2022年にフルモデルチェンジしたヤマハXSR900。エンジンは排気量を845ccから888ccまで拡大し、車体も剛性をアップさせるなど大幅に進化している。1980年代のバイクシーンをイメージしたルックスとその進化をマジカルレーシングなりに解釈しカスタムしたのが、ここで紹介する1台。まるで純正のようにフィットするビキニカウルを筆頭に、さまざまなボディパーツをラインナップする。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:マジカルレーシング ●外部リンク:マジカルレーシング
往年のヤマハファンには懐かしく、若いファンには新鮮に!
ネオクラシックやモダンクラシックカテゴリーには、近年多くのメーカーが参入。メーカーが個性を出しやすいジャンルということもあり、人気だ。ただし、ヤマハのアプローチは少し変わっている。
XSR900の紹介にクラシックという言葉は見つからず、そこにはヘリテージというフレーズを多用。過去の特定のモデルをオマージュせずに、熱狂の1980年代バイクシーンをイメージ。バイクが加速的に進化していった時代のエンジニアをリスペクトし、それを現代に具現化しているのである。
そんなXSR900だけに、カスタムのコンセプトは難しい。しかし、マジカルレーシングのXSR900は見事なまとまりを見せており、スタイリングを大幅に変更しているにも関わらず、往年のヤマハイズムをしっかりと感じさせてくれる。
「みんなでノーマルのXSR900を見ながら考えました。アッパーカウルの独特のシェイプは、往年のヤマハファンには懐かしく、若いファンには新鮮に映るようなイメージでデザインをしました。みんなであーでもない、こーでもないと言いながら、現物を合わせながら形を決めていったんです。
また、ノーマルはバーエンドミラーですが、今回は丸型のタイプ6カーボンミラーを装着。こちらも良い反応をいただいています」とマジカルレーシングのマーケティング担当の久保さん。
スポーティーな雰囲気をさらに強く
ネオクラシック風でありながら、フレームはアルミツインスパーのデルタボックス、さらにスイングアームもアルミ製。エンジンは888ccの並列3気筒で120psを発揮。XSR900のディテールやスペックは、クラシックでなく、とてもスポーティかつ現代的である。
「マジカルレーシングといえば、コレ。そんな決まったデザインはないんです。一貫性がないようにも思われるかもしれませんが、そのバイクに合わせて常に新しいカタチを考えていくんです。XSR900はイメージ自体はクラシックなのですが、ディテールは最新なので、かなりスポーツに振ることにしました。
クラシックのカテゴリーはメーカーのイメージが決まっているので、そこに何かを被せていくのは難しいですよ。みんなで結構悩んだのですが、中途半端はダメだと思いました。XSR900はトコトコと走るバイクではないので、イメージしたのは『スピード感』。こんなカスタムもありかなぁと思っています」とマジカルレーシング代表の蛭田さん。
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