どんなに時間が経とうが、その輝きを失わないものがある。モーターサイクルに対する確固たる信念と溢れる情熱でつくられたハーレーダビッドソンもそのひとつだ。アメリカの工業製品が高性能と洗練されたデザインで世界を席捲した1930〜60年代に生産されたモデルは、旧き佳き時代の象徴として人々を魅了してやまない。大阪のセンバモータースに保管されている貴重なコレクションの一部を、今回から6回にわたって紹介する。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:藤村のぞみ ●外部リンク:センバモータース
FHBレーサー:オリーブグリーンに彩られたツインカムファクトリーレーサー
100年近くも前のマシンであっても、勝つことだけを目指してつくられたレーシングマシンには、無駄のない均整の取れた美しさがある。ライトなど保安部品はなく、装備は最小限。小さなタンクとフェンダー、短いエキゾーストパイプが備わり、すぐに各部へメカニックの手が届くよう極力シンプルにつくられている。
闘うためのマシンであっても、メーカーの威厳やプライドをかけ、1917年からは美しくオリーブゴールドのペイントが施された。デザインという芸術と機械工学の融合によって、極めて機能的なフォルムが生み出されている。
1928年のファクトリーレーサーFHBは、オホッツバルブをツインカム化している。Fヘッドとも呼ばれるオホッツバルブは、吸気側をプッシュロッドをむき出しにしたOHVにし、排気側はサイドバルブとしたもの。翌1929年に4カムフラットヘッドのDLが発売されるが、それまでオホッツバルブはハーレーの主力エンジンであった。
前後シリンダーにそれぞれカムを持ち高効率化を図ったのが、ファクトリーレーサーであるFHB。そんな純レーサーが海を渡って日本にやってきて、関西を中心にバイクレースに参加していたのだ。
当時、日本のオートバイのレースは関西が盛んで、大正期には最高10万人の観客が押し寄せ“二輪の聖地”といわれ全盛期を迎えた阪神鳴尾競馬場。そのオーバルコースで九州出身のプロレーサー・島村一真氏が走らせたのだった。その車両はH-D社のレースメカニックが父のジョージ氏によって米国に持ち帰られたが、長い年月を経ていま再び日本の、今度はヴィンテージハーレーの聖地に置かれている。
排気量811cc、サイドバルブ前の主力!
※本記事は“ウィズハーレー”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
’22 ハーレーダビッドソンFXLRSローライダーS ローライダーS試乗インプレ:圧倒的パフォーマンスですべてを置き去りにする快感 立ち上がりの加速では駆動輪にしっかりとトラクションが掛かり、右手と直[…]
西日本最大のカスタムショー「神戸ニューオーダーチョッパーショー」 有力カスタムビルダーたちによって製作された珠玉のチョッパー/カスタムバイクがところ狭しと並ぶイベント「神戸ニューオーダーチョッパーショ[…]
純正パーツとスタイルを活かしつつスタイリッシュにグレードアップ! トライジャ(TRIJYA)が、スポーツスターSの純正ノーマルパーツを活かしたカスタムパーツを次々に開発し、リリースしている。マッシブな[…]
アイアン1200も気に入っていましたが、フォーティーエイトファイナルエディションはもっとステキ! 「欲しかったので、本当に嬉しいです! これまでアイアン1200に乗っていましたが、乗り換えることにしま[…]
ナイトスター用パーツが続々登場! ブラックを基調としたデザインと、レースシーンで培ったパフォーマンスを併せ持つレーシングブロス(RACING BROS)のサスペンション。トランプは正規総輸入元であるレ[…]
人気記事ランキング(全体)
第1位:X-Fifteen[SHOEI] 2024年10月時点での1位は、SHOEIのスポーツモデル「X-Fifteen」。東雲店ではスポーツモデルが人気とのことで「とにかく一番いいモデルが欲しい」と[…]
トライクは転ぶ? 素朴な疑問 二輪(バイク)に乗っている方や、四輪(クルマ)に乗っている方から聞かれる質問のひとつが、「トライクって転倒しないの?」というものです。 トライクには3つのタイヤがあり、二[…]
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで新型PCX125(日本名:PCX)を発表した。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになったPCX125だが、日本でも原[…]
第1位:MFK-293 ミニフィールドシートバッグEX [TANAX] 本山さん曰く「シートバッグは小/中/大/特大の4つのサイズに分けられますが、中でも容量19〜27Lの小サイズが人気」とのこと。そ[…]
【第1位】ホンダ モンキー125:49票 チャンピオンに輝いたのは、現代に蘇ったホンダのかわいい”おサルさん”です! 初代は遊園地用のファンバイクとして、1961年に誕生しました。以来長く愛され、20[…]
最新の記事
- 「前時代的? な気合とド根性が現代のMotoGPをさらなる高次元へ」【ノブ青木の上毛グランプリ新聞 Vol.19】
- ミドルクラスの究極ドゥカティ!? 2025新型パニガーレV2/ストリートファイターV2登場
- [2024秋] いま売れ筋のバイクヘルメットTOP5【大型販売店で聞いてみた】1位はSHOEIのフラッグシップ
- 【限定3台】鈴鹿8耐 表彰台マシンのレプリカ「YZF-R1」をYARTが発表!!
- ヤマハが仏電動二輪メーカー「エレクトリックモーション」へ出資
- 1
- 2