KTMに株式の25.1%を渡して資金を確保したMVアグスタ

アゴスティーニ氏がアンベール!【MVアグスタ スーパーヴェローチェ1000セリエオロ&921Sコンセプト】

今回、MVアグスタはEICMAへの出展はせず、MVアグスタミラノのディーラーでニューモデルとコンセプトモデルを発表した。ティムール・サルダロフCEOから昨今の情勢が発表され、レジェンドライダーであるジャコモ・アゴスティーニ氏が新しいセリエオロをアンベールした。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:小川勤、MVアグスタ ●外部リンク:MVアグスタジャパン

KTMに株式の25.1%を渡して資金を確保したMVアグスタ

ロシアとウクライナの戦争は、MVアグスタの財政を直撃している。ロシアの起業家でオーナーのティムール・サルダロフCEOは、資金をロシア国外へ出すことができずに苦渋していた。この状況を一刻も早く改善するために、KTMに株式の25.1%を渡し資金を確保したのだった。そのニュースが流れたのは、EICMA 2022開催の数日前。それ以前に2022年9月には北米でのMVアグスタの販売網をKTMが手掛けるというリリースが出ていただけに、今後の展開も気になるところである。

こうした事情から2022年は資金難のためEICMAへの出展を断念するものの、EICMA会場からほど近いディーラーであるMVアグスタミラノでスーパーヴェローチェ1000セリエオロ&921Sコンセプトを発表。その場で、ティムール氏は、今後は新しいパートナーであるKTMとやっていくと我々メディア&MVアグスタミラノのカスタマーの前で発表した。

2台のブランニューモデル以外にも、2023年早々に発売が予定されているアドベンチャーモデルであるラッキーエクスプローラー5.5と9.5も展示されていた。

その時の様子を紹介しよう!

ニューモデルは、ティムールCEOとアゴスティーニ氏によってアンベール。80歳のアゴスティーニ氏は軽やかにスーパーヴェローチェ1000セリエオロに跨った。MVアグスタミラノはEICMA会場から地下鉄と徒歩で40分ほど。店舗の前にはきちんとバイク&クルマの駐車スペースが用意されているのが羨ましい。

店舗の中はご覧の感じ。写真を撮ることはもちろん、動くことも難しい状況……。多くのファンがMVアグスタのニューモデルに期待している。見えないが、写真の左側には921Sが置かれていた。

スーパーヴェローチェ1000セリエオロ

スーパーベローチェ1000セリエオロの詳細はこちら
とてもエレガントなスーパーヴェローチェ1000セリエオロ(SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO)。シルエットもディテールもすべてが美しい。998ccの並列4気筒エンジンを搭載。

キャストホイールではあるが、スポーク風のデザインを取り入れるあたりがとても斬新。フロントカウルには1972年の「MV500」をオマージュしたウイングを装備。あまりの人の多さに、接写しかできず……すみません……。

フロント周りの造形も美しく、既存にはないディテールに。4本だしマフラーはシルエットにもサウンドにもこだわった逸品。

MVアグスタは、1972年のレーサーであるMV500にウイングを採用。実は世界で初めてGPマシンにウイングを採用したのがMVアグスタなのだ。

コクピットはベリアのタコメーターが鎮座。シートは腰をズラすことよりも直線でのホールド性を意識した形状。

921Sコンセプト

921Sコンセプトの詳細はこちら
TECH RETRO(テックレトロ)のテーマで登場した921Sコンセプトは、750Sをオマージュしたデザイン。921ccの並列4気筒エンジンは、新規のようだが最高出力は115.5psと現代のスペックで考えるとかなり控えめ。

各部のディテールはMVアグスタらしいアイデアに溢れ、面白い造形をしているが、ピボット周囲のフレームやスイングアーム、さらにヘッドライト周りはアルミの鋳物のアルマイトで高級感はない。コンセプトモデルだけにこれからの仕上がりに期待したいところだ。

ショップ内には750Sも展示。750Sは、1969年~1975年に生産されていた市販車。いかにもイタリアンカフェレーサーといった雰囲気。

ラッキーエクスプローラー9.5

ラッキーエクスプローラー9.5は、931cc並列3気筒エンジンを搭載。4月に生産を開始するという。

ラッキーエクスプローラー5.5

ラッキーエクスプローラー5.5は、554cc並列2気筒エンジンを搭載。22年の3月に生産を開始する。

スペインのフューエルモーターサイクルとコラボしたウエア。アドベンチャーを全面に押し出す感じではなく、当時のパリダカを思い出させてくれるデザイン。

MVアグスタミラノはとても素敵な空間をもつディーラーだった。店内にある小物はどれも雰囲気があり、店舗奥には開放的な屋外のテラスも。


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