最新4気筒エンジンは998ccで208psを発揮!

半世紀を経てウイングを継承?! MVアグスタが「スーパーヴェローチェ1000セリエオロ」を初公開

MVアグスタは、EICMAの開幕に合わせて2023年モデルをオンライン公開。レギュラーモデルのアップデートに加え、将来に向けた新機種として「スーパーヴェローチェ1000セリエオロ」を初めてお披露目した。


●文:ミリオーレ(ヨ) ●写真:MV AGUSTA

レガシーからレジェンドへ

998ccの並列4気筒エンジンを搭載したスーパーヴェローチェシリーズの最新作が登場! 未来に向けたモデルとして“ネオレトロ ハイパースポーツ”を謳い、MVアグスタの歴史とイタリアの文化を注入したブランニューモデルが「スーパーヴェローチェ1000セリエオロ(SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO)」だ。

ALL NEW 4 CYLINDER_MASTER PIECE

スピードを表すヴェローチェの名の通り、MVアグスタが伝統としてきたスピードの追求と、イタリアのデザインの中核ともいえる“イタリアンカーブ”=官能的な曲線美を融合し、過去と未来と掛け合わせた新しいスポーツ像をつくり出す。テーマは“From Legacy to Legend”だ。

1972年に世界で初めてGPマシン「MV500」にダウンフォース目的のウイングを装着したのがMVアグスタだ。

最新のトレンドに乗ってウイングを採用し……と思うだろうが、実はMVアグスタ、ダウンフォースを目的としたウイングを世界で初めてGPマシンに採用したメーカーである。1972年の「MV500」がそれで、スーパーヴェローチェ1000は当時と同じ目的でウイングを装着しているわけだ。

レイヤー構造になっているフェアリングは、ダウンフォースだけでなくエンジン冷却風の流れをコントロールし、パワフルなエンジンを効果的に冷やす。これを“イタリアンカーブ”と融合させ、単なる効率追求だけではない美しいボディワークを実現してしまうのだから、さすがはイタリアンメーカーだ。

マフラーはシート下に4本出しとし、中央に丸型のテールランプを配置することで、5つの円が並ぶような印象をつくり出す。1999年に登場した初代F4のようなMVサウンドを期待せずにはいられない。

“SUPERVELOCE 1000 FOUR CYLINDER LEGEND”と書かれたスケッチ。

アルミ鍛造ホイールのデザインも独特だ。5角形の星形をモチーフとしながら、赤いワイヤースポーク×5本で補強。片持ちスイングアームならではの造形美をアピールする。電子制御式の前後サスペンションおよびステアリングダンパーはオーリンズ製を採用し、クロームモリブデン鋼のトレリスフレームはスイングアームピボットをアジャスタブルとしたアルミ鋳造プレートにボルトオンされる。

16本の鍛造チタンバルブ、2次バランサーを備えた新エンジン

4気筒エンジンは軽量クランクシャフトを採用し、16本の鍛造チタンのバルブをラジアル配置。同じくチタン製のコンロッド、チタン製レーシングエキゾースト(レーシングキット)を備え、新たに採用した2次バランサーにより振動を54%カットしている。排気マニフォールドもアップデートを受け、カムプロファイルはスムーズなトルクカーブを実現。カムフォロワーにはDLCコーティングを施し、フリクションロスの低減を徹底した。

これらの結果、最高出力は208ps/13000rpm、最大トルクは11.9kg-m/11000rpmをを実現している。

初代F4から受け継がれるラジアル配置の16バルブ。新たに2次バランサーを追加した。

電子制御について多くは語られていないが、少なくとも双方向クイックシフトやトラクションコントロール、ローンチコントロール、クルーズコントロール、GPSを用いたMV Rideアプリ(ナビゲーション機能)、前述のオーリンズ製ECサスペンションといったものが装備リストに載せられている。5.5インチTFTカラーディスプレイでこれらの情報を整理し、設定を変更することも可能だ。

ボディワークのカーボンもタダモノじゃない

フェアリングはすべてカーボン製だが、普通のカーボンファイバー製ではなく、高温高圧でプレスして成形する“フォージドカーボン”を採用。カーボン素材の中でも最軽量&最高強度を誇ると言われる素材を40点にわたるパーツ群にふんだんに使っている。

この素材を用いたウイングレットは、エアロダイナミクスデザインを追求したことで、320km/h走行時に39.2kgのダウンフォースを発生する。アンダーカウルまわりの整流では、エンジンオイルの温度を3.1℃下げることに成功した。シミュレーション上のドラッグ値は0.516だ。

フレームだけになってもデザイン性を感じさせるのがイタリアンメイド。フォージドカーボンのパーツは全部で40を数える。

速度域によるダウンフォースの変化や総合ドラッグ値がわかる。

セリエオロ=SERIE OROとは何者か

1999年に故マッシモ・タンブリーニの手により誕生した初代F4(750)は、初期ロットにのみ特別な装備を与えることで“セリエオロ”とした。“ゴールドシリーズ”を意味するセリエオロは、その後2001年のブルターレ750、2011年のF3 675、2019年のブルターレ1000&スーパーヴェローチェ800らの最初期ロットにも設定され、シリアルナンバーで管理された限定生産で幸運なオーナーのもとに届けられている。

その最新作となるスーパーヴェローチェ1000セリエオロについては、限定生産数および価格、発売時期などが未発表。前例に倣えば翌年あたりにはなんらかのアナウンスがあるはずだが……。

ちなみに、MVアグスタはKTMのオーナーグループであるピエラーモビリティと戦略的協力に合意したことを11月3日に発表しており、この際にKTM AGがMVアグスタの株を25.1%取得したことも明らかにされた。コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻が影を落とす中、このコラボレーションがニューモデル生産の明るい兆しとなることを願わずにはいられない。

各所をゴールドカラーに仕上げ、限定生産のシリアルナンバーが入る。

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

主要諸元■全長2080 全幅940 全高未発表 軸距1415 最低地上高122 シート高845(各mm) 車重194kg(乾)/レースキット装着時192kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc ボアストローク79mm×50.9mm 圧縮比13.4 208ps/13000rpm 11.9kg-m/11000rpm 変速機6段 燃料タンク容量16L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●価格/発売時期:未発表

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

電子制御サスペンションとステアリングダンパーはオーリンズ製。5.5インチTFTメーターを備える。資料には明記されていないが、シートは専用のアルカンターラか。

燃料タンクにはレーシングキャップと革製のベルトを装備。4本出しチタンサイレンサーはアロー製。

片持ちスイングアームゆえリヤホイールのデザインがとても目立つ。レイヤー構造のアンダーカウルは効果的に風を排出する。フロントブレーキにはエアダクトも。

スーパーヴェローチェ800と比較。3気筒の800は右3本出しマフラーを採用しているためテールまわりがスッキリ。1000はやはりウイングが目立つ。

以下配布資料より

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO

MV AGUSTA SUPERVELOCE 1000 SERIE ORO


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