未来のスポーツバイクのカタチはどうなっちゃう?

ついにテールカウルにも翼を生やしたドゥカティのMotoGPマシン【恐竜? ポケモン? 賛否両論あるが速い!】

いま、MotoGPマシンの進化や変化を感じられるいちばんのディテールが空力デバイスだ。特にイタリアのドゥカティとアプリリアはその開発に積極的で、もはや市販のスーパースポーツと極端にかけ離れたスタイリングになってきている。そしてMotoGP後半戦がスタートしてそのスタイリングはさらに個性的に。シートカウルにツノというか背びれようなウイングを装着したドゥカティが圧倒的な速さを見せている。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ミシュラン

ついにテールカウルにも……効果があるパーツはすぐに実戦投入!

2022年シーズンのサマーブレイク明けのMotoGP第12戦イギリスGPのフリー走行で、超奇抜なアイテムが登場した。プラマックとグレーシーニのドゥカティ デスモセディチGPのテールカウルに4枚の羽が生えたのだ。

果たして、この羽にはどんな効果があるのだろうか? と、興味がわいた。今後正式採用されていくのか? と注目していたら、第13戦オーストリアGP、そして第14戦サンマリノGPではファクトリーの2台も採用。

そして、第13戦オーストリアGP、第14戦サンマリノGPの予選では4位までをドゥカティが独占。決勝ではフランチェスコ・バニャイアが好調で、現在4連勝中である。

ブレーキングの向上、ストレートでの良さなどはライダーのコメントで出ており、それなりに効果が高そうなアイテムのようだ。リヤタイヤのスプーンスタート時&走行中の車高調整もここ最近ではドゥカティから始まり、その後全メーカーが追従したアイデア。

果たして、今後テールカウルに羽を生やすメーカーは出てくるのか?

しかし、国産メーカーのこういったアイデアも見てみたいのが日本人の心情……頑張ってほしい。

それでは様々な角度から「恐竜」とも「ポケモン」とも言われる空力デバイスを見てみよう!

テールカウルにかなり強い角度でそそり立つ新たなウイング。いつか市販車に採用される日がくるのだろうか?

夏休み明けの第12戦イギリスGPで、2023年にファクトリー入りをかけていたE.バスティアニーニとJ.マルティンがこのウイングをテスト。この段階では2種類あったらしい。

第13戦オーストリアGPでは、トップ争いを繰り広げるファクトリードゥカティの2台に新たな空力デバイスが採用された。

ちなみにスタンダードのテールカウルはこんな感じ。ドゥカティは比較的スリムでシュッとしていたが……。

ホンダはカウルの下側がスリム。ドゥカティとアプリリアは空力デバイスを装着。

ヤマハもアンダーカウルが細い昔ながらの形状を採用。ドゥカティとアプリリアはアンダーカウルの下側が太めで、フルバンクした際の路面とのクリアランスが少ないはず。

レースを見ているとエアロダイナミクスで車体を安定させているのは明白。最高速も速い!スリップストリームの効きも変わりそうだ。

ドゥカティのデスモセディチGPを様々な角度から見てみる。真剣にエアロダイナミクスと向き合っていることがよくわかる。

空力デバイスを追求し続けるイタリアンの2台。そのスタートシーンはもはや違和感しかない特化したフォルム。

ゼッケンの上部に見えるストローみたいな管はピトー管。MotoGPマシンで常にピトー管を装備しているのはアプリリアだけ。ピトー管とは飛行機などに装着されている総圧を測れる装置のこと。車体に対してどのように空気が流れているかを計測しているのだ。


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