![[新型ハーレー試乗インプレ] ローライダーST:高いスポーツ性能を発揮。トータルバランスも秀逸](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
創業1903年、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキーで誕生したハーレーダビッドソンは、2023年に120周年という大きな節目を乗り越え、新たなる時代へまた走り出している。今回リポートするのは、注目クルーザーモデルの「ローライダーST」だ。
●文/写真:ウィズハーレー編集部 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン
ワンクラス上のクルージング性能を持ちつつ、身のこなしが軽く高い運動性能を発揮!
「クルーザー」セグメントに属するハーレーダビッドソンの各モデルには、「グランドアメリカンツーリング」と同じミルウォーキーエイトエンジンが積まれている。2018年式でそれまでのソフテイルとダイナファミリーを統合し、軽量/高剛性なシャーシを手に入れた「クルーザー」シリーズは、大排気量車らしい落ち着いた安定性能の中で、高いスポーツ性能を発揮し、トータルバランスに優れると、ファンらの間でひときわ評価が高い。
単純に考えれば「グランドアメリカンツーリング」の強力な心臓部のまま、車体を軽くしているのだから、その運動性能は秀逸であるに決まっている。想像するだけでワクワクしてならない。人気も頷ける。
ミドルレンジともいえるが、最上級クラスと見紛うほどの迫力を持ち、脚光を浴びているのが「ローライダーST」だ。
まず目を奪われるのが、フロントエンドに備わる迫力のあるフェアリングだ。これはクラブスタイルと呼ばれる本場アメリカ・ウエストコーストで発祥したカスタムシーンにおいて、ハイスピードクルージングもいともたやすいと主張するかの如き、大胆不敵な堂々たるスタイルで引っ張りだことなった。
トレンドに敏感なライダーらがこぞって取り付けるシンボルとなっているが、そのルーツは1983年のFXRTスポーツグライドにまで遡ることができる。
当時、丸みを帯びた“頭でっかち”なシルエットは、大きな人気を呼ぶことはなかったものの、昨今の盛り上がりを受けて、H-Dのデザインチームはこれをモダンなスタイルに再構築。エッジの効いた洗練されたシルエットに生まれ変わりながらも、RTカウルをオマージュしたことがわかる新スタイルとなっている。
ルックスに負けないほど、走りも力強い。冒頭で述べた通り、心臓部は1923ccもの排気量を持つ1クラス上に用意されたパワフルなモーターであり、最高出力105PS/最大トルク168Nmを発揮する。
ウインドプロテクション効果の高い大型フェアリングに守られての高速巡航は余裕を感じさせるもので、オートクルーズコントロールといった「グランドアメリカンツーリング」譲りの装備まであり、「高速道路を使ったロングライドを存分に楽しみたまえ」という開発/設計陣からの意図も感じられる。
実際、カウルだけでなく、リヤまわりには積載力のあるハードサドルケースが標準装備。ここにレインウェアを放り込み、気負わず旅に出ることができる。ただし、スピードクルーザーと呼ばれる所以は、機能や快適性に優れるばかりではない。ハンドリングが軽快で旋回力が高い。身のこなしが軽いのだ!
見た目ではヘヴィに感じるフロントエンドだが、フェアリングはヘッドライトを含めてステアリング機構に一切干渉せず、車体のフレーム側にマウントされている。つまり、ハンドリングへの影響はなく、軽快なステアリングフィールを生み出す。トップクランプに埋め込まれた小型ディスプレイのメーターをはじめ、制動力とコントロール性を高い次元で両立するダブルディスクブレーキやスポーツ走行に専念できるソロシートなど、走りを重視していることがわかる。
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