ネイキッドの呼称を世に広めた、ゼファー!
自主規制上限の59psのレーサーレプリカが居並ぶ中で、二世代ほど古い46psの空冷4気筒で登場したゼファーは、とくにバイク業界関係者からの評判は芳しくなく「いまさら感」に溢れていた。しかし実際に発売されると驚異的な大ヒットを記録。ちなみにゼファーの発売日は、レーサーレプリカ最後発のZXR400の約1カ月後だった。
1995年に免許制度が改正され、教習所で大型自動二輪免許が取れるようになっても人気を維持し、97年にフルモデルチェンジしてゼファーχ(カイ)を発売。カワサキの空冷4気筒エンジンで4バルブは、Z1から現在までゼファーχが唯一のモデルとなる。
走りの水冷400ネイキッドZRXが登場!
ゼファーでネイキッドブームを作ったカワサキが、スポーツ志向の強い水冷ネイキッドのZRXをリリース。最高出力は自主規制で1992年に引き下げられた53psなので空冷のゼファーχと同じだが、トルクやレスポンスに優れる。随所にAMAスーパーバイクで活躍したZ1000Rの雰囲気を再現し、「角Z」のイメージを強く漂わせた。
ハイスピードツアラーの血統、ZZ-R400
ZZ-R400は「フラッグシップ」や「メガスポーツ」などの呼称を生んだZZ-R1100の弟分として、輸出モデルのZZ-R600と同時に開発されたスポーツツアラー。
カウリングに隠れて見えないが、レーサーレプリカZXR400と異なるセンターカムチェーンの新型エンジンは、後にネイキッドのZRXにも使われている。ウインドプロテクションや空力特性に優れたフルカウリングはもちろん、タンデムに便利なグラブバーや実用性とルックスを兼ね備えた荷掛けフックなどもZZ-Rシリーズの美点だ。
ちなみにカウリングに描かれる車名は、1993年モデルからハイフン(‐)無しのZZR400になったが、カワサキは2003年にZZRの表記統一をアナウンスした。
軽快さがウリの「ハーフニンジャ」
GPZ900Rの後継モデルGPZ1000RXのエンジンを半分にしたような輸出モデルGPZ500Sが登場したことで「ハーフニンジャ」と呼ばれ、同時に開発された国内向けのGPZ400SはGPZ750Rの半分になる(ボアは共通でストロークを伸ばして398ccにしている)。
4気筒全盛でGPZ400Rが大ヒットしていた時期だが、気軽に乗れる2気筒スポーツとして発売。94年のEX-4も、レーサーレプリカのZXR400やスポーツツアラーのZZ-R400とは異なる、オールラウンドなスポーツバイクを目指した。
4ストロークのマッハ
ザンザスは「シグナルグランプリでワンクラス上のバイクに勝つ」という、明確だが現在では信じられないようなコンセプトで開発された。
当時最強と言われたレーサーレプリカZXR400のエンジンをベースにバルブタイミングやピストン形状を変更して中低速寄りにセッティングし、二次減速比もショート化して、徹底的に加速を重視。「マッハの4ストローク版」ということで、カタログやバイク雑誌の広告のキャッチフレーズは「音速伝説」。大人気のゼファーとは正反対の性格を持った異質なネイキッドだ。
端整なデュアルパーパス
現在人気の本格アドベンチャーではないが、オンロード主体で悪路も走破できるデュアルパーパス。DOHCの2気筒エンジンはキビキビ走り、ツーリングライダーにも好まれた。スクリーンの大型化などマイナーチェンジを経て、2001年頃まで販売された息の長いモデルだ。
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