![[バイクライテクQ&A] 半クラッチ発進を毎回同じようにスムーズに行うコツ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/rh-clutch.jpg)
●文:根本健(ライドハイ編集部) ●写真:藤原らんか
じつはベテランも毎回同じにできていない
半クラッチはブレーキやギヤチェンジに次いでリクエストの多い課題。その半クラ発進、じつはベテランでもその都度少し違ったクラッチミートになっていて、毎回ピッタリ同じにできないのだ。その理由をクラッチの構造から説明していくと…。
クラッチはエンジンのシリンダーやクランクシャフトのすぐ後ろ、写真の赤い○で囲んだ膨らみがそれだ。
この丸い膨らみの内側には、ご覧のように薄くて細い円盤状で、コルクのような表面で外にツメがでているプレートと、スチールの円盤で内側にギザギザが刻んであるプレートとが、交互に組み込んであるユニットがある。これがクラッチの正体で、コルクに似た材質が貼ってるのがフリクションプレート、スチールのほうをクラッチプレートと呼んでいる。
外のツメと内側のギザギザが、エンジンからの駆動を受けている外側と、ミッションからドライブスプロケットへ繋がっている内側のカウンターシャフトとで、密着したり離れたりでエンジン駆動を切ったり繋いだりする仕組みだ。
これが実際にどんな動きで半クラッチになるのか、イラストの略図をご覧いただこう。見やすくするため、フリクションプレート3枚/クラッチプレート2枚の構造で描いたが、実際には写真にあるようにフリクションプレート9枚/クラッチプレート8枚ともっと多い。
このフリクションとクラッチの両プレートが、スプリングで圧着しているのを、クラッチレバーの操作でお互いが離れれば駆動が繋がらない、つまりクラッチを切った状態で、クラッチレバーを少し引いた位置のお互いの密着が弱くなり、徐々に滑るのが半クラッチと呼ばれる状態だ。
そしてややこしいのが、勢いよく半クラしたとき。お互いが滑って摩擦熱を生じるため、両方のプレートが熱膨張、つまり隙間というより圧着度合いがいきなり変わり、食いついてすぐ繋がった状態になってしまうため、半クラッチ状態が維持できない。ピョコンとフロントが持ち上がったり、エンジン回転がいきなり落ちたりと、スムーズを欠く状態に陥る。
レースライダーはこの膨張するのに合わせてクラッチレバーをわずかに引く調整をして、安定した半クラッチ状態をつくったりするが、これも膨張率が安定しにくいため、なかなか一定にはできない。
ということで、バリバリのキャリアでも、ゆっくり穏やかに発進するときは問題なくても、ちょっと頑張ろうとすると失敗する確立が高くなる、というわけだ。
探りながらレバー操作せず、繋がる半クラ位置だけを使う。そのレバー位置をアジャストしておくのが大事
そうしたムズカシイ操作はともかく、通常の発進では熱膨張もわずかなので、安定した半クラ発進が可能だ。
ただ、なんとなくクラッチレバーを操作するのでは、毎回どこで繋がるか変わってしまう。そうならないように、クラッチレバーのストローク位置と、機能との関係をあらかじめ確認して感覚を掴んでおくのが不可欠だ。
ここでビギナーがやりがちなのが……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
カウル付きとネイキッドの2本立てをやめタウンユースのイメージへ! ホンダが1982年5月にリリースしたVT250F。瞬く間に10万台を突破する爆発的な売れ行きで、街中に溢れ返っていた。 その2年後に4[…]
アメリカはバイクをクルマに積んでレジャーに出かけるカルチャーに用途を絞った! ホンダは1959年にアメリカはロスアンジェルスに現地法人を設立、前年に完成したスーパーカブやドリーム(305cc、250c[…]
ピーキーに力強くより、先がイメージできる変化率、欲しいのはアテにできるトラクションの過渡特性! 私、ネモケンが1975~1978年に世界GP転戦したとき、親しかったバリー・シーン(Barry Shee[…]
世界で無敵のRVFワークスマシンを市販するプロジェクトに挑戦! 1987年の秋、ホンダはバイク雑誌に、車輌画像のないカードのみの謎めいた広告を掲載した。 日本国内に限定1,000台で148万円、その抽[…]
唯一の2気筒、GPマシン譲りの高回転高出力! ヤマハは1965年、90ccに何と2気筒エンジンを搭載したAT90をリリース。 このまさかの2気筒投入に他メーカーからの追随はないままに過ぎていった。 3[…]
最新の関連記事(ライディングテクニック)
ピーキーに力強くより、先がイメージできる変化率、欲しいのはアテにできるトラクションの過渡特性! 私、ネモケンが1975~1978年に世界GP転戦したとき、親しかったバリー・シーン(Barry Shee[…]
シリーズ第12回は最終回特別応用偏! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本として白バイ流の[…]
シリーズ第11回はクイーンスターズ・スペシャルQ&A! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
シリーズ第10回は『クイーンスターズ』に学ぶ「取り回し」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転[…]
シリーズ第9回は『クイーンスターズ』と一緒に「引き起こし」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
最新の関連記事(Q&A)
Q:雪道や凍結路は通れるの? チェーンやスタッドレスってある?? 一部の冒険好きバイク乗りと雪国の職業ライダー以外にはあまり知られていないが、バイク用のスノーチェーンやスタッドレスタイヤもある。 スタ[…]
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
オートバイって何語? バイクは二輪車全般を指す? 日本で自動二輪を指す言葉として使われるのは、「オートバイ」「バイク」「モーターサイクル」といったものがあり、少し堅い言い方なら「二輪車」もあるだろうか[…]
バイク エンジン かからない原因を症状別に解説 さあ、ツーリングに出かけよう! 荷物をシートにくくりつけ、ヘルメットとグローブを装着してキーをシリンダーに差し、セルスイッチをプッシュ……え、エンジンが[…]
人気記事ランキング(全体)
ネズミに齧られ……てはいなかった(ホッ) 「いい匂い……」 「安全第一で組み立てるぞ」 1982年に製造され、それから40年にもわたって箱入りのままになっていた新車のFT500を買ってきたのは、おなじ[…]
第1位:ワークマン「ペルチェベストPRO2」 猛暑を戦うライダーの救世主となったのが、ワークマンの「アイス×ヒーターペルチェベストPRO2」だ。最新の3代目モデルではペルチェデバイスが5個に増強され、[…]
戦国武将なみの知略でフォードV8をゲット パンテーラが発売された1971年、実はフォードがデ・トマソの株式を84%も買い取っていました。これは敵対的買収とはいささか違い、創業者のアレハンドロ・デ・トマ[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
最新の投稿記事(全体)
雨でもクリアな映像 本製品最大の特徴は、雨粒がレンズに”居座らない”こと。未施工状態では水滴が付着し、ドラレコなどの映像がぼやけがちだが、施工後は水滴が広がって流れ落ち、雨天でもクリアな映像を維持でき[…]
進化が止まらない! 核となる「TRシリーズ」エンジンの実力 トライアンフの400ccラインナップを支えるのは、一から設計された「TRシリーズ」エンジンだ。この398ccの水冷単気筒DOHC4バルブエン[…]
創始者のカルロ・グッツィが愛情を注ぎこんだエンジン そもそも、モトグッツィの創業は1920年に試作モデル「G.P.」を作り上げたタイミングまで遡れます。初手から「メトロノームのように正確なエンジン」と[…]
日本人MotoGPライダーとして活躍中のMoto2チャンピオン・小椋藍選手によるトークショー&サイン会が2026年1月12日に開催される。 午前と午後では異なる会場での開催だ。まず10時~12時はナッ[…]
1位:【SCOOP!】逆襲のスズキ、MotoGP復帰の可能性 スズキが2027年のレギュレーション改定に合わせ、850ccでMotoGPへ復帰するとの衝撃スクープだ。生産終了したGSX-R1000/R[…]
- 1
- 2



![クラッチ|[バイクライテクQ&A] 半クラッチ発進を毎回同じようにスムーズに行うコツ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/ride-knowledge_164_01-768x432.jpg)
![クラッチ|[バイクライテクQ&A] 半クラッチ発進を毎回同じようにスムーズに行うコツ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/ride-knowledge_164_02-768x432.jpg)
![クラッチ|フリクションプレート/クラッチプレート|[バイクライテクQ&A] 半クラッチ発進を毎回同じようにスムーズに行うコツ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/ride-knowledge_164_03-768x432.jpg)
![クラッチの動き|[バイクライテクQ&A] 半クラッチ発進を毎回同じようにスムーズに行うコツ](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/ride-knowledge_164_04-768x432.jpg)






































