●記事提供: ライドハイ編集部
サーキットの闇を切り裂く2眼ヘッドライト
ヘッドライトは「バイクの顔」としてイメージの重要な部分を占める。現在は様々な形状のヘッドライトが存在するが、とくにフルカウルのスーパースポーツ系では、睨みを効かせる獣や猛禽類の様な「2眼ヘッドライト」が主流だ。近年はライトケースの中に複数の電球やLEDが内蔵される仕様も多く、厳密に言えば4灯や6灯タイプと呼ぶべきかもしれないが、いずれにしても「ふたつ目」がデザインのベースにあるのは間違いない。ちなみに大型カウルのツアラーや、ネイキッド車もストリートファイター系だと2眼ヘッドライトがメジャーだ。
いうまでもなく、まだカウルもついていない昔のバイクは、ほぼ全車がフロントフォークにヘッドライトケースが装着された単眼(1灯)。いったい、いつ頃から2眼がなぜ流行り出したのだろう?
そのヒントは「耐久レース」。ヨーロッパでは古くからロードレースの人気が高かったが、1970年代頃からナナハンなど大型バイクの台頭で耐久レースの人気も高まった。そして24時間耐久レース(ルマンやボルドールなど)では夜中も走り続けるため、耐久レーサーにはヘッドライトが装備されるようになった。
じつはサーキットの夜間照明は、想像するより明るくない。そこをレーシングスピードで駆け抜けるのだから、ライトはできるだけ明るい方が良い。とはいえライトを大型化するにも限度があるし、レーサーだから重くなるのは避けたい。そのため以前は遠くまで光が届く航空機の着陸灯(主脚に装備されているライト)をワークスマシンや有力チームが採用していた。こうして明るさと小径で軽量なライトを求めて辿り着いたのが「2眼ヘッドライト」というわけだ。
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