
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:デイトナ
もはや必需品!? ドラレコとホットグリップを取り付ける
ネットニュースでも映像が頻繁に公開されているが、自分の身を守るためにバイクでも装着した方が良いのがドライブレコーダー。車載モニターの有無や取り付け時の配線作業、GPSの有無によってドラレコはいくつかの種類に分類されるが、取り付け後をスマートに見せたいなら、本体ユニットを車体内部に取り付けるモニターレスタイプが良いだろう。
また、一度体験するとやみつきになるのがホットグリップ。最近のハイグレードモデルでは標準装備されている機種も多く、冬場の必需品と言っても過言ではない。
筆者が所有しているバイクの中で稼働率が一番高いフォルツァに、ドラレコとホットグリップ(グリップヒーター)を装着することにした。本体ユニットを車体内部に取り付け、露出するのは前後カメラと小さなスイッチだけというドライブレコーダー「Mivue M760D」、純正グリップと交換することで見た目もスッキリする「ホットグリップヘビーデューティービルトイン4Sn」は、いずれもデイトナの人気製品だ。
どちらも配線作業が必要で、こうしたアクセサリーは「どこから電源を取るか」「配線をどう隠すか」が仕上がりを左右する。スクーターの場合、とりあえずカウル内側に押し込めば隠し所には困らないが、ハンドルを切った際の干渉、無理な力が加わらないかを確認しなくてはならない。取り付けを依頼すると作業時間=コストになるため深追いできる範囲も限られるが、自分で取り付けるなら時間に縛られることはないので、メーター周りから後部までカバー類を取り外し、剥き出しのフレームに配線を取り回せる。
メーターパネルを取り外したのは、ここにイグニッションオンで通電する純正オプションカプラーがあるから。これをさかのぼるとヒューズボックス内に専用ヒューズがあり、ホットグリップをここにつなげば万が一のヒューズ切れの際も容易にメンテナンスできる。
ホットグリップより消費電力が大幅に少ないドラレコは、バッテリー直結の常時電源と、キー連動のアクセサリー電源の2種類が必要で、アクセサリー側はメーター下にあるウインカーリレー電源から分岐した。パネルの着脱は確かに面倒だが、純正カプラーを活用することでスマートかつ安全な配線が可能になるのだ。
どのように配線を引き回すか、ドラレコの本体ユニットをどこに取りつけるかをじっくり検討し、最小限の車体加工で取りつけたドラレコとホットグリップはとてもスマートに仕上がった。事故や転倒でドラレコを活用するのは御免だが、スリムなグリップヒーターは快適性向上の強い味方となってくれている。
左グリップのホットグリップスイッチはさりげなく、リヤブレーキマスターシリンダーに貼ったGPS内蔵のM760Dコントロールスイッチも目立ちすぎず、満足いく仕上がりとなった。
ホットグリップ:オプションカプラーから電源を取れば、最大消費電力32Wでも心配無用
【デイトナ ホットグリップヘビーデューティービルトイン4Sn】φ22.2mmハンドル対応でφ33.6mmとスリムな外径が特長。純正グリップに巻き付けるタイプの製品は取り付けが簡単だが、どうしても太巻きになるのに対して、交換型は見た目も良い。スイッチがグリップに内蔵されているのもスマートだ。ホットグリップは細身で断線しにくいフィルムヒーターを使用し、スイッチオンで急速に暖まる速暖クイックヒートを採用。 ●価格:1万3200円
左グリップのスイッチは、1回押すと4分間の急速暖房モードで一気に温度を上げて、その後4段階の温度設定が可能になる。設定温度はスイッチ横のLEDの色で表示される。
フォルツァの配線図にあるオプション3カプラ。配線は3本あり、内訳はアクセサリー電源/車体アース/速度センサー用パルス信号となっている。必要なのは電源だ。
オプション3カプラのアクセサリー電源をさかのぼると、トランク底のヒューズボックスのオプションヒューズ(10A)にたどり着く。USB電源を取り出すのにも最適だ。
配線図上のオプション3カプラはメータ下の赤い4Pカプラとなる。メーカー純正オプション用として設置してあるのだろう。既存配線からエレクトロタップで分岐するより安心。
赤/青と緑にテスターをつないでイグニッションスイッチをオンにすると12Vが流れる。既存の電源を分岐しても同じだが、上流に専用ヒューズがあるので安心感は大きい。
デイトナ製の防水4極コネクターを利用して、電源用ハーネスを自作。この配線をホットグリップに。ホットグリップのヒューズは5Aなので、ヒューズボックスの10Aヒューズを5Aに変更しておく。
ドラレコ:前後カメラとコントロールスイッチ配線のレイアウトがポイント
【デイトナ バイク専用ドライブレコーダー Mivue M760D】ソニー製高品質CMOSセンサーとF値1.6の明るいレンズの組み合わせで、暗い夜道も鮮明な200万画素フルHDの高画質で記録される。衝撃を感知した際は、衝撃の5秒前から15秒後のファイルにロックをかけて自動的に保護する。前後カメラと本体ユニットの間は付属ケーブルで接続し、コントロールスイッチとケーブルは一体式となっている。本体ユニットは車体後部への設置が前提で、フロントカメラケーブル長が約3mなのに対して、リヤカメラケーブルは約1.5m、コントロールスイッチケーブルは約3mだ。●価格:3万2780円
32GBのマイクロSDカードはあらかじめ本体ユニットに内蔵されている。書き込み負荷を軽減するため、撮影された映像は1分ごとのファイルとなり、録画時間がいっぱいになると古いファイルから上書きされる。32GBの録画時間目安は約1時間30分。
最適な取りつけ位置はバイクごとに異なるため、別売で各種オプションステーも用意されている。右はフロントカメラ用ミラーステー共締めタイプ(990円)、左はリヤカメラ用ナンバープレート共締めタイプ(1650円)。ナンバー共締めタイプは汎用性が高い。
車体に取りつける前に、本体ユニット/カメラ/コントロールスイッチを結線して、電源をつないで動作確認を行う。事前に専用アプリをインストールしたスマホで画像が映るかチェックする。
先にホットグリップの取り付けを行うためメーター周りを取り外す。リヤカメラケーブルをレイアウトするため、サイドパネルを外す大がかりな作業となった。スクーターならではの取り付け光景だ。
ナンバー共締めステーで取り付けたリヤカメラのケーブルは、ナンバー灯ハーネスに沿ってカウル内側に引き込むことで、露出を最小限にとどめることができた。仕上げを良くするひと手間だ。
フロントカメラはヘッドライト下にセット。スクリーンやヘッドライト上の方がカメラの高さとしては自然だが、“付けました”感を軽減するためあえてこの場所に取り付けた。フェンダーとの干渉に要注意。
本体ユニットをトランク前部に設置したことで、フロントカメラケーブルとコントロールスイッチケーブルにかなり余裕ができた。これらをフロントカウル内でまとめておく。ハンドルに巻き込まれないことも要確認。
カメラとスイッチのケーブルはバッテリーボックスの開口部からトランク内に引き込み、本体ユニットに結線する。電源ケーブルのバッテリー直結分は丸型端子をかしめて接続する。
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