![[絶版バイク再生] 1976 カワサキKZ900LTD:当時モノの雰囲気を生かしつつアップデートできるボルトオンパーツ×3選](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/06/Daytona_KZ1000LTD_012.jpg)
国内初度登録からもうすぐ3年になるカワサキKZ900LTD。これまで繰り返してきたキャブまわりのモディファイは、ミクニTMRを装着したことでいちおうの決着となり、さて次は…と気になったのが、デイトナの新製品。現行車向けのラインナップが多い中、絶版車にフィットしそうなパーツを発見。これは試してみなきゃ!
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:デイトナ
“絶版み/旧車み”のあるパーツ
若者ことばに迎合するつもりはないが、十代後半の子供たちと話をすると「うれしみ/やばみ」など、“○○み”といった言葉に接することが多い。これをインターネットで調べると、目的の言葉を断定/断言せず、なんとなくぼやけた印象にする効果があるらしい。たとえば、自分は嬉しいけど他の人はどうかな? ということに対して「うれしみ」という言葉で表現するらしい。
これはバイク界/絶版車界でも往々にして起こりうることで、一家言持つ方の多い中だと私自身も使用することがある。たとえば「あ〜、栗田さんはZ1じゃなくてKZ900LTDなんですね」と声をかけられた際の返事として「ええ、LTDも渋みや面白みがあると思いまして」などと言ってみたり…。
Z1/Z2がヒエラルキーの頂点だと認識されている方に、LTDの魅力をどれだけ伝えようとしても無理というもの。だったら曖昧に「○○み」でかわした方が角が立たない。
絶版車に装着する部品も同様だろう。機能性を優先して最新の高性能パーツを選ぶカスタム派と、車両の年代や雰囲気に合った当時モノ派は双璧をなす流派だが、どちらとも距離を置きたい私などが好むのは、“絶版み/旧車み”のあるパーツ。
デイトナのアジャスタブルリアショックは、そんな嗜好にぴったり合う新製品だ。窒素ガスとオイル別体式ダンパーを採用した、総アルミ削り出しボディと黒スプリングの組み合わせは、絶版車に違和感のないシンプルなデザインで、一方で無段階調整のプリロードや伸び側減衰調整を装備することで、ライディングスタイルに合わせたセッティングにも対応。
スプリングの外径と長さにより、ドライブチェーンの530化やチェーンカバーの干渉対策が必要だが、Z1〜KZ1000シリーズをターゲットとして開発を行っている点には、かなり興味をそそられる。
一方で、デイトナがオリジナルミラーとして開発に注力しているハイビジリティミラー(ハイビジミラー)に加わったZ2モンスターミラーもまた、Zユーザーは一見の価値がある新製品だ。
製品名称にZ2とあるように、全体的なフォルムはカワサキZ2純正のレプリカタイプである。だがブレを抑えるためのミラー内部ウェイトやφ12mmロッド、純正より広い後方視界を得るための広角ミラー採用など、ルックスだけでなく実用性を高める機能を作り込んでいる。
リアショックもミラーも用品店やネットで購入できる新品で、いわゆる当時ものではないが、乗り心地が良く後方視界がブレず、それでいて“絶版み”のフォルムで、筆者的には大満足の仕上がりとなった。
アジャスタブルリアショック:目立ちすぎないフォルムが◎
【アジャスタブルリアショック】●全長:345mm(車高調整0〜+10mm)●調整機構:プリロード無段階 伸び側減衰20段 ●適合機種:カワサキZ1/Z2/Z750Four/KZ900/KZ1000(ドライブチェーンは530化が必要、純正チェーンカバー使用不可)/ゼファー1100/ゼファー1100RS/ゼファー750/ゼファー750RS/ゼファー/ゼファーχ ●価格:7万7000円
Z1シリーズはリアショックアッパーマウントの外側にグラブバーがあるため、ショックボディ上部の形状によっては干渉することもある。その点を考慮してデザインされているため、グラブバーも問題なく装着できる。
伸び側減衰力調整は20段で、Zシリーズは右回し(H方向)から左回し(S方向)に18段目、ゼファーシリーズは14段目がひとり乗りの推奨値となる。
純正ショックよりスプリングが長く、630サイズのドライブチェーンと干渉するため、530への変更が必要。チェーンケースも干渉するので、一部切除してある。
取り付け長は、ロア側の車高調整ロッドによって最短345mm〜最長355mmの範囲で調整できる。Zシリーズの標準取り付け長は345mm。
この製品はゼファーシリーズにも適合する。リザーバータンク付きの純正ショックに比べて、シンプルでクラシカルなルックスに変貌する。さりげない高性能化に打って付け。
ハイビジミラー“Z2モンスターミラー”:実用性が高くZ系にマッチ
【ハイビジミラー™ Z2モンスターミラー ブラック/ショート】レトロな雰囲気のZ2 モンスターミラーは左右共通。表面仕上げは写真のブラックと、本体/ステー/ナットすべてがクロームメッキの2タイプ。クロームメッキ仕様の価格は5390円(1本)となる。●価格:4730円(1本)
曲率R1000の広角ミラーを採用したハイビジミラーは、純正より視界が広いため、ショートタイプのステーを選んでも後方が見やすいのが特徴。
2007年以降に製造されたバイクに装着する際は、ステーの根元に衝撃緩衝装置が必要。それ以前のモデルには衝撃緩衝装置が不要で、その場合のナットはZ1純正デザインを再現したものが付属する。
ボディ内部のおもりは亜鉛製で、ステー取り付け部分から中心にかけて配置。別の汎用Z2ミラーと重量を比較すると35g 重く、加速中のビビりも大幅に軽減された。
ミラー形状は共通だが、Z900RSやZ650RSなど2007年以降に製造された機種に装着する際は、ステーの根元に衝撃緩衝装置が付いたこちらのタイプとなる。
LEDヘッドランプバルブ プレシャス・レイZII:ヘッドライトは白色が好み。一緒に交換しリフレッシュ
【LEDヘッドランプバルブ プレシャス・レイ ZII H4(6500K)】ハロゲンバルブの半分の電力消費量で約3倍明るいデイトナLEDバルブ。色温度の違いでホワイト(6500K)と電球色(4500K) の2種類があるが、私はLEDらしいホワイト一択だ。●価格:1万780円
従来品のプレシャス・レイZに対して、バルブのコンパクト化と光量アップを両立したプレシャス・レイ ZII。性能はもちろんだが、ZIIという商品名にそそられてしまう。
LEDの加熱を防止する電動ファンをバルブフランジより前方(ヘッドライトボディ内部)に配置することで、ソケット側への張り出しがなくなり、取り付け自由度がアップ。フランジから先もH4バルブよりわずかに短い。
H4ハロゲンバルブ点灯時の電流は4.11A。リチウムイオンバッテリーを搭載したLTDのバッテリー電圧は13Vなので、消費電力は53Wとなる。H4バルブ(ロービーム)のワット数は55Wなので、ほぼ定格通り。
プレシャス・レイZIIに交換して電流を測定すると、わずか1.73A!! となった。計算上の消費電力は22.5Wで、デイトナの公表値である約24Wと大差はない。ハロゲンに対して半分以下の電力で、バッテリーに優しいのがLEDの大きな魅力。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
ギボシ端子取り付けのポイントをおさらい バイクいじりのレベルやセンスは、その人が手がけた作業の跡を見れば一目瞭然。電気工作なら配線同士をつなぎ合わせる際、芯線をねじってビニールテープでグルグル巻きにし[…]
バイクとの親和性はスマホを圧倒的に上回る AKEEYOが販売する「AIO-6LTE」は、太陽光の下でもはっきり見える視認性の高い大型6インチのIpsモニター、Wi-FiとBluetoothによるスマホ[…]
販売終了が続く絶版車用純正部品を信頼のMADE IN JAPANで復刻 長期間不動状態だったバイクを再始動する際、キャブレターやガソリンタンクの状態もさることながら、クラッチの張り付きも懸念事項のひと[…]
人気記事ランキング(全体)
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
高級感漂うゴールドカーキのデザイン 「IQOS ILUMA PRIME ゴールドカーキ」は、その名の通り落ち着いたゴールドトーンとカーキを組み合わせた洗練デザインが特徴です。手に取った瞬間に感じられる[…]
PROGRIP専用の信頼接着剤 デイトナ(Daytona)の「グリップボンド PROGRIP 耐振ゲルタイプ専用 12g 93129」は、PROGRIP用に設計された専用接着剤です。容量は12gで、初[…]
最新の投稿記事(全体)
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
滑りにくさと耐久性を両立したソール設計 アシックスの安全靴「WINJOB CP113」は、油で劣化しにくく耐久性に優れたCPグリップソールを採用。濡れた床や油で汚れた現場でも安定したグリップ性能を発揮[…]
生産累計1億台、60周年の原点モデル 初代スーパーカブはホンダ創業の本田宗一郎氏と藤澤武夫氏が直接開発の先頭に立ったオートバイ。それに続く東南アジアのドリーム、WAVEなどを含む歴代スーパーカブシリー[…]
W230/MEGURO S1 デビュー応援キャンペーン 株式会社カワサキモータースジャパンが、2025年9月1日(月)より、全国のカワサキプラザにおいて「W230」および「MEGURO S1」の新車([…]
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]
- 1
- 2