![ヤマハSZR660[名車レビュー] 託されたスーパーシングルへの夢〈ネモケンのこのバイクに注目〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
●文:ライドハイ編集部(根本健)
イタリアヤマハで製造。日本国内向けモデルは存在しなかった!
ヤマハでシングルといえば、いわずもがなのSR400/500。この1978年以来のクラシカルな路線とは次元を異にしたSRX400/600を1985年に投入。シングル(単気筒)のスポーツといえばヤマハをイメージさせるほど、こだわりの人気機種を育んできた。
そのSRX400/600も、1990年に第2世代が誕生、まさにスーパースポーツといえる高いレベルの新しいシャーシや足まわりだったが、ファンは初代の2本サスペンションを好み、ハイパフォーマンスなイメージはふさわしくないといった価値観に落ち着いた経緯があった。
が、この後にSRX第2世代が目指したスーパーシングル「SZR660」を、ヤマハは1995年に投入したのだ。ただし日本国内向けではなく、イタリアで生産され、わずかに逆輸入車として日本上陸も果たしたが、ほぼ多くのファンはその存在すら知らなかった。
サウンドオブシングルの流行りで、スーパーモノ気運高まる
1990年代、ヨーロッパやアメリカでも、シングル(単気筒)だけで競うSOS(Sound Of Singles/サウンドオブシングル)が一躍人気となった。
ヨーロッパ選手権までエスカレートして、ビモータは1993年にBMWのF650単気筒を搭載したBB-1を発表。ドゥカティも市販レーサーのスーパーモノを投入するほど熱気を帯びていた。
そんな海外でのスーパーモノ(シングル)市場に、実はヤマハも参入していたのだ。仕掛け人はイタリアのベルガルダ(ヤマハの輸入元)で、生産もイタリア。
エンジンはXTZ660テネレ用(ボア×ストローク100×84mm)をベースにチューン。660cc水冷SOHCはヤマハらしく5バルブ単気筒で、1990年にモデルチェンジした2世代目のSRX600と同じく、オイルタンクをエンジン前方の左下へマウントするレイアウトだった……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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