
BAN-ZIのサビキラープロは、活発な赤サビを不活性な黒サビに転換し、さらに塗料としても機能する画期的塗料だ。サビの進行を止められる特性は、絶版車の維持やケアに苦心するサンデーメカニックにも間違いなく有益だ。さっそく編集部にあるサビだらけになったスポークホイールや鉄製のフェンダーで試してみた。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:株式会社BAN-ZI
手軽に使えるサビキラープロ。ヤレ感を生かした絶版車ケアに最適
バイクユーザーにとって、サビとの対決は永遠のテーマ。特に交換用部品が簡単に手に入らない絶版車には常に悩みのタネとなる。
ケミカルやサンドブラストでサビを落として再メッキや再塗装で仕上げるのが常套手段だが、ヤレ感を生かしたレストア未満の仕上がりを目指すには、一部が輝きすぎると逆効果になる場合もある。
そんな時に重宝するのが、サビ転換剤と特殊顔料の組み合わせで、赤サビを黒サビ(不活性な四酸化三鉄)に転換した上で塗膜を形成する「サビキラープロ」。塗装面だけでなくユニクロや亜鉛メッキ面にも使えるため、バイクや自動車補修分野でも人気が高まっている。
【BAN-ZI サビキラープロ シルバー/ガンブラック】●価格:(50gタッチペンタイプ)1804円/1837円 (200g)2849円/2893円 (1kg)7612円/7656円 (4kg)2万3760円/2万5179円 (16kg)7万1764円/7万8540円
ここではホイールリム/スポーク/フェンダー裏側にサビキラープロ(シルバー)をペイントした。通常の塗料だと塗膜下でのサビの進行が不安だが、そもそもサビ転換剤なので心配は不要。また、サビの上から塗った塗料は密着しにくいことも多いが、サビキラープロは厚い赤サビに対してもはじくことはなく、乾燥後はサビと一体化して強固な塗膜となった。
単にサビを隠すのではなく、進行を止められるのがサビキラープロの特長だ。サビと向き合うサンデーメカニックにとって、使い勝手が良く頼りになるのは間違いないだろう。
塗装面積に応じて50gから16kgまでの5タイプが用意されている。参考使用量としてはスーパーカブのリム1本とスポークで25g、90ccクラスのフロントフェンダー裏側で50g程度だった。タッチアップ用途なら50gか200gを購入するのが良いだろう。
再メッキ一歩手前のホイールリペア:サビの上から塗れる利便性を実感
ここまでサビが進行したリムやスポークは交換するのが妥当だが、旧車や絶版車だと車体の年代に応じた部品に交換したい場合もある。部品探しに時間がかかる場合には、サビた部品を延命することも必要だ。
リム内面のサビはタイヤが付いていると表側から見えないため、パンク修理やタイヤ交換の際に進行に気づいて驚くパターンが多い
サビキラープロはサビ転換剤なので、塗装前にサビを落とす必要はないが、カサブタのような浮きサビはブラシで除去しておく。
油性のサビ転換剤やサビ止め塗料は塗装面の水分厳禁だが、水性のサビキラープロは水洗い後に水分が残った状態で塗装できる。
50gボトルはブラシ付きキャップが使いやすい。従来のサビ転換剤はサビ以外に使えないのに対して、塗装やメッキ面にも塗装できる。
リム内面のサビはチューブに食い込みパンクの原因になることもあるため、サビの進行を止めて塗膜となるサビキラープロが有効。
サビを落とさず塗って大丈夫なの?と最初は不安になるが、本当に容易に塗装できる。この使いやすさが支持される理由のひとつだ。
明るいシルバーはサビの程度によって違和感のない仕上がりとなる。カスタムでガンブラック仕上げにするのも良いだろう。
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