ヤマハが提案するミドルスポーツ・YZF-R7。試乗会で初めてYZF-R7と出会ったその日、僕はYZF-R7のカスタムを妄想していた。タイヤ/サスペンション/ホイール…と、自分が思い描くコーナリングマシンの理想を頭の中で追いかけた。アクティブのYZF-R7は、その時に僕が想像したYZF-R7に極めて近い!
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:石村英二(PHOTO SPACE RS) ●外部リンク: アクティブ
操っている実感を強められる、パーツチョイスと各部のアジャスト
アクティブのヤマハYZF-R7は、走り出した直後から一体感に溢れていた。タイヤが温まっていく感覚もわかりやすく、数周で思い通りのライン取りができ、気持ちの良いコーナリングをすることができた。僕は約2年前に行われたYZF-R7の試乗会の時に「自分が手に入れたら…」と仮定して様々なカスタムを妄想したことを思い出し、その答えがアクティブのYZF-R7にあるような気がした。
YZF-R7のターゲットは、YZF-R3やYZF-R25でスポーツライディングの楽しさを知ったライダーのステップアップがひとつにあると思うし、そういった方には十分なポテンシャルを持っている。一方で、YZF-R1やYZF-R6といったピュアスポーツからのダウンサイジングにもなるのではないかと僕は期待していたのだ。しかしサーキットというシーンに限定すると、それには少し各部のクオリティや性能が足りず、気がついたらカスタムを妄想していたというわけだ。
YZF-R7の登場から約2年。カスタムパーツも出揃い、セットアップの方向性も見えてきた今こそ、良い意味で尖りすぎていないスポーツバイクでコーナリングを追求するのが面白いと思った。
現実的なカスタム内容なのに、走りの変化は大きい
アクティブのYZF-R7は様々な部分に手が入っているが、僕が「ワインディング、たまにサーキット」というYZF-R7ユーザーにオススメするカスタムポイントは以下。
マストなのは、タイヤと前後のサスペンション。ノーマルタイヤはサーキットを走るにはグリップ感が少し希薄。今回アクティブがチョイスしたのは、ブリヂストンのS22(市販品)。実はノーマルもS22なのだが、ノーマルと市販品では結構フィーリングが異なるのだ。今なら来春に発売となるS23を選択するのも良いだろう。
さらにハイパープロ製のリヤサスペンションとフロントフォークスプリングのセットは、とてもバランスが良かった。ノーマルはリヤが突っ張っている感覚があり、進入から旋回、立ち上がりでもリヤが高い感じなのだが、このハイパープロのキットは前後サスがきちんと作動するイメージ。進入で向き変え&旋回の準備をしやすく、重心の低いところから思い通りにバンクできるのが印象的だった。
ハイパープロのコンスタントライジングレートスプリングは初期がとてもしなやかで、奥に行くと立ち上がる特性。きちんと動いているのに姿勢変化がとても少なく、それがブレーキやスロットル操作をした時のタイヤのグリップの作りやすさに貢献しているのである。
また、ノーマルポジションから20mmの範囲でオフセットできるステップバーは、オフセットカラーを使うことで気軽にポジションを変更できるアイテムとしてオススメ。バンク角を確保すると同時に、ステップバーの剛性感とグリップも向上するため、腰をズラす際のステップワークがスムーズだった。
タイヤとサスペンション、そして少しのポジション変更でYZF-R7のイメージはガラリと変わる。他にも良いパーツはたくさんあるが、走りを変えたいならこのあたりをカスタムの起点にするのが良いだろう。
さらなる気持ちよさやコントロール性を求めるなら…
他にもアクティブのYZF-R7は、ゲイルスピード製アルミ鍛造ホイール/ビルド ア ライン製ステンメッシュブレーキホース/アクラポヴィッチ製マフラー/DNA製エアフィルター/モトマスター製のディスクローターなどを装備。
ゲイルスピード製のホイールは、ノーマルよりもフロント1.03kg/リヤ2.7kg、前後で3.73kgも軽くすることができ、マスの集中を約束。ハンドリングを軽快にし、YZF-R7を一回り小さなバイクに感じさせてくれる。
また、アクラポヴィッチ製のマフラー/DNA製エアフィルター/ハイスロットルキットは、YZF-R7の不等間隔爆発の並列2気筒エンジンをさらに小気味よく演出。エキゾーストノートと吸気音に存在感が出て、スロットルを開けるのが楽しい味付けになっている。
サーキットを走るなら、そんなカスタムの効果をQSTARZのGPSラップタイマーLT-8000GTで数値化するのも面白いはず。「昨日までのバイクや自分と何が違うのか?」 そんな疑問をQスターズなら数値化&視覚化することができるのだ。カスタムの効能をスマホやパソコン上でグラフで見たりすることで、走りの組み立てが変わり、結果それをタイムアップに繋げることもできる。(詳しくはQSTARZで走りを変える!【自分の走りを“見える化”してタイムアップ! カスタムの効果も数値で実感しよう!】)
どんなシーンでも自信を持って操作でき、それをタイヤのグリップに転換できるのが印象的なアクティブのYZF-R7。各パーツ同士をしっかりと調律し、機能パーツの実力を引き出していた。まさに、YZF-R7でスポーツライディングを楽しむための好例である。2年前のあの日、僕の妄想したカスタムメニューはあながち間違っていなかった。その答えをアクティブが導き出してくれたような気がして、とても嬉しかった。
GB350をカフェレーサー化!【アクティブ GB350S試乗インプレ】セパハン&バックステップで行こう!はこちら
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ミリオーレの最新記事
バイクのパフォーマンスとは何か? それを真剣に考える時代に 最新のリッタースーパースポーツは、どのメーカーのモデルも200psを超える時代。MotoGPは、あり余るパワーをどう使うか、どう路面に伝える[…]
カスノモーターサイクルは京都伏見で1974年創業 2023年1月に京都のカスノモーターサイクルを訪れた時、糟野雅治さんは「2024年の50周年にはいろんな人を招いて、盛大なパーティができたらいいなぁ。[…]
ロイヤルエンフィールド初の水冷エンジン「シェルパ 450」を搭載 ロイヤルエンフィールドにとって、ヒマラヤ山脈は精神的な故郷であり、いつも創造的なインスピレーションを与えてきた大切な存在。初代ヒマラヤ[…]
ロイヤルエンフィールド INT650 試乗【良き時代の英国クラシックの香りを現代の感性で再び…】>>記事はこちら 新色モデルはMCショーでお披露目、発売は4月中旬を予定 新しくラインナップに追加となっ[…]
何にも似ていないバイクの創造。シンプルで普遍的、さらにレトロで未来的でもある バイクのデザインというものは、ある程度カタチが決まっている。人間工学的なことはもちろん、スポーツバイクは低く構えたポジショ[…]
最新の関連記事(アクティブ)
ホイールのサイズ変更をボルトオンでかなえる ネオクラシックカスタムを楽しむために誕生したアクティブのブランド『153ガレージ』の、セパレートハンドル&バックステップを装着したZ650RS。カフェスタイ[…]
全体のバランスを考慮しながら仕上げていく、アクティブのデモ車作り 1970年代のZ1やZ2をオマージュして2017年に登場したZ900RSは、さまざまなコンストラクターやユーザーが思い思いのスタイルを[…]
カフェレーサーに必須のセパレートハンドル&バックステップを装着 アクティブのGB350Sは、同社が新たに打ち出すネオクラシック系のカスタムパーツブランド『153ガレージ』のパーツで仕上げられている。1[…]
Qスターズで走りを数値化&見える化!【原田哲也の走りは何が凄い? 趣味ライダーとプロの走りを比較してみた!】の記事はこちら 走りをレベルアップするラップタイマー 独立型だから簡単装着でスグに使える! […]
Qスターズは、便利なラップタイマー…だけじゃない! 2023年の「もて耐」で、走りの違いを検証! Qスターズ LT-8000GTの専用ソフトで各自の走りを分析! チャンピオンライダーの走りはどこが凄い[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) リチウムフェライトは構造と素材的に“燃えない” スマートフォンなどデジタル機器の「リチウムバッテリー[…]
愛車とキャンプツーリングに行きたい! おつおつおー!バーチャルバイク女子のアズマリムです。バイク乗りなら一度はやってみたい夢といえば、キャンプツーリング(だよね?)!! アズリムの愛車は、スーパーカブ[…]
世界のモータースポーツで信頼の実績 エンジンと各補器類をつなぐ多くのホースはすべてに重要な役割があり、その経年劣化や亀裂などは、バイクの性能劣化やパワーダウン、また、最悪、事故に繋がる。このSAMCO[…]
スロットルを開けていく過程も楽しめるマフラーを作りたい ヤマハYZF-R15/YZF-R125は、YZF-R1を頂点としたシリーズの最小排気量モデルとして開発された兄弟モデル。フロントカウルの2眼ポジ[…]
好みのパーツチョイスで自分流のスタイルを追求 ヤマハの純正オプションパーツブランドであるワイズギアから、車両の発売と同時にMT–09用アクセサリーがリリースされた。注目すべきは車体ありきの追加パーツで[…]
人気記事ランキング(全体)
330円の万能ソケット買ったので試してみたい いつ頃からだろうか?100円ショップが100円だけではなくなってしまったのは。工具のコーナーも例外ではなく、100円、200円、500円、ものによっては1[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccク[…]
※2024年3月にWEBヤングマシンで大きな反響を呼んだ記事をあらためて紹介します。こちらは第4位の記事です(初公開日:2024年3月8日)。 車名が「セロー」になるかは不明だが、セロー的なものになる[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 燃料タンクは残し、カポッと被せて着せ替え完了! 車名の“エフモン”とは「CB-Fみたいなモンキー」の[…]
――はじめに、津久井高校の県内の位置付けや特色を教えてください。 熊坂:県立高校に移管される前も含めると、明治35年に始まった学校なので120年を超える歴史があります。全日制と夜間定時制の2課程ありま[…]
最新の投稿記事(全体)
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 盗難されたナンバープレートは犯罪目的に使われる可能性も!? 警視庁のデータによれば、バイクやクルマの[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~5[…]
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
長いガラス繊維をシート状に編み込むことで飛散を防ぐ ガラス繊維を重ね合わせたグラスウールは、吸音性が高いものの、経年変化で繊維が飛散すると消音性能が低下するため、定期的なウール交換が必要。また一般的な[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccク[…]
- 1
- 2