![[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_00.jpg)
ABSやPPなど、バイクやクルマで多用される樹脂部品の補修において、頼りになるのは“熱”。樹脂補修に特化した高性能な接着剤も存在するが、熱可塑性樹脂のクラックや欠損を修理する際には、破損部分を加熱/溶着するのが手っ取り早いことが多い。ストレートの新製品「プラスチックリペアキットコードレスタイプ7・4V」は、3種類のコテ先いずれも面積が大きく、接合面を幅広く加熱できるのが特徴だ。
●文/写真:モトメカニック(栗田晃) ●外部リンク:ストレート
ステンメッシュを温めてワレ樹脂患部へ潜り込ませて補強!!
樹脂部品の加熱補修には、接合部分に金属製のピンを溶け込ませる方法と、接合部分を溶かして溶着させる方法がある。前者はピンが補強材となって強度を確保し、後者は金属接合における溶接と同様、しっかり溶け込ませれば補修以前と同様の強度が得られる利点がある。
溶着補修の際に重要なのが、加熱温度と加温面積。電気工作用のはんだゴテには、樹脂を溶かすのに十分な熱量があるが、一般的なコテ先だと先端が尖っているため、加熱範囲がピンポイントになりがち。それに対してストレートの新製品「プラスチックリペアキットコードレスタイプ7.4V」のコテ先は、3種類ともいずれも面積が大きく、接合面を幅広く加熱できる。
【プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800】内蔵電池:リチウムイオン DC7.4V 2400mA 充電時間:約3.5時間 コテ先温度:約600〜650度 ●価格:1万4700円
ストレートでは以前からコードレスタイプのプラスチックリペアキットを販売しているが、新型では内蔵リチウムイオン電池の電圧を2倍にすることで、コテ先温度は420〜500℃から600〜650℃へと大幅にアップ。同時に温度上昇スピードも速くなり、補修開始までの待ち時間が短縮されたのも見逃せない。
ここでは、ウインカーの取り付け部分が大きく破損したリヤフェンダーで、新型リペアキットの使い勝手を試してみた。破損部分に欠損がなく、クラック部分がぴったり合う場合には、突き合わせた断面にV字の溝を掘り、溶接における開先を設けることで溶け込みが促進され、接合部分の強度を上げることができる。
一方、樹脂溶着は金属溶接より広範囲に熱を加えやすいことから、付属のステンレスメッシュを母材に溶け込ませて、“面”で強度を稼ぐこともできる。
ここで実感できるのが、新型の加熱能力の高さだ。従来型でステンレスメッシュを加熱する場合、メッシュ自体の放熱効果によって加温時間が長くなる傾向があった。だが新型では、幅広タイプのコテ先でもメッシュに十分な熱を加えることができ、板厚の厚いフェンダー素材にも余裕で溶け込ませることができた。
金属でも樹脂でも、表面だけ溶けて内部に熱が伝わっていないと強度不足の原因になるが、この熱量ならそうした心配は無用で、むしろ薄手の素材に対する過熱による変形や穴あきの注意が必要なほど。
絶版車ユーザーにとって、破損した部品もなんとか再利用したいという場面は少なくない。「樹脂溶着はしょせん一時しのぎ」という先入観のあるサンメカもいるかもしれないが、これは目から鱗が落ちるに違いない、本格的なリペアキットである。
コテ本体と交換用のコテ先、充電器や溶接棒などの付属品が入る専用樹脂ケース付き。内側は内容物に応じて成型されているので、振り回してもガチャガチャ暴れることはない。
スイッチはスライド+ボタンプッシュの二段階式で誤作動のリスクを軽減。本体先端にLEDライトがあるため、手元が暗い場所でも作業できる。
溶接棒の素材はABS/PP/PE/psの4種類で、PPのみ幅広タイプも付属する。ステンレスメッシュは2枚入っており、素材のみ追加購入も可能。
プラスチックリペアキットを使って、ヒビの入ったリヤフェンダーを補修
駐車中にウインカーを強い力で押されて、ステーの根元からヒビが入ったリヤフェンダー。この部品の断面ははきれいだが、ぴったり合わない時は適宜削って調整する。
ステンレスメッシュで広く押さえる前に、クラック部分を突き合わせて細いコテで溶着する。亀裂面をまたいで溶接ビードを作るように加熱していくのがコツ。
フェンダーの表裏を点付け溶着して形状を整えたら、クラック部分を幅広くステンレスメッシュで覆う。このメッシュはハサミで容易にカットできる。
幅広タイプのコテ先をステンレスメッシュに押しつけて加熱する。熱を奪われても温度が下がらないので、コテで押さえた部分は確実に溶け込む。
パイプガイド付きのコテ先は、母材と溶接棒を同時に溶かすことができる優れもの。開先に溶け込ませたり、厚く盛り上げたい時に重宝する。
フェンダーに溶け込ませたステンレスメッシュを隠すように溶接棒を盛り付ける。溶接棒とともにフェンダー本体も加熱されて溶けるので、強固に一体化する。
溶着部分の強度が不十分だと、そこから曲がったり折れることがあるが、ステンレスメッシュを広範囲に溶かし込んだので、脆弱さはまったくない。
表面の点付け部分は若干凹んだ状態で、溶接棒を併用して盛り上げ、サンドペーパーで成形した後に樹脂ブラックペイントで塗装すれば目立たなくなる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
素材を痛めない万能クリーナーは、長期放置車&レストアの徹底洗車に最適 最近は、1970年代のカワサキZ系やホンダCB系に加えて、ホンダNSR250RやヤマハTZR250Rといったレーサーレプリカモデル[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
必要なのはキャブ本体とパーツリスト! 燃調キット開発プロセスとは 日本製自動車の性能は優秀で、日本国内で役目を終えた後も中古車として世界各地に輸出され、何十年という時を経ても現役で活躍していることが多[…]
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた老舗ブランド「シュアラスター」。そのガソリン添加剤シリーズ「LOOP」のフラッグシップモデルが、[…]
高い耐久性、IP65防水性能がライダーのギアを守る ミルウォーキーツールが誇るツールボックス、PACKOUTシリーズの最大の特長は、その「高い耐久性・防水性・防塵性」を備えているという点。ガレージや作[…]
入れないとどうなる?フロントフォークのオイル はいどうも、みなさんこんにちは。本日は愛車DT50のフロントフォーク定期メンテナンスをやっております。 トップのキャップボルトを外してカラーを取り出して、[…]
最新の関連記事(工具)
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
高い耐久性、IP65防水性能がライダーのギアを守る ミルウォーキーツールが誇るツールボックス、PACKOUTシリーズの最大の特長は、その「高い耐久性・防水性・防塵性」を備えているという点。ガレージや作[…]
入れないとどうなる?フロントフォークのオイル はいどうも、みなさんこんにちは。本日は愛車DT50のフロントフォーク定期メンテナンスをやっております。 トップのキャップボルトを外してカラーを取り出して、[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
人気記事ランキング(全体)
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
冬ツーリングを快適に! デイトナの防寒アイテム デイトナ(Daytona) 防風インナー バイク 冬 防寒 ハーフジップ ウェア DI-001FA ブラック Mサイズ 31948 [デイトナ] バイク[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
スマホを固定しながら充電まで。カエディアのバイク用充電スマホホルダー Kaedear(カエディア) バイク スマホホルダー デビルホーン 充電機能付き Kaedear(カエディア) バイク スマホホル[…]
最新の投稿記事(全体)
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
防寒着に求められる3要素を網羅 真冬のバイク乗りにとって、防寒は死活問題だ。アウターで風を遮断しても、その内側、つまりミドルレイヤーやインナーの選択次第で、ツーリングの快適度は天と地ほど変わってしまう[…]
QIK-MESH2.0で繋がり続けるインカム体験 H6は、従来の直列式インカムのように前後の並び順に依存しない通信方式を採用している。QIK-MESH2.0により、グループ通話中に隊列が乱れても通信の[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
高額モデルが多いドライブレコーダーはブラックフライデーで賢くアップデート MAXWIN バイク用 スマートモニター ドライブレコーダー Kaedear (カエディア) バイク ドライブレコーダー バイ[…]
- 1
- 2


![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_02-768x432.jpg)

![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|LEDライト|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_04-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット|溶接棒|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_05-768x432.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|充電|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_06-768x512.jpg)


![ストレート|プラスチックリペアキット|ヒビの入ったリヤフェンダー|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_08-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_09-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_10-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_11-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_12-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_13-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_14-768x512.jpg)
![ストレート|プラスチックリペアキット コードレスタイプ 7.4V 17-9800|補修|[バイクDIYメンテ] カウル破損修理に最適! “プラスチックリペアキット”は樹脂補修の決定版〈ストレート〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/05/Straight_PlasticRepair_15-768x512.jpg)


































