![](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
●文/写真:モトツーリング編集部(カン吉)
天空を駆ける道、ここより上はもう空しか存在しない
急峻な四国山脈をその背骨とする四国地方は日本屈指の山国だ。その為、展望風景は果てしなく続く山岳様相が特徴的だ。しかし、唯一の例外がここ四国カルストである。
突き抜けんばかりの大展望の中、眼下には石灰岩の石塔原。ここが大山脈の頂上である事を忘れてしまう程の絶景草原が山稜一面に広がる。
標高は約1400m。真夏でも涼しさを感じる天空の楽園を縦断する1本道が、この四国カルスト公園縦断線だ。
まさに天空を駆ける道。ここより上はもう空しか存在しない。稜線上に伸びる縦断路は、一寸前の永遠に続くかと思われる狭い連続タイトコーナーとは対照的だ。
大空へ飛び出すかのようにアップダウンを繰り返しつつ、バイクにとって最も気持ちの良い緩やかな線形を描く。如何なる犠牲を払って訪れても、生涯忘れない光景になる事は間違いない。見る物全てが圧倒的。四国ツーリングでは絶対に走りたいツアラー垂涎の道なのだ。
現在、日本3大カルスト地形として知られている場所ではあるが、観光地感・秘境感・達成感・混雑度… どれを取ってみても他の地域とは明らかに別格だ。
「風になる為にここへ来た…」
明らかにクサすぎる台詞だが、ここではその表現ですらかなり控えめな表現になってしまうだろう。
ここへまだ訪れた経験がない旅人達に一言。それは「この景色を直に見た事がないのは大変な不幸である」という事だ。
石灰岩の石塔原の向こうは果てしなく続く大山脈。四国カルストは山脈の頂上に位置しており、道路上からも四国山脈を一望できる。日差しは強いが標高が高く湿度は控えめ。真夏でも涼しさを感じる為、避暑地として訪れる方も多い。しかし、遮るものが一切無く、強風時は非常に危険。天候を良く確認し細心の注意を払って訪れて頂きたい。
姫鶴荘:四国カルストの山頂レストハウス
【姫鶴荘】地域一帯は高知県と愛媛県に跨っている。頂上のレストハウス敷地内も県境にあり、同じ施設内でも場所によって県が分かれてしまう珍しいスポットだ。ちなみに、レストハウス本館は愛媛県内にあり、住所的には一応(?)愛媛県。周囲には飲食可能な施設が皆無の為、貴重な休憩/宿泊場所となる。●所在地:愛媛県上浮穴郡久万高原町中津7027番地2 ●電話番号:0892-54-2518
古来の道路線形を楽しめるのも四国ならでは
四国カルスト西側、国道440号線は、現在「地芳道路」と呼ばれる高規格道路が開通しているが、東部方面へは九十九折れの酷道が殆どだ。時間の割に距離は伸びず、事故のリスクも高めだが、古来よりの道路線形を楽しめる四国ならではの道とも言える。
トンネルで一気に通過するのも良いが、古来より舗装が加えられたのみの古道に想いを馳せながらのんびりと走るのも、また楽しい。
梼原橋
四国カルストの麓に位置する高岡郡梼原町。最先端の木材加工技術と豊富な森林資源を生かし地元では“木橋の里”として知られている。これは全国でもレアな木製のアーチ橋。しかも観光名所ではなく幹線道路の重要な橋梁。何と、トラックをも余裕で支える強度を持った木橋なのだ。
当然、バイクでの通行も可能。これは必見だぞ!
御幸橋
梼原町内にある三島神社の参道に掛けられた人道橋。梼原町産材を多用した珍しい屋根付き橋で、この橋を目当てに訪れる観光客も多い。しかし、意外と知られていないのが、国内でも激レアな木製トラス橋である事。
当然、バイクでの通行も可能。これは必見だぞ!
【瓶ヶ森林道】四国最高所の絶景トラバースルート
え!? 林道っスか? そんな声も聞こえてきそうだが、ご安心あれ。 総延約27kmの山岳林道だが、全線完全舗装されておりビッグツアラーでも安心して通行可能だ。しかし、四国路をナメてはいけない。山頂付近までは狭路&連続コーナーの見本市状態。落石も多く、路面をしっかり確認しながらのライディングが必須だ。初心者ツアラーにとっては試練の道とも言えるだろう。
しかし、そこをあえてチャレンジして訪れる価値がここにはある。標高は実に1700m。
四国で最も高い実走可能な道なのだ。冷涼で神秘に満ちた空気。霊峰石鎚山を目前に山脈をトラバースするダイナミックな山岳路は、山岳信仰の修験者達も歩んだ四国で最もパワー溢れるルート。頂上から見下ろす山塊風景は異世界感抜群だ。少々酷道を走ってきた疲れなど一気に消え去ってしまうだろう。
一般的な“○○スカイライン”等と比べると確かに難易度は高いかもしれないが、ケタ違いの感動を体験できる一生に一度は絶対に訪れて頂きたいルート。
ちなみに冬は通行止めとなる。
全線1.5車線、ほぼ太古より変わらぬ線形で、四国道を代表する典型的な酷道だ。 しかし、四国一の山脈をトラバースする絶景山岳道。バイクで来て良かったと心から思える瞬間があちこちにある。
交通量が比較的多い上に、見通しの悪い箇所も多く対向車への警戒は常に必須だ。
険道ながら標高1500超の山塊を一望する絶景山岳ルートだが、激狭&連続タイトコーナー中心の旅になる上、文明の面影は道路と看板のみ。ガードレールすら省略された箇所も多く、ツーリング初心者には精神的にも体力的にもかなり厳しいに違いない。
しかし、林道ピーク付近で四国の山岳地帯に足を踏み込んだ事に心から感激する事を約束しよう。
林道で出会う湧き水は絶品だ!
膨大な降水量を誇る四国山地は美味い湧水も点在。林道への東側アクセス路である寒風山隧道付近には湧水スポットもある。天然の濾過のみで頂ける100%自然の天然水。必ずペットボトル持参で行こう。
天然の濾過のみで頂ける100%自然の天然水だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
1分でわかる記事ダイジェスト 4万円台から! 食べ物が日本人の口にあうベトナム 割と安く楽しめた国とプラン。ベトナムの食事は日本人の口に合うといわれている。米粉の麺を使った「フォー」が有名なベトナム料[…]
第5位:照葉スパリゾート[福岡県福岡市] 人工島・アイランドシティに立地する、「“1日中楽しめる”福岡の新別天地」がコンセプトの九州最大級ホテル併設型スパリゾート。2フロアにまたがる種類豊富な岩盤房([…]
集合したら即ペアリング。メッシュ通信で超簡単だ PACKTALK EDGEが採用するDMC(ダイナミック・メッシュ・コミュニケーションズ)は、とにかくペアリングが簡単かつスピーディ! 集合場所にライダ[…]
「いつかは北海道…」と先延ばしにしていたアナタへ 「一度は走ってみたい」「知ってしまったら病みつきに」と、バイク乗りたちのツーリングエリアとして抜群の人気を誇るのが、北海道。 見渡すかぎり、どこまでも[…]
暑さや蒸れにやられて、「なんとなくやる気が起きない」「食欲がわかない」など、夏になるとなかなか調子がでないことも多い。まして体をむき出しで走っているライダーともなれば、言わずもがなだ。せっかくのツーリ[…]
最新の関連記事(モトツーリング)
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
携帯充電も可能な小型LEDランタン/ライトに落ち着いた色味の新色が登場! ラギッドパッカウェイランタン(メタリックグリーン) 使用時以外は本体にグローブ部分を収納可能な小型ランタン。包まれるようなやさ[…]
伊東の偉人も駆けた東浦路(ひがしうらじ) 東伊豆の道の成り立ち/その足跡をバイクで辿るのに、伊東は最適なエリアだ。一般的に陸路で下田に向かうには、中伊豆を通る下田街道しかなかったと思われがちだが、実際[…]
のんびりと船旅を楽しみながら、楽に現地へ 神戸港と宮崎港を結ぶ宮崎カーフェリーが、バイクツーリング向けのお得なプラン“バイクツーリングプラン”を実施している。フェリーの良さといえば、自走せずに自分のバ[…]
皆様にお馴染みのツーリング雑誌『モトツーリング』のミニファンミーティングのお知らせです。編集長のカン吉とともに、居酒屋で酒と美食を楽しみながら酷道の魅力について語らうミニイベントを開催します。 第1回[…]
人気記事ランキング(全体)
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 「腐ったガソリン」とは、どんな状態のこと? 時間経過とともに燃料の品質が低下して変質したガソリン。放置すると、ドロドロを通り越してガム状の固形物へと変化。軽度の劣化であれ[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
バイクに積載義務のあるものとは? 車検証や自賠責保険証等の書類 積載義務違反で重い罰則が科せられるものの代表は“書類”です。バイクには使用時に以下の書類を備え付けなくてはなりません。 車両登録書(車検[…]
アクスルシャフト位置がピタリと決まる! “お助けリフターA”はリヤタイヤ着脱の必須アイテム リンクまわりの清掃やハブダンパーのチェックなど、リヤタイヤを外せばできると分かっていても、「タイヤの着脱が面[…]
最新の投稿記事(全体)
押し引きで熱い! 座ると熱い! そんなシートの熱さをどうにかしたい… ツーリングや街乗りにかかわらず、真夏のバイクは炎天下に駐輪していた後に触るのが最初の大きな関門になる。押し引きでシートに触れば手の[…]
ポイントはリヤタイヤと床面との空間。リフト量が少ないほどスタンド操作が軽く車体も安定する ガレージやサーキットのパドックで、バイクにスタンドをかけた状態で前後左右自由に移動できるのが、ガレージREVO[…]
SHISEIDO(資生堂) クリアサンケアスティック 日焼け対策といえば、まずは日焼け止めを塗ることが何より大切です。日焼け止めと言ってもさまざまな種類がラインナップされていますが、昨今人気を集めてい[…]
サンダルでの運転はダメ…では、半袖半ズボンのようなラフな格好は? たとえば、頭の蒸れが気になったからとヘルメットを脱いでしまった場合、乗車用ヘルメット着用義務違反が適用され、違反点数1点が科されます。[…]
メーター読み145km/hが可能なYZF-R15 高速道路も走れる軽二輪クラス。排気量で余裕のあるYZF-R25が有利なのは当たり前である。ただR25とYZF-R15の比較試乗と聞いて誰もが気になるの[…]