![[ハーレーカスタム車試乗インプレ]ブレイクアウトSUBURBAN131:ワイドグライドがM8でよみがえる!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/08/HarleyDavidson_BreakOut_RTB_Custom_00.jpg)
バー&シールドのロゴを取り囲むようにしてペイントされた“フレイム(炎)”のタンクグラフィックスが目を引く、1980年に登場したFXWGワイドグライドを、RTBモーターサイクル(大阪府)がブレイクアウトにて再現。2023年式以降のモデルでは容量18.9Lのストレッチタンクが採用されているので、チョッパースタイルにふさわしい2022年式までの小ぶりなタンクに換装し、手の込んだ塗装が施された。延長したリヤフェンダーにはオーソドックスなトゥームストーンライト。心臓部には131キュービックインチ/2146ccビッグボアキットをブチ込んだ!
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:夏目健司●外部リンク:RTB MOTOCYCLE
極太タイヤで路面を蹴り飛ばす!
ワイドグライドがミルウォーキーエイトを積んで復活か!? そんな期待をせずにはいられない、ワイドグライドのチョッパースタイルが見事なまでに再現されている。
見どころ満載、センスの光る1台だが、まずはその走りがなんとも痛快であることから報告したい。スロットルを開閉する右腕の感覚が、車体を押し出す加速フィールと直結しているかのようだ!
極太タイヤの駆動輪が路面をしっかり捉え、力強く蹴り出すトルクフィールを醍醐味とするのがブレイクアウト。その持ち味が何倍にも増幅しているからたまらない。思わず頬が緩む!!
決め手はSUBURBAN SPEED(サバーバンスピード)の131キュービックインチ/2146ccビッグボアキットがM8に組み込まれ、140psオーバーの高出力をドライブチェーンによりダイレクトにリヤタイヤへ伝えている点だ。
ボア径は4.32インチ(109.72mm)にまで拡げられ、レース界でも実績の高いMAHLE(マーレ)のアルミ鍛造ピストンがシリンダーにインストールされている。
サバーバンでは、クランクケースの加工なしにボルトオンにて取り付けできるビッグボアキットとしてこれを製品化しているから、M8オーナーには見逃せない。
さらにT-MANパフォーマンスのハイカムがセットされ、吸気系もアルミビレット62mmスロットルボディ&HPiインテークマニホールドで一切隙がない。
一発ずつの爆発がより明確で、雑味のない鼓動を乗り手の身体へ届けるのは、ニューソフテイル系のリジッドマウントフレームならでは。バンス&ハインズのステンレススチール製2in1フルエキゾーストは、跳ね上がったメガホンマフラーから唸るようなサウンドを奏でている。
ワイルドワンのファットエイプバーで、拳を突き上げて乗るライディングポジションは、FXWGがそうだったようにチョッパースタイルを存分にイメージしたもの。低く沈んだ着座位置から両膝を大きく上げて身構えるのは、ミスミエンジニアリングに特注したアルミビレット製ステップによるところ。ライディングポジションの設定が、巧妙としか言いようがない。
ベース車両はブレイクアウト117(2023年式)で、ノーマルの燃料タンクは容量18.9Lのストレッチタンクだが、チョッパーライクなシルエットに合わせて2022年式の小ぶりなタンク(13.2L)を加工して取り付けた。リフトアップしつつ、フレームワークなしでタンク下に空間をつくり出すことを実現しているから舌を巻く。
ワイドグライド譲りのフレイムスがあしらわれ、スチール板を継ぎ足したリヤフェンダーにはオールドスクールなトゥームストーンテールライトがよく似合う。
パフォーマンスマシンの異径4ポットキャリパーで前後ブレーキを強化しつつ、ブラックハードクローム仕上げのフロントフォークは2インチ延長され、リヤショックはKODLIN(コドリン)のロワリングキットで40mmローダウンしている。ライセンスプレートのサイドマウントも北米仕様のようで違和感なし。
ショベルFXWGを現代のM8ソフテイルでオマージュしつつビルドアップしたカスタムは、新旧を問わず手かけるRTBモーターサイクルならではの傑作のひとつと言えよう。ハーレーダビッドソンの新車ラインナップに、こんなニューモデルが登場することを待っているぞ!!
フロントフォークを2インチ延長し、リヤショックを4cmダウン。フレームワークに手を加えることなく、タンクのリフトアップのみで、チョッパースタイルを実現しているから見事ととしか言いようがない。
ワイドグライドを彷彿とさせるフレイムスのカラーグラフィックスがまた心憎い。しかし魅了されてやまないのは、スタイルだけではなく、強靭な心臓部がもたらす走りだ。SUBURBAN131ビッグボアキットにT-MAN PERFORMANCEのカムが組み込まれ、スロットルボディは52→62mmにスケールアップされている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
ウィズハーレー掲載記事のウラ側がわかる 俳優/タレント/サックスプレイヤーとしても活躍する武田真治さんが、故郷・北海道を同級生たちと結成するハーレーチーム「BLACK NOTE」とともに駆け抜けた!ハ[…]
“ハーレーの今”がわかる! 現在、ハーレーラインナップの中で人気を二分しているのが、「ブレイクアウト」と「ローライダーST」だ。どちらも1923ccもの排気量を持つ空油冷Vツインエンジン“ミルウォーキ[…]
元世界王者・魔裟斗もハーレーを通じてみんなとつながった! 「すれ違いざまに手を振り合ったりするなど、ハーレー乗りたちとすれ違うと(面識がなくても)仲間意識があるんですよね」と、集まったライダーたちに話[…]
FLHXSE CVOストリートグライド:CVOでは唯一となるバットウイングフェアリング フラッグシップモデルを象徴するバットウイングフェアリング。そのアイコンを持つ最上級仕様が「CVOストリートグライ[…]
FLHX ストリートグライド:ワイドグライド譲りのファイヤーカラーも選べる! 2025年式ストリートグライドは、その象徴的なバットウイングフェアリングとLEDライトを融合させたモダンなスタイルを持つグ[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ | ハーレーダビッドソン)
ローライダーS/STユーザーに朗報 小ぶりでスタイリッシュな仕上がりのシートが、TRIJYAにて受注生産スタートとなった。 足着き性に優れるのはもちろん、日本人の体型にジャストフィットするライディング[…]
高剛性高精度なアルミビレットパーツ続々登場! 高強度アルミニウム合金素材A6061-T6を高精度切削加工し、鮮やかな発色を維持する独自のアルマイト処理を施すことで変色や腐食を防ぎ、優れた耐摩耗性を発揮[…]
モーターサイクルショーなどに展示され、注目を集めたカスタム ナイトスターをよりスタイリッシュにしつつ、機能的なパーツをふんだんに盛り込んだのが、ハーレーダビッドソンのリプレイスパーツで実績と信頼のある[…]
ブレスクリエイションの提案するカーボン外装X350 ダートライメージの強いX350を、小変更ながらもヨーロピアンムードを感じさせるほどに変えている点にまずは驚いた。外装デザインを少し変更するだけでここ[…]
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
ウィズハーレー掲載記事のウラ側がわかる 俳優/タレント/サックスプレイヤーとしても活躍する武田真治さんが、故郷・北海道を同級生たちと結成するハーレーチーム「BLACK NOTE」とともに駆け抜けた!ハ[…]
サイドバルブ方式を採用した”フラットヘッド” WシリーズはショベルヘッドやエボといったOHVエンジンよりはるか昔、1937年に3世代目、739ccのサイドバルブ(フラットヘッド)エンジンとして登場。 […]
元世界王者・魔裟斗もハーレーを通じてみんなとつながった! 「すれ違いざまに手を振り合ったりするなど、ハーレー乗りたちとすれ違うと(面識がなくても)仲間意識があるんですよね」と、集まったライダーたちに話[…]
FLHXSE CVOストリートグライド:CVOでは唯一となるバットウイングフェアリング フラッグシップモデルを象徴するバットウイングフェアリング。そのアイコンを持つ最上級仕様が「CVOストリートグライ[…]
FLHX ストリートグライド:ワイドグライド譲りのファイヤーカラーも選べる! 2025年式ストリートグライドは、その象徴的なバットウイングフェアリングとLEDライトを融合させたモダンなスタイルを持つグ[…]
人気記事ランキング(全体)
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
お手頃価格のヘルメットが目白押し! 【山城】YH-002 フルフェイスヘルメットが38%OFF コストパフォーマンスと信頼性を両立させた山城の「YH-002」フルフェイスヘルメット。大型ベンチレーショ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
最新の投稿記事(全体)
10/1発売:カワサキ「Ninja ZX-25R SE/RR」 250ccクラスで孤高の存在感を放つ4気筒モデル、「Ninja ZX-25R」の2026年モデルが早くも登場する。今回のモデルチェンジで[…]
「世界初の量産250ccDOHC水冷4気筒エンジン」が生み出す最上の乗り味 1983年3月。デビューしたてのGS250FWに乗った印象といえば「速い!というよりすべてがスムーズ。鋭い加速感はないけど必[…]
スマホ連携機能で魅力を増した、ボッシュ製ARASを備える最高峰ツアラー カワサキは「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルを11月1日に発売する。カラー&グラフィックの変更およびスマートフィンア[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
ゼファーとは真逆のコンセプトで独り勝ちを掴む! 1989年のカワサキZEPHYR(ゼファー)をきっかけに、カウルのないフォルムをネイキッドと呼ぶカテゴリーが瞬く間に人気となった。 続いて1991年に、[…]
- 1
- 2