全国に180以上の店舗を構えるアストロプロダクツでは、同社オリジナルツールはもちろん、国内外のメーカー製工具も数多く販売している。セット工具のバリエーションも豊富で、中でも入り組みバランスの良さとコストパフォーマンスの高さで人気のセットを紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:アストロプロダクツ
バランスの良さと高コスパが光る工具セット
かつては「バイクいじりの第一歩は車載工具から」という時代もあったが、車載工具という概念がなくなった最近のバイクでは、ボルトナットやビスを緩める際にもユーザーが工具を用意しなくてはならない。
必要な工具を必要に応じて買い揃えていくのも悪くないが、「あれがない、これがない」と右往左往するなら、最初にセット工具を購入した方が手っ取り早い。昔は「セットだと高いから1点ずつ購入する」のが一般的だったが、今やセットで買った方がお得なことも多い。
アストロプロダクツで扱う豊富な工具セットの中でも、バランスの良さとコストパフォーマンスの高さで人気なのがこのセットだ。
シックなマットブラックのツールボックスに収まる工具は、メンテナンスやボルトオンパーツの着脱で使用頻度の高いソケットレンチ/ドライバー/メガネレンチ/ラチェットレンチなど76点。
それらは工具形状に型抜きされた専用のウレタントレイに整然と並び、取り出しやすいのはもちろん、作業後に所定の位置に戻すことで紛失防止にも役立つ。
フレックスタイプのギヤレンチや貫通タイプのドライバーなど、経験豊富なユーザーも納得のアイテムを採用しているのも特徴だ。
強固なサイドハンドル付きのツールボックスは、ラッチを開けても引き出しが干渉しない親切設計
日常的なメンテから重整備まで幅広く対応できるメガネレンチ。ソケットのサイズ展開が魅力
ギヤコンビレンチは、フレックスタイプメガネ部分の立ち上がり角度が45°というオーソドックスな形状のメガネレンチと、メガネ部分が180°自在に首振りできるフレックスコンビネーションレンチは、いずれもクロームメッキ仕上げで、サイズ表記は刻印仕様。バイクによってサイズは異なるが、メガネが22×24mmまであるのは、足まわりのメンテナンスで重宝する。コンビレンチのメガネ部分は72歯のギアレンチで、本体を5°振ればボルトやナットを回せるので、狭い場所で使い勝手が良い。改良されたギア構造(V 字ギア)によって、本締めにも使えるのが特長だ。
ラチェットハンドルのギヤ数は定番の72歯
ソケットレンチの差込角は3/8インチ。アストロ製ラチェットハンドルのギヤ数には36/72/90歯があり、このセットでは手に優しい樹脂グリップでもっともスタンダードな72歯ハンドルを採用。
ラチェットヘッドが干渉する狭い場所や、固く締まったボルトを緩める際に便利なスピンナハンドルや、エクステンションバーとのセットでT型レンチにもなるスライドハンドルなど、アクセサリーも豊富。エクステンションバーは、ソケットの差し込み深さで首振り仕様になるウォブルタイプ。
スタンダードに加えてディープソケットもセット
セット工具に含まれる差込角3/8インチソケットは19mmまでというのが一般的だが、このセットには24mmまで入っているのが特徴。
ソケットサイズが大きくなれば、ボルトやナットの締め付けトルクも相応に大きく、ラチェットハンドルにかかる負荷も増大するため、緩め始めや本締めはメガネレンチで行おう。
スタンダードサイズと並んでディープソケットがあるのも要注目ポイントで、エクステンションバーを使わず深い場所にあるボルトナットを回せるのがメリットだ。
ドライバーは貫通+ボルスター付き
ドライバーセットは、押しつけながら回す際に手にフィットして滑りにくい六角断面の樹脂グリップを採用。差し替え式のスタビタイプを除く4本は、シャンク(軸部)がグリップ後端まで貫通しており、固着したビスを緩める際はハンマーで打撃力を加えることができる。
また、シャンクの根元にはレンチで回せる六角部(ボルスター)があり、グリップ後端には六角穴があるので、ヘックスレンチを差し込んで回すことも可能。PH1サイズの小ネジを回す際は、1/4ビットセットの中のPH1ビットを使用する。
早回し作業が得意なラチェット機構付きモンキー
電気系のメンテナンスで出番が多いニッパーやストレートノーズプライヤー(ラジオペンチ)の全長は、JISで定められた標準サイズである160mm。
ラジオペンチは、スリムなノーズ形状により狭い部分で細かい作業をする際にも使い勝手が良い。ボールポイントのヘックスレンチも、キャップボルトの早回しに便利だ。最大開口幅34mmのモンキーは、ウォームギヤ部分のラチェット機構により、開口幅を調整することなくボルトやナットを早回しできるのがユニークなポイント。
ビットは専用メタルケースに収納
72歯のビットラチェットハンドルと、いじり止め付きトルクス対応を含む22個組の1/4HEXビットは、これだけでひとつのセット工具として成立するメタルケースに収納されている。
ラチェットハンドルは、差し込み部が1/4インチの凹なのでビットを直接取り付けでき、超低頭レンチとして機能する。また、ビットとハンドルに一定の距離が必要な場面ではエクステンションを装着すれば良い。
ケースの手前のソケットは、1/4HEXビットを3/8インチハンドルで回すためのアダプター。
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