●文:ライドハイ編集部(根本健)
1997年、TL1000SでVツインスーパースポーツ始動。続いて1998年に国内向け400Vツインがデビュー!
1990年代、直列4気筒V型4気筒と、ビッグバイクでは4気筒がメジャーだった日本メーカーも、1996年にホンダがVTR1000Fを発表、次いでスズキも翌1997年にVツインの1000ccスーパースポーツ「TL1000S」を投入した。
スズキはさらに1998年、中型400ccクラスにも、DOHC90°のVツイン「SV400」と、ハーフカウルの「SV400S」を発売。
ただ国内向け400ccマーケットは、4気筒ネイキッドが圧倒的な人気で、Vツインにはあまり関心を示さないままで、SV400もSも鳴かず飛ばず状態が続いた。
しかしスズキは、このDOHCの90°Vツインがヨーロッパのミドルクラスで主流となると睨んでいて、1999年には排気量も650ccとして、ネイキッドとハーフカウルの2タイプを輸出と国内の両方へ投入したのだ。
当初は日本製Vツインへのイメージが弱かったせいか、需要の多いこのクラスでも話題になりにくかったが、乾燥で165kgしかない軽量さと、スリムなVツインと絶妙なアライメント設定による秀逸なハンドリングの評価が広まるにつれ、「SV650」はスズキの主要機種への成長を遂げていくのだった。
気筒あたり2本の点火プラグを採用。低回転域の発進時に回転上昇など熟成を重ねていく
ボア81mm×ストローク62.6mmのVツインは、デビュー時は70ps/8500rpm/62Nm/7000rpm。各気筒の点火プラグを2本ずつ配した設計で、ツインの瞬発力を感じさせるレスポンスと、扱いやすくコーナーでのトラクションを楽しめるトルキーなエンジン特性を目指していた。
徐々に人気も出てきたが、2003年にVツインのSV1000とSとのデザインと共通化することで、SVシリーズとしてのラインナップ化が図られた。
しかしヨーロッパでは、ミドルクラスはビッグバイクとは用途やオーナーのライフスタイルも異なり、カテゴリーとして区別されたコンセプトが好まれるという傾向を掴み、SV650はこれを機に独自の進化を遂げていくことになる……
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