
●文/写真:モトツーリング編集部(カン吉)
九州の絶景が凝縮! 日本屈指、旅人の聖地だ!
この道路の名前は、だれもが一度は聞いた事があるに違いない、まさに日本を代表するキングオブ絶景道がこのやまなみハイウェイだ。
全長は約58km。大分・熊本両県の高原地帯を縦貫するこの道路は、交通面でも重要な幹線道路であると同時に、九州屈指の長大な絶景道として絶大な人気を誇っている。まさに九州旅の主目的とも言えるポイントでもあり、ライダーのみならず、徒歩/自転車旅といったあらゆる旅人の聖地とも言える道なのだ。
九州の高原地帯を縦貫しているという事は、まさに九州の絶景が凝縮した道と言っても過言でない。実は、先だって紹介した“湯布院日田往還道”も、やまなみハイウェイの区間に含まれており、このルートには実に多くのビューポイントが含まれている事が伺えるはず。
かつては有料道路だった区間もあり、全体的に幅広で良好な舗装と線形が特徴だ。その上、50kmを超すロングロードの為、非常に多彩なロケーションを楽しめる事も大きなポイントとなっている。
始点は別府港の目前。つまり、フェリーから降りれば、すぐにやまなみハイウェイの旅が始まる。注目すべきポイントを大きく分けると、(1)序盤の別府~湯布院区間の湯布院日田往還道。(2)中盤の九重高原を遠望する長者ヶ原。(3)ミルクロードと重複しつつ、阿蘇外輪山を超す終点付近の3つに分けられる。
(1)の湯布院日田往還道については関連記事を参照されたい。長者ヶ原界隈は、九重連山を望む草原地帯に一直線に伸びる道が印象的なルートだ。湯布院を過ぎ、本格的な高原ルートをしばらく走ると、前方に立ち塞がるように聳える雄大な九重連山が見えてくる。その山麓に広がる大草原が長者ヶ原だ。草原を山脈に向かって貫く一本道。この絵画のようなロケーションは、やまなみハイウェイで最も印象的なスポットと言っても過言でない。決してカメラの準備を抜かる事ないように注意しておきたい。
また、終盤の阿蘇外輪山周辺も絶対に見逃してはならない。ここは外輪山をトラバースするミルクロードと重複している区間だ。遮るものは皆無。阿蘇市街を見下ろす高層草原を疾走する爽快感抜群のルート。幅広で穏やかな線形ながら、北海道とは一味違う辛みの効いたテクニカルなルートに、バイクで来た事を心から感謝する事となるだろう。
阿蘇界隈は、平成28年熊本地震で多大な被害を受けた地域。しかし現在、やまなみハイウェイは全線開通。周辺全ての観光ルートが開通している訳ではないが、素晴らしい景色と感動は十分に堪能できる。この季節は凍結の心配も多少あるが、天候を確認しつつ、この絶景を一度味わいに行ってみよう。
外輪山周辺は高原の中を貫くワインディングを心ゆくまで堪能できる。観光客は多いが、信号は皆無で快走そのもの。阿蘇ならではの絶景ロードをぜひ楽しんで頂きたい。
阿蘇外輪山より市街を一望できるポイント、大観峰。阿蘇周辺で最も立ち寄っておきたいビューポイントの一つだ。夕暮れ時には感動的かつ幻想的な情景が見渡せる。こちらも現在は復旧済。ぜひ訪れておきたい。
通称“ラピュタの道”と呼ばれている阿蘇市道狩尾幹線は地震により崩落。現在は残念ながら通行は不可能になってしまった。この幻想的な絶景が、現在堪能できないのは大変残念だが、いつの日にか復旧する事を信じて在りし日の光景をUPしておきたい。
ラピュタの道全景。前述のようにこの道の通行は現在不可能だが、実はこの光景自体は現在も堪能可能。ミルクロードより展望可能な為、景色だけは見る事ができるぞ。
やまなみハイウェイ終点より先は阿蘇パノラマラインの絶景が待っている。少し足を伸ばし南へ下ると南側外輪山より市街一望の絶景が堪能できるぞ。
外輪山の草原の中で放牧される名産のあか牛。雄大な自然と絶景の中、牧歌的な雰囲気が旅情を盛り上げる一瞬だ。
【レストラン藤屋】最高級の和牛としても名高いあか牛は、生産地でも大変高価なグルメとして知られている。しかし、3000円程度と大変手頃な価格で本場のあか牛を頂けるのがここ。観光客より地元の方のほうが圧倒的に多い穴場店だ。●住所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地4718 ●電話:0967-22-0166
阿蘇界隈はライダーのみならず、全ての旅人達の聖地。いまでは少なくなってしまったが文化だが、すれ違いざまのピースサインには応じてあげると喜ばれるだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
プレゼントが当たるデジタルスタンプラリーを3月31日まで開催! 富士山麓のとある町で不思議な出来事が起こったり起こらなかったりする、地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー『ホットスポット』が、いよい[…]
KUSHITANI COFFEE BREAK TRAVEL HUNT クシタニより、ツーリングアプリ”RISER”を使ったチャレンジの第2弾として、全国の指定したスポットを巡ってスタンプを集めるイベン[…]
意外と多種多様な天気アプリ ライダーにとって天気は走行計画を左右する重要な要素。気持ちのいいツーリングも雨や強風で修行のような一日に早変わりしてしまう。ひとつは、天気予報アプリを手元のスマートフォンに[…]
仲間たちと語らう最高のひととき。ハーレー乗りでよかった 世界には1400以上のH.O.G.(ハーレーオーナーズグループ)チャプターがあり、ハーレーダビッドソン正規ディーラーがそれぞれを運営している。ハ[…]
当記事『ぶらり二輪散歩』は、『月刊モトチャンプ』誌(株式会社三栄)の連載エッセイです。今回、特別に許可をいただいてWEBヤングマシンに掲載しています。 海と空、南国の甘いかおり、夢にまでみた石垣島の風[…]
最新の関連記事(モトツーリング)
チェリーパークラインはピストン路 信州とは長野県のことである。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになった(他に甲州や武州などあり)。信州と言うと絶景道のビーナスライン[…]
まるで極楽浄土に迷い込んだような景色 例年は、9月ごろが見頃の埼玉県日高市の巾着田の曼珠沙華。2024年は暑さが長引いたせいか、10月前半が見頃とのことで、さっそく、日高市に向けてツーリングに出かけた[…]
市内の対象各店舗で割引やプレゼントが 魚沼市と福島県を結ぶ国道252号線・国道352号線は、風景の良さなどでライダーから好評価を集めている、国道だ。ほかにも、魚沼市には自然景観、グルメ、体験、温泉など[…]
2つのワイヤーシステムで足全体をホールド 足との一体感を構成し、足首まで保護してくれるハイカットシューズ。登山靴やレーシングブーツ、バスケットシューズなどに多いのも足首をしっかりホールドすることで靴の[…]
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
人気記事ランキング(全体)
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
2025年2月6日改訂 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)[…]
目指すはボンネビルの最高速度記録! 前回はエンジンブローで力尽きたが…… 2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初お披露目されたトリックスター「ZX-4ターボ」は、2024年11月に日本自動車[…]
放置車両にやってくるエンジン始動不良 久しぶりにバイクに乗ろうと思ったら、エンジンが始動しない…! セルを回しっぱなしにしてもエンジンに火が入る気配はなく、ガソリンタンクの中身をチェックしてもちゃんと[…]
ニンジャ400と同日発売のストリートファイター カワサキモータースジャパンは、Z250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したストリートファイター「Z400」の[…]
最新の投稿記事(全体)
ある日のこと。街をぶらぶら歩いていると路肩に駐車されている、YAMAHAドラッグスターを見つけました。「やっぱりアメリカンはかっこいいな」と足を止めて見ていたところ、そこに警察官が来て駐禁ステッカーを[…]
伝説の「ZODIAC MOTORCYCLE CLUB」が代官山に降臨! バイク漫画の金字塔『キリン』の著者・東本昌平が愛した「ZODIAC MOTORCYCLE CLUB」 。発足から50余年の軌跡の[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
マーヴェリックの愛機「カワサキGPZ900R」劇中車を振り返る 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ90[…]
スペシャルカラーは受注期間限定 2018年にフルモデルチェンジを受けてフレームもエンジンも刷新、走りと質感がともにワンランクアップし、通勤快足などさまざまなシーンで多くのライダーの支持を集めた、ホンダ[…]
- 1
- 2