
フルスロットルで駆け抜けたフォーティエイトは、なにも変わっていないように見えて、じつは少しずつ進化してきたスポーツスター。2011年式でデビューしたフォーティエイトだけを見ても、こうして振り返れば、刷新された部分が意外と多いことがわかる。その流れがわかれば、スポーツスター高年式車の移り変わりもおのずと把握できるぞ!
●文:ウィズハーレー編集部 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン
- 1 モデルS:元祖フォーティエイトタンク!!
- 2 2011 XL1200X フォーティエイト:初代はスポーツスター
- 3 2012 XL1200X:タンクロゴ変更
- 4 2013 XL1200X:ハードキャンディー登場
- 5 2014 XL1200X:スポーツスター全車で電装系やブレーキを刷新
- 6 2016 XL1200X:フロントフォークが太くなり、ホイールはキャストへ
- 7 2018 XL1200X ANV.:115周年記念モデルも登場
- 8 2018 XL1200XS:唯一のバリエーションモデル
- 9 2023 XL1200X フォーティエイトファイナルエディション:最後の空冷スポ
- 10 正統派スポーツスターを継承する“アイアン”も人気絶大!
- 11 安心と安全、多くのメリットがあるハーレーダビッドソン認定中古車
モデルS:元祖フォーティエイトタンク!!
フォーティエイトタンクとも呼ばれる小振りな燃料タンク。そのルーツは1948年の「モデルS」に由来する。2ストロークエンジンで排気量は125cc。写真を見て分かる通り、その原型が備わっているではないか。“48″は車名にもなって、小さなタンクはフォーティエイトの顔となった。容量7.9リットルのタンクは航続可能距離が短く、ツーリングに出かければガソリンスタンドでの給油回数が増えてしまうのは仕方がないところだが、オーナーたちはそのシルエットに魅了されてやまない。
2011 XL1200X フォーティエイト:初代はスポーツスター
2010年の夏に発表され、2011年式のラインナップとして登場した初代。スポーツスターがラージタンク化されていく中、原点回帰とも言える2.2ガロンスモールタンクを備えていたからファンは歓喜した。アンダーマウントミラーやクロススポークホイールにセットしたファットタイヤなど独創的な装備で、唯一無二のスタイルを確立。大ヒットモデルとなっていく。
【初代のみ“Sportster”ロゴ】「Sportster」と初代ではロゴが入ったフォーティエイトタンクだったが、翌2012年式では「FORTYEIGHT」のロゴに変更されている。
スモールタンクはスポーツスターの伝統でもあった。フォーティエイトでは1948年から続くタンクのシルエットを再現しつつ、「Sportster」のロゴも復活している。
2012 XL1200X:タンクロゴ変更
タンクロゴが「FORTY-EIGHT」となり、車体色は写真のHDオレンジのほか、ビッグブルーパール/クロームイエロー/ビビッドブラック。MT90B16だったフロントタイヤは、互換性のある130/90B16となっている。
2013 XL1200X:ハードキャンディー登場
ブラックベースコートに7回以上メタルフレークを吹きつけ、何層にもクリアコートを施し、ハンドサンディングを経て仕上げた珠玉のペイント「ハードキャンディーカスタム」を車体色に採用。コロマゴールドフレークが設定されたほか、ビッグブルーパール/エンバーレッドサングロ/ビビッドブラックも選べた。
2014 XL1200X:スポーツスター全車で電装系やブレーキを刷新
見た目こそ大きな違いはないものの、2014年式はスポーツスター全車で変更点が多い。ビッグツイン同様、車載コンピュータとの接続にCANBUS(キャンバス)が使われ、メーターディスプレイにギヤポジションやエンジン回転数が表示されるようになったほか、バッテリーの搭載も従来と反対向きになるなど改善。電気系統を刷新したことでオイルタンクも変更された。マフラーは連結管がなくなり、エキゾーストパイプも形状変更。O2センサーの小型化などで、マフラーは2004-2013年と2014年以降で互換性がなく、注意が必要。また、グリップまわりもハウジングやレバーを刷新し、マスターシリンダーはオールアルミの新作に。パッセンジャーのフットペグマウントも変更。前輪ブレーキディスクは292→300mmに拡大され、キャリパーピストンも25→34mmとなり、リアキャリパーは片押し式1ピストンを対向式2ピストンにグレードアップされた。
2016 XL1200X:フロントフォークが太くなり、ホイールはキャストへ
他のスポーツスターと同じインナーチューブ径39mmの細いフロントフォークは2015年式まで。2016年式からABSが採用され、クロススポーク仕様だったホイールをキャスト化し、49mのダイナ用フォークを装着。フロントエンドの迫力をいっそう増した。オーバル形状だったエアクリーナーケースはラウンド型となり、スリット入りのマフラーヒートガードでブラックマフラーを強調している。リヤサスペンションもプレミアムライドエマルジョンショックへグレードアップした。タンクグラフィックはストライプデザインとなり、バー&シールドのタンクエンブレムが採用される。
2018 XL1200X ANV.:115周年記念モデルも登場
2017年式からリヤスプロケットがUS仕様に。H-D創業115周年を迎え、2018年式ではレジェンドブルーデニムのアニバーサリーエディションも発売。2019年式ではフレーク系がなくなり、トーンを抑えた落ち着いたカラーバリエーションとなった。タンクエンブレムも外され、再びペイントに。
2018 XL1200XS:唯一のバリエーションモデル
2018年のレイトモデルとして「スペシャル」がラインナップに加わる。トールボーイバーを備え、タンクにはショベルヘッド時代をイメージしたレインボーストライプがあしらわれた。エンジンはロッカーカバーがブラックアウトされ、腰下をクローム仕様となるなどコントラストを演出。1200Xにはあるマフラーヒートガードのスリット加工やホイールの切削加工が、Sでは施されていない。2021年式まで存在した。
2023 XL1200X フォーティエイトファイナルエディション:最後の空冷スポ
2021年式でキーレスイグニッションに進化。翌22年12月にファイナルエディションが1300台限定で発売され、即完売に。ヴィンテージムードあふれるボバーソロサドルシート/ノスタルジックな樽型ハンドグリップ/ラウンド型のエアクリーナーケース/クラシックタイマーカバーを標準装備。
車両右側のサイドカバーには、シリアルナンバー入りの専用デカールも配された。
正統派スポーツスターを継承する“アイアン”も人気絶大!
フォーティエイトとともに、晩年までラインナップされたアイアン1200/883も中古車市場で人気が高い。フロント19/リア16インチの足回りはスポーツスターらしいトラディショナルな装いで、これぞスタンダードと言える普遍的なフォルムが目を惹く。
XL883N アイアン883:履き込んだデニムのように汚れがそのまま味わいになる
その排気量から“パパサン”と親しまれた伝統の系譜。全身をブラックアウトしたダークカスタムが施され、デビューしたのは2009年、2010年式からラインナップされた。足つき性を考慮し、前後サスペンションをローダウン。低く身構えるとともに、フォークブーツを備えるなどし、新潮流だったネオレトロなテイストをいち早く盛り込んでいた。写真は2016年式で、タックロールのソロシートやラウンド型のエアクリーナーなどを備える。9本スポークのキャストホイールではアルミ地を見せて、黒とのコンストラクトで際立たせている。
XL1200NS アイアン1200:’70年代AMFレインボーカラーのタンクグラフィックスに魅了される
目を惹くのはカラフルなタンクグラフィックス。1970年代AMF時代のハーレーに用いられたデザインで、当時は7つの色遣いだったことからレインボーカラーとも呼ばれ、いまなおファン垂涎モノのグラフィックだ。ヘッドライトにはビキニカウルをセット。車体色にかかわらず黒とし、精悍なフロントマスクを演出している。ブラックアウトした空冷Vツインは、プッシュロッドカバーだけをクロームで仕上げ、伝統的なOHVエンジンであることを強調するかのよう。表皮をダイヤ目状で仕上げたソロシートも’70年代風となっている。写真は2018年式。
安心と安全、多くのメリットがあるハーレーダビッドソン認定中古車
ハーレーダビッドソン認定中古車は、初年度登録から7年以内、走行距離7万km 未満の中古車のうち、HDJが定める厳格な点検と整備基準をクリアした車両のみを厳選。安心と安全はもちろん、認定中古車だからできる多くのメリットが用意されている。スポーツスターに限らず、ハーレーの中古車を購入するならオススメだ!
【4つのメリット!!】
- 1年間の車両保証
- 1年間のロードアシスタンス
- 認定テクニシャンによる厳格な点検/整備
- H.O.G.(ハーレーオーナーズグループ)初年度会費無料
世界初の認定中古車店 H-D Certified Saitama 大塚秀樹ショップマネージャー
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
貴重なパンショベルを搭載したオールドスクールボバー パンヘッドモーターからショベルヘッドへの移行期に存在した、通称パンショベルとも呼ばれるエンジンが搭載されたカスタムバイク。そのエンジン内容は、基本的[…]
「ゼロスヘルメットジェット2」へと進化 2012年に登場して以来、多くの支持を得ている「ゼロスヘルメット」。国内で最初期に登場したインナーバイザー付きヘルメットとして話題になり、快適で使い勝手も良いジ[…]
ハーレーダビッドソンサーティファイド埼玉ってどんなお店? 初年度登録から7年以内、走行距離7万km未満の中古車のうち、ハーレーダビッドソンジャパンが定める厳格な点検と整備基準をクリアしたH-D認定中古[…]
使い勝手が劇的に向上! 友人ら複数人でのツーリングで重宝するのは当然だが、スマートフォンのナビアプリの音声案内やお気に入りの音楽を聴きながらツーリングをするのが以前に比べ一般的になり、インカムの需要が[…]
外装&ホイールはカーボン! 倒立フォークほか足回り徹底武装!! バガーレースに即参戦できそうな完成度の高さだ! サイドスタンドを払った途端にわかるのは、ロードグライドスペシャルの車体がこれまで[…]
最新の関連記事(新型クルーザー)
ブランド名は「南北戦争」に由来 1991年、成功を収めた弁護士、マシュー・チェンバースが興したバイクメーカー、コンフェデレート。 和訳すると「南軍」を意味する社名は、創業地がルイジアナ州バトンルージュ[…]
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
Honda Rebel 500(2020) 大人気モデルへと成長したレブル250と同じスタイリング&ボディサイズでありながら、約2倍の排気量となる471ccの直列2気筒エンジンを搭載したレブルシリーズ[…]
ニューカラーをまとった2026年最新トラをチェック プレミアム志向の輸入ブランドとしても、国内でも地位を確立した感のあるトライアンフ。その2026年モデルが、ニューカラーをまとって出そろった。 話題の[…]
7月上旬発売:ヒョースン「GV125Xロードスター」 ヒョースンモーター・ジャパンから、原付二種クラスに新型クルーザー「GV125Xロードスター」が投入される。発売は2025年7月上旬から日本国内向け[…]
人気記事ランキング(全体)
ミルウォーキーエイト117に3タイプのエンジン登場! ハーレーダビッドソンの現行クルーザーモデルには、シリンダーヘッド/スロットルボディ/インテークマニホールドを刷新した3タイプのミルウォーキーエイト[…]
ブランド名は「南北戦争」に由来 1991年、成功を収めた弁護士、マシュー・チェンバースが興したバイクメーカー、コンフェデレート。 和訳すると「南軍」を意味する社名は、創業地がルイジアナ州バトンルージュ[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
「ワインディングの覇者を目指すならCB-1」のキャッチコピーだったら評価は変わった!? カウルを装着したレーサーレプリカが出現する以前、1970年代までのスーパースポーツはカウルのないフォルムが一般的[…]
最新の投稿記事(全体)
夏ライダーの悩みを解決する水冷システム 酷暑の中、ヘルメットやライディングウェアを身につけて走るライダーにとって、夏のツーリングはまさに過酷のひとこと。発汗や走行風による自然な冷却だけでは追いつかない[…]
コスパも高い! 新型「CUV e:」が“シティコミューターの新常識”になる可能性 最初にぶっちゃけて言わせてもらうと、筆者(北岡)は“EV”全般に対して懐疑的なところがある者です。カーボンニュートラル[…]
ホンダCB1000Fコンセプト、カワサキZ900RSへの「負けん気」を胸に登場か? 鈴鹿8耐でデモ走行を披露したホンダの「CB1000Fコンセプト」は、生産終了したCB1300シリーズの後継として期待[…]
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
- 1
- 2