮する。
実際のストローク量は1mmにも満たない。そのわずかなダンピングが車体の振れを収束させ、コーナリングで安定させたり、振動の軽減といったさまざまなメリットをもたらす。車体の剛性を上げるのではなく、粘性/減衰力を付与するので、補強バーとは似て非なるコンセプトであることもあらかじめ言っておきたい。
ギャップ通過時にも車体が落ち着き、サスペンションのストロークとダンピング(働き)がよりダイレクトに伝わってくる。とくにリヤサスへの負荷が大きくかかったとき、横へ逃げて挙動を乱していたが、縦方向へライダーが想定する通りに動き、衝撃を受けた際の収束も早まり、コントロール性が飛躍的に向上する。
路面追従性が高まるとともにトラクションを得やすくなり、旋回時は低重心で路面へしっかりと張り付く感覚が得られ、安心感が増すのも大きなメリット。軽快なハンドリングと、フラットなトルクフィールで走りが俊敏なX350に、ワンランク上の上質感が加わった。
同時にX500用も発売され、さらなるラインナップ展開にも期待せずにはいられないぞ!!
パフォーマンスダンパー装着前後のイメージ図
下のイラストは装着前後のイメージ。振動を排除するのではなく、振動の幅を抑え弱くする。未装着時(左)は車体のバネ要素によってたわみを繰り返すが、パフォーマンスダンパーを備えれば(右)、車体の変形/振動を減衰してたわむ速度を穏やかにし、速やかに収める。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
運動性能も飛躍的に向上させた、クラブスタイルカスタムの完成形 軽快かつパワフル! 強力なモーターに隙のない足まわりで、スピードクルーザーとしての理想形のひとつを具現化していると言っていいだろう。 ノー[…]
ライダーの狙い通りに操れるマシン 乗り手の意図する通りに自在に操れる。45ディグリーズ齋藤氏が創り上げるマシンに共通する持ち味であることは、『ウィズハーレー』誌にて試乗を重ね、以前公開した記事でお伝え[…]
暑いけど宮ヶ瀬し〜。私のアイアン、最高ー! YouTubeの企画で免許を取得して以来、仕事でもプライベートでもバイクに乗ることが多い朝山すずちゃん。夜は星空や海を見に出かけたり、昼はオシャレなライダー[…]
ハーレー女子に聞きました Q1.これまでのバイク歴/ハーレー歴など教えてくださいQ2.いま乗っている愛車を選んだ理由は?Q3.お気に入りのポイント?Q4.高年式モデルにない魅力とは?Q5.同じ趣味を持[…]
日本未導入の特別仕様車をベースにカスタム 第2次世界大戦時、軍用として用いられていた車両「WLA」をモチーフにしたカラーリングが採用されているのは、パンアメリカ1250スペシャルの特別仕様車「GIエン[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ | ハーレーダビッドソン)
運動性能も飛躍的に向上させた、クラブスタイルカスタムの完成形 軽快かつパワフル! 強力なモーターに隙のない足まわりで、スピードクルーザーとしての理想形のひとつを具現化していると言っていいだろう。 ノー[…]
ライダーの狙い通りに操れるマシン 乗り手の意図する通りに自在に操れる。45ディグリーズ齋藤氏が創り上げるマシンに共通する持ち味であることは、『ウィズハーレー』誌にて試乗を重ね、以前公開した記事でお伝え[…]
暑いけど宮ヶ瀬し〜。私のアイアン、最高ー! YouTubeの企画で免許を取得して以来、仕事でもプライベートでもバイクに乗ることが多い朝山すずちゃん。夜は星空や海を見に出かけたり、昼はオシャレなライダー[…]
日本未導入の特別仕様車をベースにカスタム 第2次世界大戦時、軍用として用いられていた車両「WLA」をモチーフにしたカラーリングが採用されているのは、パンアメリカ1250スペシャルの特別仕様車「GIエン[…]
極太タイヤで路面を蹴り飛ばす! ワイドグライドがミルウォーキーエイトを積んで復活か!? そんな期待をせずにはいられない、ワイドグライドのチョッパースタイルが見事なまでに再現されている。 見どころ満載、[…]
最新の関連記事(X350)
HARLEY-DAVIDSON HAKATA PAN AMERICA B.O.T.T. WCT ドゥカティ パニガーレやKTM RC8といった高性能スーパースポーツツインモデルたちがエントリーするバト[…]
SPEEDRA:質感向上に欠かせない高品質素材。色とりどりのアルミビレットパーツ スポーツスターS/ローライダーSTなどを皮切りに、新たにハーレー市場に参入。アルミビレッドパーツやドライカーボンカウル[…]
使用目的に合わせて作られた、大小さまざまな容量別のシートバッグ〈PLOT〉 ハーレーダビッドソンX350『WITH HARLEY』号担当のミヤシは、キャンプツーリングが大好きだ。愛車のスポーツスターや[…]
パンアメリカ1250スペシャル:ARH搭載で足つき性問題を払拭。タフな冒険の相棒に選びたい ダート走行も前提にしたアドベンチャーツーリング。6種のライディングモードを設定でき、トラクションコントロール[…]
3Dスキャナー&プリンターで爆速試作品開発 一般的な話になったとはいえ、その開発作業を間近で見るたびに驚きを隠せない。3Dスキャナーとプリンターを駆使した試作品開発の現場での話だ。ここは大阪の株式会社[…]
人気記事ランキング(全体)
タイヤを固定し“マウントヘッド”を回転させる 本記事で紹介するタイヤチェンジャーは、じつは以前から製品化されていたのだが、実際に使用したユーザーの意見やアドバイスを受け、それらを反映したマイナーチェン[…]
APトライク125の積載量に興味アリ! APトライク125の特徴といえば、おもに下記の4つが挙げられます。 乗っていて面白い 雨に濡れにくい 税金が安い 3人乗りができる さらに加えるなら、「荷物がい[…]
ラチェットドライバー:ラチェット機構と可変グリップで多様に使えるビット差し替え式 手首のスナップで連続的にビットを回せる46歯ギヤのラチェットドライバーは、中空グリップ内部にエクステンションバー、エン[…]
私はヤマハPCXでUber Eats配達員をやっています。3000回ぐらい配達してきましたが、いつしか「ピザ屋やハンバーガー屋などのデリバリーいいなぁ」と思うようになっていました。なにせ彼らの相棒は、[…]
暑いけど宮ヶ瀬し〜。私のアイアン、最高ー! YouTubeの企画で免許を取得して以来、仕事でもプライベートでもバイクに乗ることが多い朝山すずちゃん。夜は星空や海を見に出かけたり、昼はオシャレなライダー[…]
最新の投稿記事(全体)
パフォーマンスダンパーは効果絶大! 絶対に欲しかった!! 4輪の高性能車に標準装備あるいはアフターパーツとして選ばれ、定評のある「パフォーマンスダンパー」は、モーターサイクル用としてもヤマハを皮切りに[…]
エンジンやマフラーなどの高温部品には“耐熱塗料”が基本。手軽な施工で美しく!! 完全にバラバラに分解した部品をひとつひとつ仕上げ、必要に応じてペイント補修してからバイクを組み立て直すと、それはもう「別[…]
そもそもAmazonブラックフライデーとは アメリカ合衆国の感謝祭(11月の第4木曜日)の翌金曜日に行われるセール、ブラックフライデー。Amazonにおいては、実際はその前後数日間にかけて”Amazo[…]
トライアンフの歴史を華々しく飾った一流スタントライダーの記念碑的モデル トライアンフ・ロケット3は、2458cc水冷並列3気筒エンジンをクランク縦置きで搭載するメガクルーザーだ。このたび発表された特別[…]
プロジェクトの苦しさに相反する“優しい雰囲気” 全日本ロードレース最終戦・鈴鹿、金曜日の午前のセッション、私はサーキットに到着するとまず長島哲太のピットの姿を撮りに行った。プレスルームで初日のスポーツ[…]
- 1
- 2