国内初度登録からもうすぐ3年になるカワサキKZ900LTD。これまで繰り返してきたキャブまわりのモディファイは、ミクニTMRを装着したことでいちおうの決着となり、さて次は…と気になったのが、デイトナの新製品。現行車向けのラインナップが多い中、絶版車にフィットしそうなパーツを発見。これは試してみなきゃ!
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:デイトナ
“絶版み/旧車み”のあるパーツ
若者ことばに迎合するつもりはないが、十代後半の子供たちと話をすると「うれしみ/やばみ」など、“○○み”といった言葉に接することが多い。これをインターネットで調べると、目的の言葉を断定/断言せず、なんとなくぼやけた印象にする効果があるらしい。たとえば、自分は嬉しいけど他の人はどうかな? ということに対して「うれしみ」という言葉で表現するらしい。
これはバイク界/絶版車界でも往々にして起こりうることで、一家言持つ方の多い中だと私自身も使用することがある。たとえば「あ〜、栗田さんはZ1じゃなくてKZ900LTDなんですね」と声をかけられた際の返事として「ええ、LTDも渋みや面白みがあると思いまして」などと言ってみたり…。
Z1/Z2がヒエラルキーの頂点だと認識されている方に、LTDの魅力をどれだけ伝えようとしても無理というもの。だったら曖昧に「○○み」でかわした方が角が立たない。
絶版車に装着する部品も同様だろう。機能性を優先して最新の高性能パーツを選ぶカスタム派と、車両の年代や雰囲気に合った当時モノ派は双璧をなす流派だが、どちらとも距離を置きたい私などが好むのは、“絶版み/旧車み”のあるパーツ。
デイトナのアジャスタブルリアショックは、そんな嗜好にぴったり合う新製品だ。窒素ガスとオイル別体式ダンパーを採用した、総アルミ削り出しボディと黒スプリングの組み合わせは、絶版車に違和感のないシンプルなデザインで、一方で無段階調整のプリロードや伸び側減衰調整を装備することで、ライディングスタイルに合わせたセッティングにも対応。
スプリングの外径と長さにより、ドライブチェーンの530化やチェーンカバーの干渉対策が必要だが、Z1〜KZ1000シリーズをターゲットとして開発を行っている点には、かなり興味をそそられる。
一方で、デイトナがオリジナルミラーとして開発に注力しているハイビジリティミラー(ハイビジミラー)に加わったZ2モンスターミラーもまた、Zユーザーは一見の価値がある新製品だ。
製品名称にZ2とあるように、全体的なフォルムはカワサキZ2純正のレプリカタイプである。だがブレを抑えるためのミラー内部ウェイトやφ12mmロッド、純正より広い後方視界を得るための広角ミラー採用など、ルックスだけでなく実用性を高める機能を作り込んでいる。
リアショックもミラーも用品店やネットで購入できる新品で、いわゆる当時ものではないが、乗り心地が良く後方視界がブレず、それでいて“絶版み”のフォルムで、筆者的には大満足の仕上がりとなった。
アジャスタブルリアショック:目立ちすぎないフォルムが◎
ハイビジミラー“Z2モンスターミラー”:実用性が高くZ系にマッチ
LEDヘッドランプバルブ プレシャス・レイZII:ヘッドライトは白色が好み。一緒に交換しリフレッシュ
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
プッシュスルースプリットビームトルクレンチ:作業後のゼロ点戻しが不要。反時計回りの測定も可能 角断面のトルクレンチ本体内部に内蔵された板バネは、調整ノブでトルクを設定した段階では負荷がかからず、ボルト[…]
高いポテンシャルを持ちながら肩の力を抜いて乗れる二面性で大ヒット セローが登場した1985年は、オンロードでは本格的なレーサーレプリカブームが到来する頃でした。オフロードも同様で、パンチのある2ストロ[…]
オーバーホール済みだからこそ末永く大切にケアしよう 筆者がバイク仲間のガレージへ遊びに行くと、フルレストアが仕上がったばかりのホンダCB350EXPOが、メンテリフターの上で鎮座していた。長年の友人に[…]
50ccスクーターでバイクいじりを楽しむ 女性向けやビジネス向け、スポーツモデルからハイグレードタイプまで、かつては原付免許を取得したライダーが一度は所有したことがあったのが50ccスクーターだった。[…]
旧車や絶版車のメンテナンスに最適。使い勝手の良い水性&中性タイプ 塗装やメッキで表面処理を行っても、進行していく金属のサビ。旧車や絶版車ユーザーにとって、サビは常に悩みのタネだ。 サビの上から直接ペイ[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
どんなUber Eats配達員でも必ず持っている装備といえば、スマートフォン。これがなければ、仕事を始めることすらできません。 そんなスマートフォンですが、太陽が強く照っている日に使うと画面が真っ黒に[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
- 1
- 2