
電気工作はもちろん、バイクの電気メンテや修理でも活躍するはんだこて。どれを選んでも大差はないと思われがちだが、画期的な製品が登場したので紹介する。最大の特長は200〜500℃の範囲で1℃刻みの温度調整が可能で、精緻なモニター機能で設定温度を維持できる点だ。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田 晃) ●外部リンク:太洋電機産業株式会社
手持ち式で200〜500℃の範囲で1℃刻みの温度調整が可能
goot(グット)ブランドで知られる太洋電機産業の「デジタル温調はんだこてPX-280/280E」は、ステーション型と呼ばれる製造現場向けはんだこての機能を手持ち式に搭載した高機能モデル。
最大の特長は200〜500℃の範囲で1℃刻みの温度調整が可能で、精緻なモニター機能で設定温度を維持できる点。こて先の温度ははんだの融点以上に上がることが必要条件だが、過度に上昇すればはんだや配線の酸化が進行し、逆に連続作業でこて先の温度が低下すれば付きが悪くなる。
この製品は設定した温度を常にキープし、温度が低しても設定温度まで素早く回復するため連続作業にも強い。セラミックヒーターは80Wの大容量タイプなので、電源投入から350℃まで30秒以下で到達するスピードも魅力。
世間では1000円以下で購入できる製品もあるが、圧倒的な実力を体感できるのがPX-280/280Eである。どちらかと言えばはんだ付けが苦手というサンデーメカニックも、このこてならはんだ付けの快感を味わえるはずだ。
【太洋電機産業 デジタル温調はんだこてPX-280】メーカーの想定を遙かに超える大ヒット製品となったPX-280/280E(280Eは3芯プラグタイプ)。製造現場向けのステーション型機を数多く開発するgootの温度調整機能はお墨付きで、設定温度を正確にキープする。初期設定の350℃ははんだ付けで最も一般的な温度。●メーカー希望小売価格:7920円
液晶表示は読みやすく、設定ボタンの左端にはヒーター通電を示すLEDランプもあるので、作動状態も一目瞭然。昔ながらのプラグの抜き差しによる温度調整は一切不要だ。
振動センサーを内蔵し、一定時間使わないとスリープモードになり、こてを取り上げるとすぐさま設定温度まで復帰する。プラグの抜き忘れに対応するシャットダウン機能も搭載。
作業内容によって使い分けられるよう、先端形状が異なる19種類もの交換用こて先が用意されている。標準装備のこて先は先端径φ2mmで、太いこて先はφ5mmまである。
アルカリ電池またはニッケル水素電池(単三形)4本で作動する、屋外作業で便利な電池式はんだこてMSD-40(3520円)。スイッチは安全性に配慮した2段階動作を採用。
虫眼鏡とワニ口クリップを組み合わせたクリップサポST-94(オープン価格)、逆作用ピンセット付きツイサポST-95(オープン価格)、形状を問わずゴム製クランプで固定できるマルチクランプST-85(4070円)。
製造現場での連続作業時の負担を軽減する目的で、電源と温度調整ユニットと超軽量なコテ先を分離しているのがステーション型はんだこて。PX-280には2万円台のステーション型相当の機能が搭載されている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
4連バキューム調整でアイドル安定。吹けもヨシ! 前編ではキャブレターを分解/洗浄し、一部のジェット類の交換を行った。今回の後編では、スロットルの開け締めで動きがイマイチな点をまず改善する。 問題がある[…]
完全分解ではなく連結分解でパーツ交換 まず、インテークマニホールドのバンドを緩めて、フレームの隙間から上方に引き抜いて作業開始。マニホールドのひび割れや亀裂は二次空気を吸い込む原因になるので、劣化が進[…]
長年乗りっ放しなら、キャブレターも分解洗浄 モトメカニック編集部に入庫中のカワサキ バリオスは、知り合いが販売店でNCNR(ノークレームノーリターン)にて格安購入したもの。調子が悪いので編集部でチェッ[…]
絶版車に楽しく安心して乗れる、納車時のモディファイ提案が好評 モトジョイの母体であるオーヴァーレーシングプロジェクツは、アフターマーケット向けにマフラーやステップといったパーツを販売しながら、1980[…]
タイヤのグリップを最大限に発揮させて安全マージンを増やす。アドバンテージのオリジナルパーツで足周りをグレードアップ キャストホイールや倒立フロントフォークなど、絶版車ユーザーには信じられないようなパー[…]
最新の関連記事(工具)
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
高い耐久性、IP65防水性能がライダーのギアを守る ミルウォーキーツールが誇るツールボックス、PACKOUTシリーズの最大の特長は、その「高い耐久性・防水性・防塵性」を備えているという点。ガレージや作[…]
入れないとどうなる?フロントフォークのオイル はいどうも、みなさんこんにちは。本日は愛車DT50のフロントフォーク定期メンテナンスをやっております。 トップのキャップボルトを外してカラーを取り出して、[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
論より証拠! 試して実感その効果!! クルマのボディケア用品の名門として語られることが多いシュアラスターですが、同社の本質は“洗車関係”にとどまりません。じつは、燃料がどう燃え、エンジンがどんな性格を[…]
スクリーンの透明感を取り戻す「ゼロリバイブ」 フルカウルのスポーツバイクやロングツーリング向きのアドベンチャーバイクなどに装着されているスクリーン。長く乗っていると、風雨にさらされて汚れたり、バイクカ[…]
自分だけのパーツ作成に役立つ彫刻機 愛車やガレージのカスタムにはワンポイントでも世界にひとつだけのパーツやあしらいがほしいもの。とはいえ、こだわればこだわるほどプロ級のツールが必要不可欠となる。 そこ[…]
Amazonランキング1位! カエディア USBチャージャー「KDR-M3C」を選択 携帯電話所有者のスマートフォン比率が2024年現在で97%というデータがあるなど、もはや日常生活に切っても切り離せ[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
人気記事ランキング(全体)
超高回転型4ストローク・マルチのパイオニアはケニー・ロバーツもお気に入り 今回ご紹介するバイクは1985年春に登場した超高回転型エンジンを持つヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)です。 フェー[…]
KTMの進化ポイントを推測する 第17戦日本GPでマルク・マルケスがチャンピオンを獲得した。ウイニングランとセレブレーションは感動的で、場内放送で解説をしていたワタシも言葉が出なかった。何度もタイトル[…]
フルレプリカのフォルムが遂にリッタークラスへ及びヤマハもラインナップ! 1980年代後半になると、スポーツバイクがレプリカとカテゴリーで区別されるほど、レーシングマシン直系にまでエスカレートしてきた中[…]
フレディ・スペンサーが絶賛! 軽さと「フォーギビング」な安定性を評価 伝説のライダー、フレディ・スペンサーがHSR九州でCB1000Fをガチ走行し、そのインプレッションを語っている。スペンサーは、CB[…]
輝かしい歴史を持つXT500は、なんと2002年まで生産 そもそもXT500は、1976年にヤマハが初めて作った4ストロークのビッグシングル搭載のトレールバイク。2スト全盛ともいえる時期に、空冷4サイ[…]
最新の投稿記事(全体)
ボルドールカラーのCB1000Fがアクティブから登場 アクティブが手掛けるCB1000Fカスタムが発表された。CB-Fといえば、純正カラーでも用意されるシルバーにブルーのグラフィックの、いわゆる“スペ[…]
“鈴菌”と呼ばれて 二輪と四輪を両方とも継続的に量産しているメーカーは、世界を見渡してもホンダ、BMW、そしてスズキの3社のみだ。1920年(大正9年)に個人経営だった織機向上が鈴木式織機株式会社へと[…]
ナナハン並みの極太リヤタイヤに見惚れた〈カワサキ GPZ400R〉 レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年。技術の進化に伴い、各社はレースで培ったテクノロジーをフィードバックさせたモデルを多く打ち[…]
オフロードでASAはプラスに感じられる場面が多い! 驚いたのは写真の緑の機体・オートマチックのASAを積んだR1300GS ツーリングASAのオフロード性能。微妙なクラッチ操作を多用するオフロードでA[…]
前バンクはクランクリードバルブ、後バンクにピストンリードバルブの異なるエンジンを連結! ヤマハは1984年、2ストロークのレプリカの頂点、RZシリーズのフラッグシップとしてRZV500Rをリリースした[…]
- 1
- 2

















































