![[バイク用リチウムバッテリー] 鉛タイプから交換するだけで2kgの軽量化!? パワフル&長寿命でじつはコスパ良し!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/01/BS_LithiumBattery_01.jpg)
運動性能にとっても省燃費性の面でも、“車体の軽量化”はもっとも効果のあるモディファイ手段のひとつだ。今、リチウムイオンバッテリーを装着するだけで軽量化できる点に注目するライダーが増えている。パワフルで長寿命なうえにコンパクトで軽量なリチウムバッテリーは、チューニングパーツとしても魅力的なのだ。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:丸中洋行
車両メーカーの純正バッテリーとしてもシェアを拡大
リチウムバッテリーは、同程度の容量の鉛バッテリーと比較すると、性能の指標であるCCA(コールドクランキングアンペア)値は2倍程度、寿命は3倍程度と、その優位性は圧倒的だが、じつは軽量化の面でも大きなメリットがある。
レース界ではすでに広く知られていることだが、ここでは街乗り用市販車の交換パーツとしての魅力についても改めて注目してみたい。
普通自動二輪免許で乗れるハーレーダビッドソンとして注目度が高いX350のバッテリーは、ミドルクラスで一般的なMFタイプのMTX9-RSで、車体デザインの都合上、シート下に斜めに搭載されている。
マスの集中化では理に叶っているが、純正バッテリーの実測値は約3000gもある。そのため、数年後に寿命を迎えた際に、何も考えず再び鉛バッテリーを選択するのは良策とは言えない。
ここでリチウムバッテリーに交換すれば、積み替えるだけで2000g以上の軽量化が実現するのだ(BS製の場合)。たった2kgと思うかもしれないが、車重200kg程度のバイクから1%分減量するのは容易ではない。
たしかにリチウムバッテリーは高価だが、とはいえ実勢価格は高性能鉛バッテリーの2倍程度(BS製SLAタイプの場合)。一般的な寿命を3倍とすれば、リチウムバッテリーのコストパフォーマンスは鉛バッテリーを上回ることになる。
いつか必ず交換しなくてはならないパーツで、鉛タイプよりコスパが高く、取り替えるだけで軽量化できるリチウムバッテリー。モータースポーツは当然のことながら、市販車に装着するメリットも十分にあるだろう。
【BSLi-03】BS製リチウムバッテリーには容量が異なる8種類があり、BSLi-03は同社製鉛バッテリーのBTX9/BT7B-4/BT9B-4と互換性がある。ちなみに8種類でバイク用12V鉛バッテリーの80%以上をカバーできる。リチウムは単位重量/体積あたりのエネルギー密度が鉛に比べて4〜5倍高いため、大電流を一気に放出でき、その分体積や重量を減らすことができる。純正バッテリーケースに収めた際にできる隙間を埋めるウレタンパッドも豊富に付属する。
純正バッテリーケースの形状と充電電圧を事前に確認してから装着
開放式/メンテナンスフリータイプ/傾斜搭載が可能な密閉式など、鉛バッテリーにもさまざまな種類があり、今回使用したBSバッテリーでは豊富なラインナップを展開している。ハーレーダビッドソンX350用純正バッテリー(右奥)はBS製ではないが、同スペックの鉛バッテリーがある。だがせっかく交換するならリチウムバッテリーを選択したい。
インナーフェンダーの角度に合わせて斜めに搭載されている純正バッテリー。プラス/マイナス端子部分がカットされたホルダーは、左右4個のボルトで固定されている。
マイナス/プラスの順にバッテリーターミナルを外してプレートも取り外す。周辺部品が少ないのでバッテリー着脱は簡単だが、3000gの純正はずっしりとした手応え。
交換だけで2kg以上の軽量化するのだから、リチウムバッテリーを選ばない手はない。スペース的には余裕十分だが、ターミナルとホルダープレートが接近している。
金属部分の接触を避けるため面ファスナーを使用。軽量だからできる固定方法だ。2000〜5000rpmで13.8〜14.4Vの推奨充電電圧内にあることを確認する。
バッテリーケース内の隙間は豊富なウレタンパッドで埋めて搭載
【BSLi-02】BS製リチウムバッテリー最小のBSLi-02は、鉛バッテリーBTX4L+/BTZ7S/BTZ7V/BTZ8Vとの互換品。重量はわずか550gだが、エンジン始動能力を示す指標となるCCA値は140で、メンテフリータイプのBTX4L+のCCA50を大幅に上回る。SLAタイプのBTZ7S等との差はわずかだが、軽さで圧倒する。
リチウム/鉛/6Vに使える高性能専用充電器。BS10はリチウムバッテリーにも鉛バッテリーにも使えるうえに、絶版ミニ用の6Vにも対応する多機能高性能充電器。psE認証も取得しているので安心して使用できる。
ヤマハWR250Rもリチウムバッテリーで軽量化カスタム
ヤマハWR250RはYTZ-7Sが純正指定で、ボッシュ製に交換されていた。トレール車らしく省スペース設計となっており、サイズアップによるバッテリー強化は難しい。
実測値2100gの鉛バッテリーに対して、BSLi-02は550gと1500g以上も軽い。WR250Rの装備重量は132kgなので、バッテリー交換による軽量化は魅力的。
金属部との接触はないが、バッテリーケースに収めると奥に入りすぎてしまうので、ウレタンパッドを背面にセットしてゴムバンドのテンションが効くように調整する。
BSLi-02の真鍮端子のネジ穴と純正配線の向きを合わせて接続する。林道ツーリングなどで人里離れた場所に分け入る際に、バッテリーの信頼性は重要だ。
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